【おはなし】 ねこにエサをあげないでください
西側と東側を結ぶ大きな橋の下でサンカクは考え込んでいる。金網のフェンスで囲われた入り口には「関係者以外立ち入り禁止」の看板があり、その奥には古い機材が放置されている。
「うーむ、あの廃材が俺を呼んでいる気がする」
橋が建築されていたときに使われた機材だろうか。災害が起きたらにすぐに対処できるようにこの場に残されているのだろうか。今では人間の身長よりも伸びている草花にまじり砂埃までもが覆い被さっている鉄くずを見つめながらサンカクはそんなことを考えている。
「しかしなぁ」