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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2022年10月の記事一覧

運転免許の一発試験に心が折れた日、八潮橋には馬がいて

自動車教習所を、二度も卒業したことがある。 入学費用も二度払った。 それなのにわたしは、運転免許を持っていない。一応、運転技術と知識だけは有しているので「ブラックジャックみたいなもんだし」と強がっている。 もう二年も前のことになるが、聞かれるたびに説明が面倒なので、いきさつをまとめておく。これがわたしの運転のすべてだ。 一度目の教習所通いは、大学入学前の春休みだった。運転の実習よりも、待合室に置いてあった『アイシールド21』という漫画にはまってしまい、教習所にノコノコ

なぜ「棍棒」が人気なのか?

ネットを巡回していると、たまたま「最近、こん棒が人気だ」という主旨の記事を発見した。 なかなかニュースとしては平和で面白く、都会生活に疲れた現代人はをこん棒を振りまわしたいという潜在的な欲求を持っている、という話はわかりやすい。なので、ひとつのほのぼのニュースかと思って読んでいた。 しかし、この記事を読んでしばらく経ってから思ったのは、こん棒というのは「わかりやすく人間の能力を向上させる道具」なのではないか、ということだ。人間が生み出した文明の叡智は、コンピューターやスマ

お前、ぜんぜん若かったじゃん。

少しだけ、甘酸っぱい気持ちで読んでいる。 「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載中の「夢を笑う人なんか友達じゃないよ」。放送作家の鈴木おさむさんと、糸井重里さんの対談だ。 いまから20年ほど前、少しだけテレビのお仕事に関わったことがあった。当時のぼくよりも何歳か若いディレクターさんが仕切る、関東ローカルの深夜番組だ。ぼくが担当していた著者さんが準レギュラーのようなかたちで番組に出演し、収録のたびにぼくも出掛け、著者さんのサポートをしたり、ディレクターさんの相談相手になったり、われな

あなたに会えて良かった

前回の記事はこちら この人生、なかなか良いんじゃないかないらっしゃいませ。 bar bossaへようこそ。 僕、なっちゃんという名前の犬を18年間飼っていたのですが、4か月前に亡くなったんです。今でもたまになっちゃんの写真や動画を見て、ほんとなっちゃんに出会えて良かったなあって、しみじみ思います。 なっちゃん本人はどういう風に思っていたのか、本当のところはよくわからないですが、でもいつも楽しそうにしていたし、なっちゃん、妻のことが大好きで、いつもくっついていたし、なっち

和三盆とコスモスをあいして

先日、四国旅行をしたという知人から、お土産にと美しい和三盆を頂戴しました。 なんとまぁ、うれしいこと。 和三盆は、ゆったりとしたひとときを過ごすための、とっておきのお菓子。そんな特別感があります。 ここのところ、せわしない日々を送っている私にとって、そのやさしい味わいをたのしむための「時間」をプレゼントして頂いたような、そんなよろこびがありました。 和菓子好きの私は、和三盆のような「干菓子」(=水分の少ないお菓子)も大好きなのです。 ・・・ ✽ ・・・ 和三盆

消えた「もみあげ」を描く

初対面の人間に、特技を聞かれたときに困ってしまうのは「自慢しすぎていないか」、あるいは「格好つけすぎていないか」という要素を考えすぎてしまうからだ。 その点、僕は特技を聞かれれば、「フラフープを回すことが得意です」とか、「自分でセルフ散髪することが得意です」と即答することができる。フラフープを回すことより、「ギターが弾ける」とか「カラオケ」、「リフティング」とかの方が断然格好いいのだけれども、僕がそれを口にしてしまえば「格好つけすぎている」と思われかねない(そもそもリフティ

酷い人間に関わって落ち込んだ時にの対処法

前回の記事はこちら 難しい設定の世界を我々は生きているいらっしゃいませ。 bar bossaへようこそ。 先日僕のnoteに来た相談です。 「変な人、酷い人と関わり傷ついてしまった。トラブルの一因は自分にもあるのだと落ち込んでいる。 反省することも大切だと思うが、自分の心を守るためのヒントがあれば教えてほしい」 とのことでした。 「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」ってアドラーは言ったそうですよね。言われてみれば、ほんとうにそうです。例えば、「もう少し痩せたいな

どこまでいってもお金は足りない

前回の記事はこちら 若い頃はいつもお金がないいらっしゃいませ。 bar bossaへようこそ。 若いころ、2か月ほどブラジルに滞在したことがあるのですが、僕、胃腸が弱くて、やっぱりブラジルでも胃が調子悪くなったんですね。ポルトガル語で「オナカイタイ。クスリクダサイ」くらいは言えるので、自分で薬屋さんに行くことはできるのですが、それだとちゃんと症状にあった薬がもらえるか不安があったので、現地の友人に、「薬屋さんで胃薬を買ってほしい」って伝えて、一緒に行ったんです。 その友

息子の買ったイカのぬいぐるみがバズった結果、なぜか自分が水族館のイカグッズを作ることになった件(なんで?)

動揺しすぎてラノベみたいなタイトルを付けてしまった。 生きてるとたまに「そんなことある?????」って出来事が起こること、ありますよね。今回がそれです。 先日、息子に買わされたえらく出来の良いイカのぬいぐるみのことを、何気なくTwitterに呟いたところ 何が世のツボにハマったのか8.4万いいねのバズりが発生し(なんで?) 何を思ったか水族館の方からDMが届き(なんで???) 通話の結果、なぜか私がダイオウイカVSマッコウクジラの絵を描くことになり、そのイラストが印刷