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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2022年3月の記事一覧

男が玄関に入ってきて悲鳴を上げた話

引っ越し当初、まだエアコンを設置していない寒い部屋で私と母は凍えていた。 なんとか耳だけはいつもの防寒対策で暖かくできたのだが、部屋自体は寒く電気ストーブなどで寒さを凌ごうとしたがどうにもならず、暖をとるため当時飼っていた犬の取り合いにまで発展した。 人間のあまりの愚かさに嫌気がさしたのが、犬は深いため息を吐くと自分の小屋に入ってしまった。 愛犬に見捨てられてしまった……と、悲しみに暮れた私たちは 「各々自分の部屋で毛布にくるまろう」 とリビングで解散し、のろのろと

【解決済】シンクの穴にスッポリ皿がハマって取れなくなって詰んだ話【まとめ】

未来に、「シンクの穴に皿がハマってとれなくなってしまった同志」のために、これを記すことにしました。また、「どういった経緯でハマったのか」「どんなことをやってダメだったのか」みたいな質問が山のように届くし、マスコミ的な何かからも質問取材が多いし「全部に答える余裕がねぇから、ここを見てくれ……! ホントは個別に送りたいんだが、スマン! これで勘弁してくれたら非常に有難いぜ!」とか言えたらいいなと思ったのもあり、記録することにしました。 ※現在進行形で皿がハマり焦っている方へさぞ

お義父さんと仲良くなりたい

結婚ともれなくセットでついてくる義理の両親とのお付き合い。今でこそ仲良しなものの、私も最初は苦労したものである。 私は歳上の人と喋るのは得意な方だと思っていたのだが、その自信は義理の父の前では見るも無惨に打ち砕かれた。義理の父は私が産まれて初めて出会った、無口なおじさんだったのだ。 無口なおじさん。このタイプは私がコツコツ収集した人間図鑑のデータに無かった。私の身の回りにいたおじさんは漏れ無くお喋りだったので、ここに来て今まで無縁だった無口なおじさんという新キャラの登場は

80%の空が教えてくれたこと

今日を逃したらもうダメだ。 青空の下、洗濯物を干しながら思った。 このあと定期検診の母を病院に送り、父のお墓を掃除して、もう一度母を迎えに行く。残っているのは掃除機がけと食材の買い出し。あまり得意でない母とのおしゃべりも含めて妹に任せてもいいだろう。息子は部活があるから家に戻るのは5時過ぎ。急ぎの仕事はないし、要約筆記講座の課題は…まだ手もつけていないけれど、夜やればいい。 今日しかない。 * いろいろな事情が重なって、息子と私は今 実家で過ごしている。妹家族が同居中

【頭にエンピツ刺さった時の話】

どうも!山口コンボイです!チョキピース! 今日は僕の頭にエンピツが刺さった時の話をしてファンを増やしちゃおっかな〜っ! ヤラシイか!そりゃ頭にエンピツが刺さった時の話したらファン増えるもんね! じゃあ表向きにはこうしよう! みんなは頭にエンピツ刺さらないように気をつける為に読もう! 山口コンボイのメインのケガ。前頭部分の髪の毛が生えていないところ。 ライブや、街でジャンプの練習をしている僕を見た人の中には気付いている人もいるかと思います。 僕が保育園年長の山口マ

くさすぎるスニーカーを洗ってくれた彼。

オエー、と声が出た。大げさでなく、オエーレベルだった。New Balanceのスニーカーは鼻を近づけると、強烈なにおいを放っていた。パートナーは顔を歪める私を見て爆笑し、「武器になりそうね」と笑った。 先にそのスニーカーをにおったのは彼だ。夜出かける前、自分のスニーカーの隣にあった私のそれを手に取り、私が制止するのを無視して、自分の鼻に近づけて「わあ、すごい、これ。嗅いでみ?」と言う。 前にも彼は私の足のにおいを嗅いで「くちゃい」と、こちらを気遣ってか、くささをかわいらし

栗原はるみ「夫が愛したポテトサラダ」

彼にだけは嫌われたくない──。その一心で料理を続けました。/文・栗原はるみ(料理家) 栗原さん おいしい料理を再現するには 〈はるみ様 心底からの感謝と尊敬、そして愛を申します。〉 〈君は常に努力の人です。いつも前を向き、決して手を抜かない。〉 2019年8月に亡くなった夫・玲児が手帳に書き記していた言葉です。その前年に肺にがんが見つかり、亡くなる6カ月前に余命宣告を受けていたのですが、それが私への最後のメッセージになりました。手帳にはほかにもメッセージが、しっかりし