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『チーズはどこへ消えた?』を読んで|変化に対応するには…

この本を読みました.感想とともに紹介します.
ビジネスのベストセラー本ですが、色々な場面で応用できるように、やわらかい内容になっています.内容も短く1~2時間あれば読めるのではないでしょうか.

一言でいえば、
変化に対する捉えかた、変化への対応の仕方、に関する本
です.

世の中には「チーズ」を手に入れるためにどうするか、という本が多いですが、この本は「チーズ」を手に入れた後の変化への対応について物語で紹介しています.

技術の進歩するスピードが甚だしいこの社会では、「変化」の捉えかたこそ大切なのではないでしょうか.

Who Moved My Cheese?
チーズはどこへ消えた?
スペンサー・ジョンソン
Spencer Johnson,M.D.
門田美鈴 訳

1.世界観

物語は、2匹のネズミ、2人の小人が迷路でチーズを探すというものです.

「ネズミ」は単純さ、「小人」は複雑さ、
「迷路」は「チーズ」を追い求める場所、
「チーズ」は人生で求めるものの象徴として扱われています.

この物語のキャラクターの名前は次のようになっています.

スニッフ・・・においを嗅ぐ、~を嗅ぎつける
スカリー・・・急いで行く、素早く動く
ヘム・・・閉じ込める、取り囲む
ホー・・・口ごもる、笑う
P.94

彼ら2匹と2人は、迷路内で通った道を覚えては引き返します.
トライ&エラーを繰り返し、迷路で苦労した末に、食べきれないほどのチーズがある、「チーズステーション」を見つけます.
そして安泰を手にします.

ところがある日、突然、チーズステーションのチーズがなくなります.

ネズミはすぐに行動します.
小人はその急激な変化を受け入れられず、行動に移せないでいます.

実は、急激な変化は、実はよく観察していれば予測できたことでした.

この時の変化について、登場人物「ホー」の視点を中心に物語が進んでいきます.物語を通して、ホーは、この出来事を通して学んだことを、次のように、壁に書きました.

変化は起きる
 チーズはつねにもっていかれ、消える
変化を予期せよ
 チーズが消えることに備えよ
変化を探知せよ
 つねにチーズの匂いをかいでいれば、古くなったのに気がつく
変化に素早く対応せよ
 古いチーズを早くあきらめれば それだけ早く新しいチーズを楽しむことができる
変わろう
 チーズと一緒に前進しよう
変化を楽しもう!
 冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう!
進んですばやく変わり 再びそれを楽しもう
 チーズはつねにもっていかれる
 P.68

2.3部構成が際立たせる変化への多様な向きあい方

本書は、全94ページという薄さですが、3部構成となっています.

1部は、クラス会(=同窓会のような集まり)で、それぞれ自分の変化に対する受け止め方を話しています.

2部は、前述「世界観」で紹介した物語が展開します.

3部は、クラス会で物語について「ディスカッション」している場面が展開します.
このディスカッションでは、物語をどう読んで、同自分の仕事や生活に活かすかを話し合っています.

読み手は、きっと本に登場する登場人物(ネズミや小人、クラス会に集まる人)のどれかに共感する構成になっています.

3.私の物語/変化の受け止め方

物語を読んで、思ったことは、私は登場人物でいうところのネズミかもしれないということです.賢くないという意味も含めて.

振り返ると、人生で世界は何度も変わっています.
過去をみると、もっと事象があるのでしょう.

パソコン、スマートフォン、SNS、モバイル化
国際化、デジタル化
少子化高齢化、人口減少
地球温暖化、災害の激化
新型コロナウイルス感染症の拡大

個人的な出来事をあげるともっとあります.

きっと物語の主人公は「ホー」で、読者には、その目線で読んでほしいというメッセージが強いはずです.

私は、変化は当たり前のことだと思うし、しんどいこともありますが、好きです.なので、それは自分の強みかもしれないと感じました.

「チーズ」探しとは異なることを承知で、自分のことで思い浮かんだことを書きます.

レストランに行けば、”いつもの”は頼まず、頼んだことのないものを食べますし、次は、もっと違うおいしいお店を探してみよう!という気持ちになります.

旅に行く先も、一度行った良かったところよりも、まだ行ったことのない場所へいってみたいと思います.

仕事も、新しいことや興味のある毛色の違う仕事があった方が、楽しいと感じます.

ここまで言うと、真に、
人生で求めるもの=「チーズ」だとすると、「チーズ」を得たことがないだけかとも思いました.

または、象徴として示された「チーズ」と「迷路」をうまく解釈できていないのかもしれません.

今後、「チーズ」を手に入れ、安泰した時に備え、
変化を恐怖に感じた、小人になった時の心得として大切にしたいエピソードとなりました.

4.物語の視点で自分の周りを見渡してみて

職場を中心に、この物語の教訓を持って、自分の周りを見渡すと様々なことに当てはまります.

資本主義の下、株式会社に努めていると、安定して資本を得られる業務は「チーズ」そのものだと思います.
制度や技術が変われば一変して、なくなるものに対しては、ネズミであるべきだし、会社員にとっては会社というものが、最初のチーズステーションなのかもしれません.

5.さいごに

著者の本は、ほかにもいくつかあります.
物語自体は、シンプルで短く、読みやすいので、ほかの著書も読んでみたいと思いました!


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のおと





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