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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2019年6月の記事一覧

優しくする順番、一番は自分だから。

絶対にそんなことはないのに。 何故だか自分だけが疲弊している気がしてしまう。 あれ、なんでわたしってこんな必死になってるんだっけって。そんなことを思う暇すら与えてくれない。毎日が遅くなったり早くなったりするのはやめてほしい。けれどいつだって「辛いな」と感じながら生きたときの時間の流れは 骨の折れるものだった。 「生きる目的を考える。」 なんだか学校の授業みたいで退屈だ。 わたしは子どもの頃から窓際が好きだった。 席替えでは後ろの方の席になる運はなかったけれど、窓際の席に

合理は非合理の下僕

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  合理性というのは、非合理があってこそ初めて生きるのである。  完全なる合理性というのは静止した世界であって、何の変化も起こらない。  Keynesの言うanimal spiritsはむしろ非合理なのであって、すべての行動は非合理である(最適化されていない)という一般命題に通じる。  非合理な情熱があって、その遂行に邁進するとき、足元を動かす機構として合理が求められるのである。

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日記漫画「はじめてもらった原稿料で贅沢したくなった話」

波打ち際の距離感で

奈良が好き、を公言しはじめて何年が経ったんだろう。 まだまだほんの数年なのだけれど、なんだかんだ人生がいい感じに味付けされてきた。 でも逆に、奈良と言いすぎて食傷気味になることもある。 最近もちょっと視野が狭くなっているなと感じたので、6月は意識して違うところを目指してみた。 週末はずっとふらっと旅、みたいな生活。 疲れたりももちろんするけど、今回詰め込んだ旅たちはどれも楽しかった。 奈良にはないものにたくさん触れて、逆に普段周りに満ちているものに気付くこともあった。 「

靴下に穴があいている。

家に帰ってきて靴を脱ぐ。玄関に踏み入れた左足の床の感触がなにか違和感があって、なんだろうと足を見ると靴下に穴があいている。ぽっかりと。 靴下は穴があく。人はいずれ死ぬ。何事にも終わりがあり、靴下も俺も避けられぬ滅びの運命を生きているのでそれはそれで仕方ない。仕方ないけど、靴下の穴にも気付かないほどぼーっと生きているつもりはなかった。反省した。 しかし、その次の日も、次の次の日、次の次の次の日も、靴下には同じ場所に穴があいていて、何かがおかしい。ここまでくると、何らかの天変

社会から突然不良品にされた話

人が人を「不良品」なんて言ってはいけない。『ワイドナショー』での松本人志さんの発言のことだ。強い言葉に酔うのはやめよう。論旨に理解できるところがあっても、それだけで全てが無効化されてしまう。なぜ人を不良品として扱ってはいけないのかについて書きたい。 かつて日本には「優生保護法」という法律が存在した。1940年に制定された国民優生法が戦後改められ、1948年に優生保護法として施行された。優生を保護するために行われたのは、もちろん劣性の排除。遺伝性と思われる精神疾患、身体疾患に

どこにでも居た近所の面白いオジサンになる時がきた【日記】

数日前に循環式の流しそうめんシステムを組んだ話をしたが、おかげさまで沢山の反響があった。 その時は気候的にカラッカラに晴れていて喉が渇くほど暑かったのもあるだろうけど、”流しそうめん記事”は深津さんがピックアップしてくれたところからサーと拡がりはじめた。 途端にあれよあれよという間にPV数はあがり、 一週間後にはnote公式からちょっとしたトロフィーが出るほど多くの人に読まれたみたい。 しかも二日目にはグーグル検索で『流しそうめん ポンプ』と入力すれば1ページ目に表示され

彼にプロポーズされた日

付き合って、ちょうど6年目を迎えた朝。 何が起こっているのか、理解をするのに時間がかかった。 目の前には、手を震わせながら手紙を読む彼がいて、その隣には大きな紙袋が置いてある。 そのシーンだけを切り取ってみれば自然かもしれないが、今目の前にいる彼は、1時間前に仕事にでかけたはずだった。 いつもは私服で出社するのに、その日だけは「クライアントと打ち合わせがあるから」と、ジャケットを羽織って。 . 彼との出会いは、大学時代に遡る。 築50年以上、大学付属のボロボロの

罪と罰と、他人の愛情を見た日のこと(週報_2019_06_08)

地元駅の改札を入るところで、若いカップルが双方の母親と思われる女性に激しく叱責されていた。 「楽しく遊んで帰ってきて、怒られるなんて嫌でしょう!? 電話1本入れておけば良かったって、思うでしょう!?」 今、23時半を過ぎたところか。 未成年。 まあ怒られるよね、この時間じゃ。 こういうのは新宿なんかではまず見られないローカルな光景だ、微笑ましく目尻を下げながらすれ違う。 女の子の、情けなく、薄い体。 あ、私。 これと同じ背中を見たことがある。 上りホーム行きのエスカ

人生でも、デッサンが必要だ。

note(ノート)の方では、できるだけproactiveなことを書きたいと思っている。  アーティストは、インスタレーションや抽象表現をするような方でも、「デッサン」が重要とされていて、つまりはどのような世界をつくるか、描いてみるのである。  デッサンが必要なのはアートだけじゃないと思う。人生でも、デッサンが必要だ。  どのように生きるのか。何が必要なのか。どのような要素とどのような要素が並んでいるのか。そこに調和はあるのか。あるいは違和が立ち上がるのか。  そのよう