ウクライナ。ロマ族(ジプシー)の受難
2022年3月。ウクライナの戦火を逃れて来日してきた人々がニュースになった。
映画『牛久』(入管収容所の過酷な実態を映したドキュメンタリー)を見た友人は、
「こんなひどい対応をしている日本が、ウクライナ避難民の受入を(適切に)できるのか?」
と言っていた。
それに対して私は「ウクライナ人はほとんどが金髪白人なので、そういう心配はない」と言い、
後日、パックンも同様の発言もしていた。
しかし『THE BIG ISSUE』No.422 2022.11.1に、
“戦争とマイノリティ ウクライナ。ロマの人々が直面する差別、棲み分け、孤立”
という記事が載った。
冒頭に「『ウクライナから戦火を逃れたロマの難民が避難先の国で差別を受けている。』そんな報道に触れたのは2022年3月上旬のことだった。」
とある。
さらに「ロマ難民の(中略)収容所を訪れた。有刺鉄線で囲まれたフェンスの中に居住区がある。もしこれが、ウクライナの白人の女性と子どもだったら、社会はこれを許容したのだろうか。」
自分の考えが浅はかであった。
追い討ちをかけたのが
「ある日、高齢のロマの女性に会いました。『この救援バスに乗れば、安全な場所に避難できる』と伝えましたが、その女性はその言葉にとても怯えていました。私はその姿を見て思い出しました。彼女たちの世代は、そのような言葉を信じて連れて行かれた先が、ナチスの強制収容所だったことを」