JUMP j BOOKS(集英社)が語る「いま読みたい作品」──創作大賞RADIOレポート② #創作大賞2023
4月25日にスタートした、日本最大級の投稿コンテスト「創作大賞」。第2回となる今回は13の編集部に協賛いただき、優秀作品は書籍化や連載など、クリエイターの活躍を後押ししていきます。
「そもそも創作大賞ってどんなコンテスト?」「どんな作品を応募すればいいの?」というみなさんの疑問や悩みにお答えするため、協賛編集部をお招きしたTwitterスペースを毎週木曜日に配信中。5月18日はJUMP j BOOKS(集英社)から、編集長の千葉佳余さんにご出演いただきました。
▼ 配信のアーカイブは下記よりお聴きいただけます。
JUMP j BOOKSって、どんなレーベル?
直木賞作家を生んだ、1993年創刊の老舗レーベル
——JUMP j BOOKSについて説明していただけますか?
千葉さん(以下、千葉) JUMP j BOOKSは1993年に創刊された、今年で30周年を迎えた小説レーベルです。記念すべきレーベル第1作目は『BASTARD!! 』という作品で、漫画のノベライズでした。
創刊当時から(名称変更などもありましたが)ずっと「ジャンプ小説新人賞」を編集部で運営しています。出身作家には直木賞を受賞された村山由佳先生や、弱冠17歳で『夏と花火と私の死体』で鮮烈デビューした乙一先生がいて、老舗レーベルになりつつあるかなと思います。
いま中心になってるのは『週刊少年ジャンプ』や『少年ジャンプ+』、『週刊ヤングジャンプ』などの漫画誌に連載されている作品のスピンオフノベライズですね。
——最近では、どのような作品が話題になりましたか?
千葉 まずは、2019〜20年にかけて刊行した『鬼滅の刃』3部作ですね。現在発行部数が3冊で330万部を超えています。爆発的に売れました。小学生も読んでくれた影響がかなり大きかったと思っています。
あと、『岸辺露伴は動かない』のスピンオフ短編小説集も3冊つくっておりまして、こちらも3冊で35万部を記録しています。実写版の映画にあわせて、現在も続々と重版がかかっている状態です。
原作のキャラクターや世界設定を活かした、スピンオフノベライズ短編集が特徴
——JUMP j BOOKSならではの特徴はなんですか?
千葉 漫画や映画、児童文庫のノベライズというと、ストーリーそのものに心情描写を加えたようなノベライズを想像すると思います。
しかしJUMP j BOOKSでは、原作のキャラクターや世界設定を活かしたスピンオフノベライズ短編集が多いのが特徴です。
——確かに『鬼滅の刃』や『岸辺露伴は動かない』シリーズでも、本編には出てこなかったシーンが多く登場していますね。
千葉 はい。シーンそのものがまったく登場しなかったこともありますし、シーンはあったけれど、そこで触れていなかったキャラクターに光を当ててみたケースもあると思います。
やっぱり、キャラクターや、キャラクター同士の関係性を描いていくのがJUMP j BOOKSにおけるスピンオフノベライズの肝だと感じています。
新人作家がノベライズを担当することも
——これまで、どんな作家がノベライズに関わっていますか?
千葉 「ジャンプ小説新人賞」や「ジャンプホラー小説大賞」などの、編集部が主催している小説賞の受賞者のこともありますし、すでに各方面で活躍されている作家に依頼することもあります。
経験を積んだ方と新人作家では、割合でいえば4対6くらいで新人作家のほうが多いと思います。
——関わっている作家に特徴はありますか?
千葉 ジャンプへの愛がある方でしょうか。ジャンプ作品がそもそも好きで「ジャンプ小説新人賞」に応募してくださっていると編集部は受け止めていますし、実際、そういう方が多いと思います。
——今回の創作大賞ではオリジナル作品を募集していますが、受賞者にはどんな活躍のチャンスがありますか?
千葉 集まった作品の内容や書き手の才能次第です。今回のオリジナル作品をすぐに本にしよう!と編集部が感じた場合は、そのまま単行本化することも考えられます。もし好きなジャンプ作品があるということでしたら、ノベライズの企画から考えることもあり得ます。
1枚のイラストから話を膨らませる。そんな才能を求めたい
ノベライズは原作者サイドとの共同作業
——今回なぜイラストストーリー部門を企画したのか、意図と背景をお聞かせください。
千葉 JUMP j BOOKSには、ノベライズだけでなくオリジナル作品を書かれている作家もいるんですが、その方々の短編や新刊の試し読みをJUMP j BOOKSのnoteに掲載させていただいています。その中で、noteは若い読者や創作者の注目を集められる媒体だな、と感じていまして。編集部にはすでに「ジャンプ小説新人賞」がありますが、ぜひ、noteとご一緒したいと思いました。
「イラストストーリー部門」を考えた理由ですが……。先ほど申し上げたとおり、JUMP j BOOKSの中心となるのはスピンオフノベライズをつくること。これが一番大きな仕事になるかと思います。なので、そのときに必要な才能、力を測ることができるのが「お題(イラスト)」だと考えました。
そもそもノベライズというのは、ひとりで考えてひとりで書くというものではなくて、原作者や原作者サイドとの共同作業になるんです。そこで求められる物語というのを、原作者サイドが想像しているよりもさらに良いかたちで実現させることが、我々編集部の役割だと思っています。
なので、イラスト1点というお題に対してボールを返すという形式で、独りよがりではなく、ストーリーを膨らますことができる物語づくりの才能を求めたいと考えたのが、そもそもの発端です。
今回であれば、宇佐崎先生の描いてくださったイラストについて、興味を持って物語を広げていきたい、という気持ちがある方がいいかなと思います。
——どういった事例がありますか?
千葉 『銀魂 3年Z組銀八先生』という作品があります。『銀魂』原作者の空知英秋先生がたった1回限り、漫画の巻末におまけで書かれたものから膨らませたお話なんですが、2006年から8冊刊行しています。
このように、ちょっとしたきっかけから話を膨らませて、キャラクター同士の掛け合いや関係性だけでそれだけの作品にした、というのがすごいなと思っています。累計275万冊をたたき出しています。
——編集部としては、もともと8冊もつくることを考えていたんですか?
千葉 たぶん、違うと思います。タイトルに「帰ってきた〜」とか入っていますし(笑)。
イラストからキャラクターの置かれた状況を考えてみる
——今回のお題イラストは、いろんな視点で見ることができますね。
千葉 はい。想像力を刺激するようなイラストを描いていただけたと思っています。
キャラクターは2人いるんですけれども、それぞれのキャラクターやその関係性、舞台設定を考えるだけでも、解釈は膨らみます。すごく自由度はあると思いますよ。
どちらも同世代くらいの女の子ですが、左側の子がデビルの羽のついたリュックを背負っていて、そういうのを選ぶ女の子だということですよね。右の子はなんで銃を持っているのか、なんで傷があるのかなど、そういうことを考えていただきたいです。
——宇佐崎先生には、どのように依頼をしたんですか?
千葉 こちらからいくつか案をお出しして、その中から選んでいただきました。教室であるとか、銃であるとか、向かい合う2人と、2人のムード、という状況設定は結構細かく、こんなこともありえるかも、というふうにお伝えしました。
ただし、SFのようなとか、恋愛っぽい、というようなジャンルを狭めることはせずに仕上げていただいています。
——イラスト1枚の中には2人しかいないけれど、他のキャラクターがこの場面にいると想像してもいいですね。
千葉 もちろんです。何人出してもいい。他に出てくるキャラクターが100人いても、この2人のシーンがあればいいわけですから。
2人の関係性が一見するだけでは見えないところがミソといいますか、この2人がどうしてこのシーンに到達してしまったのかも含めて、自由に考えていただければと思います。
お題からストーリーをつくる方法
まずはキャラクターのプロフィールをつくる
——お題からストーリーをつくるには、1枚のイラストをどう読み解くかが大事になると思います。どこから見ていくと話が広がりやすいですか?
千葉 このキャラクターのプロフィールをつくってみては、と思います。まずキャラクターに名前をつけますよね。それだけでもかなり想像が広がりますが、どういう趣味があって、どんな色や食べ物が好きかとか、友達とはどんなことをして遊ぶのか、SNSはどんなふうに使っているのか……とか。
そもそもSNSがある時代なのかもわからないので、時代設定から考えてもいいです。そのように一人ひとりのキャラクターに肉付けしていくと、おのずとこんな話が合うかな、この2人が出会ったらこんな動きになるかな、と次のムーブが決まると思います。
よく言われることですが、キャラクターをつくるためには、街に出てひとを観察するのが一番いいのではないでしょうか。
たとえばカフェに座っていると、隣の人の会話が勝手に耳に入ってくることがありますよね。会話の内容から、この2人の関係性って何なんだろう、付き合ってるのか、友達なのか。意外と今日初めて会ったのかも、みたいなときもあります。窓から外を見て、あの服装のひとはどんな仕事をしていて、これからなにをしに行くのかな、と考えてみるとか。
このように想像を働かせることが、キャラクターをつくる練習になるでしょう。
——所属するグループによって服装のチョイスとかも変わりそうですね。
千葉 ええ。楽しそうに歩いてるけれど、あの子はグループからちょっと浮いている、とか観察できますよね。グループの後ろを歩いているけど、本当はどう思ってるのかな、とか想像してみましょう。
——キャラクターのプロフィールをつくったら、次にすることは?
千葉 このシーンをストーリーのどこに置くかですね。最初なのか、一番のクライマックスなのか、ラストシーンなのか。そもそも回想かも、とかですね。あと、なんでもできてしまうのでおすすめしませんが、夢だったとか(笑)。あるいは、これは作中作かもしれないですよね。2人が読んでいる漫画かもしれない。
そのように自分で決めていただいて、ぜひこのイラストを、我々が思っている以上に驚かされるシーンに使っていただけたら嬉しいです。
文字数によって構成のつくり方は変わる
——今回、文字数は2万字〜14万字まで、読み切り短編、連作短編、長編は問いませんとのことですが、文字数によって構成のつくり方は変わってきますか?
千葉 変わってくると思います。短くまとめるんだったら、このイラストはクライマックスに使うといい気はしますね。これが起承転結の「転」の場面なので、あとは結末を書くだけになります。これが序章だとすると、結構長くお話をつくれますね。
——ひとりで考えあぐねてしまったときは、どうすればいいでしょう?
千葉 誰かと一緒にこのイラストを見て、こんな子なんじゃないかと意見を交わすのももちろんいいと思います。
行き詰まってしまったら気分転換するしかないので、小説や漫画、映画など、なんでもいいのでインプットしていく。その中の要素でひとつしっくりくる、こういう話を書いてみたい、というものが生まれてきたら、そこにこの2人を当て込んでもいいわけです。
——たとえば銃を使った映画を観るとか?
千葉 そうですね。あと、女の子が2人以上出てくる映画を観て、この2人に友情はあるのか、敵なのか、味方なのか、とか考えてみる。2人の関係性をどんどん変えられるので、いままで観てきた好きな作品を思い返してみるといいかもしれないですね。
それをパクれといっているわけではありませんが、自分がその作品のどこが好きだったのかを考えて、好きなところを自分の作品に入れていくのは、すごくいいことだと思います。
——これまでインプットしてきたものをアウトプットする場としても、お題をベースに考えることは、創作の筋力がかなりつきそうですよね。
千葉 お題があるということは、JUMP j BOOKSの仕事ではよくあることで、我々が作家に求める力に直結すると思います。JUMP j BOOKSに限らず、なんでも自由だよと仕事を依頼されることは、あまりありません。大なり小なりお題がある、それが小説家のお仕事だと思います。
キャラクターをゼロから生むのは、実はとても大変な作業です。逆にこのようにキャラクターの造形があることは、小説を書く練習になると思います。
今回、いろんなイメージが湧いてくるようなイラストを準備できたと思っていますので、ぜひ、みなさんの想像の翼の羽ばたきを我々に見せてください。お待ちしています。
質疑応答
Q1.どんなジャンルでもいいということは、有利なジャンル、不利なジャンルの区別はないと考えて大丈夫でしょうか?また、規定内ならば文字数での有利不利もないと考えていいですか?
千葉 はい。もちろんです。本当にジャンルはなんでも大丈夫ですし、文字数に有利不利はありません。お題イラストのシーンが生きていればOKです。
Q2.あらすじを書くときに必要な要素はありますか?また、読者用と審査用の2つ書いてもいいですか?(全部書くとネタバレになるので)
萩原(創作大賞2023運営・noteディレクター) 創作大賞でのあらすじの扱いについては、創作大賞2023運営からお答えさせていただきます。
今回の創作大賞のルールとしては、あらすじは読者用と審査用と分けるのではなく、ひとつでお願いします。
本文を読む前にあらすじが読めてしまうのが、今回の創作大賞の仕様です。ミステリー作品などは、オチは隠しておきたいとお考えの方も多いと思います。ですので、あらすじは全部書いてもいいですし、ヒキで終わってもいいです。
いずれにせよ、その先が読みたくなるものでないと期待を持って続きを読んでもらえないので、そこが一番重要だと思います。
なお、公募文学賞では、大抵の場合あらすじは終わりまで書くことがルール化されており、それが規約に書いてある賞もあります。
Q3.キャラクターのプロフィールを考えるとき、どんなことを意識すると”人間”、つまり”動くキャラクター”になりますか?
千葉 細かいディテールの積み重ねだと思います。たとえばそのキャラクターがスターバックスに行ったらどこに座って、どんな飲み物を頼むのか、ということまで考えていくと、どんどん人間っぽくなる。
電車では立っている派なのか、混んでいてもひとの間に入って座る派なのか。自炊派なのか、カップラーメンだけで済ますのか。学生ならどんなグループに属しているのか。そうやってキャラクターの背景を考えていくことで、親近感を抱けるような肉付けができます。
その設定を全部使う必要はなく、それを考えることを楽しんでほしいですね。そうすることで、こんなキャラクターだったらこういう動きをするだろうな、という気づきが生まれると思います。
Q4.キャラクターをつくるときに、陥りがちなことはありますか?
千葉 典型的なキャラクターにしてしまうことですね。なので、友達や会社で「このひと、おもしろいこと言うな」ということがあったら、どんどん作品に取り入れていいと思います。
ちょうど先日、ジャンプの編集部のひとと話したときにおもしろいことがありまして。太っているキャラクターはよく「腹減った」と言うじゃないですか。そんな話をしているときに、そこにちょっと太っているひとがいたんですね。
そうしたら「俺は腹は減らない。いつも食べているから。太ったキャラクターが『腹減った』というのは手癖で言わせているだけで、本当は太っているひとは腹減ったとは言わないんですよ」と発言して。「いつも食べていて満ち足りているから『まだ食べれるな』とは言うけれど、腹減ったとは言わない」と言っていました。それは彼の意見ですけれども、そういうのもちょっとおもしろいなと思います。
たとえば頭のいいキャラクターを生み出したとして、頭のいいひとはこういうことを言うはずだと決めつけず、頭のいいひとの悩みってなんだろう、友達はどんなひとだろうと肉付けしていったら、典型的なキャラクターには陥らないのではないでしょうか。
実体験に勝るものはありません。みなさんの身近なひとの意見は、他の誰も持っていないリアルです。ぜひ生かしていただければと思います。
Q5.キャラクターの関係性は、あらかじめどのくらい決めておくべきですか?また、作家が実際にキャラクター設定や関係性を考えるときは、どんなふうにつくるようにアドバイスしていますか?
千葉 ジャンプのノベライズでいうと、そもそも原作でキャラクター同士の関係性が成立しているので、それを壊すことはないか、踏み越えてしまっていないか、は注意すると思います。
逆に、このキャラクターとこのキャラクターが出会ったらどうなるか、おもしろいケミストリーが生まれるか、という話はするかもしれないですね。ただ、キャラクター同士が出会ったらこうなる、というようなことを、我々から作家に言うことはありません。
漫画の中でその2人が関わっていたときに、もうちょっとこの2人を絡ませてみたいなと思うところから始まると思います。
Q6.JUMP j BOOKSで実際に売れている作品に共通する要素はありますか?
千葉 JUMP j BOOKSでのノベライズに向いている作品は歴然とあります。キャラクターの関係性を深掘りしたくなる、それに尽きます。
それが如実に出ている作品は、連載が終了してかなり経ちますが『東京喰種』ですね。キャラクターがたくさん出てきますし、それぞれ複雑な過去を持っている。それらのキャラクターの関係性も漫画では少し出てきて「あれ、この2人って結構接点があったのか」というふうに描かれているんですが、その先がわからない。そのあたりをノベライズで描けると、作品の深みが出ると思います。
Q7.JUMP j BOOKSの読者層は?
千葉 JUMP j BOOKSは、JUMP j BOOKSというレーベルとして毎月刊行しているわけではないので、基本的には原作ファンがファン層としてついています。オリジナル作品については、10〜20代の若い方が読んでくださっています。
いままでは、基本的に女性の読者が多い感覚がありました。キャラクター同士の関係性をより楽しんでくださる方が読んでいると思っていたんですけれど、最近はそうでもなくなってきて、男性も読んでくれるようになってきています。また、『鬼滅の刃』が小学生の読者を取り込んでくれました。
Q8.書くことに詰まったとき、どんなことをすると書き進められますか?
千葉 書くこととはまったく違うことをするのが一番いいのではないでしょうか。一回書くことをやめて、もう街に出ましょう。昔から言われていることですが、街にはいろんなヒントがあります。
ずっと行ってみたかったところに行くのもいいですし、サウナでさっぱりするのもいいですね。まったく関係ないことをしているときのほうが逆に、行き詰まっていた内容に戻りたくなるのではないでしょうか。ひらめきが起こるかもしれない。
実体験が創作にとって一番刺激になると思っているので、たとえば、いつも同じ駅で降りているとしたら、その日は終点まで行くなど、普段とは違う行動をするだけで、全然違うものが見られるのではないでしょうか。
Q9.キャラクター、世界観、あらすじを考えるときに、アイデアがあふれて、まとめきることができません。そのときはテーマ、原点に戻ってアイデアを取捨選択しているのですが、他にいい方法はありますか?
千葉 シチュエーションをすごく限定してみるのはいかがでしょうか。
たとえば今回のお題イラストでしたら、2時間目の休み時間の話と限定し、自分に枷をつけて考えてみるとか。
——ひとつのお題から、複数の作品を投稿してもいいんですよね。
千葉 もちろんです。いっぱい投稿してくださったらすごく嬉しいです。どのテーマが一番このシーンが生きるか書いてみましょう。まったく違う結果が生まれるかもしれません。
萩原 書くときに行き詰まってしまうのには、2つのケースがあります。ひとつは、ここまで書いたけれど、この後どうしたらいいんだっけと空っぽになってしまったパターン。Web小説などで連載をやってる方に結構あります。この場合、僕は小説や映画とかをたくさん見ましょう、ひとと会いましょうとアドバイスします。
もうひとつが、アイデアがあふれ脳が飽和状態になったパターン。この場合は、頭の中が情報でいっぱいなことが多いんですよね。これをクリアにする一番いい方法は、その作品についてまったく知らないひとに読んでもらうこと。
読者は、その先がどんなものかなにも知らない。対して作者は当然、裏設定まで全部知っているわけです。なにも知らない読者に感想をもらうと、意外と「あ、ここは理解されるんだな」「ここは説明が足りていなかったな」ということが見えてきたりしますよ。
登壇者プロフィール
千葉佳余
JUMP j BOOKS(集英社)編集長。入社後ライトノベル編集部に配属され、集英社みらい文庫の創刊に携わる。2018年にジャンプJブックスの編集長に就任。『鬼滅の刃』のスピンオフノベライズは、シリーズ累計発行部数330万部超を記録した。
創作大賞のスケジュール
応募期間 :4月25日(火)〜7月17日(月) 23:59
読者応援期間:4月25日(火)〜7月24日(月)23:59
中間結果発表:9月中旬(予定)
最終結果発表:10月下旬(予定)
創作大賞関連イベントのお知らせ
【毎週木曜20:00〜】創作大賞RADIO
5月11日から週替わりで協賛編集部の担当者が出演し、求める作品像や創作のアドバイスなどをお話しします。
開催済みイベントのレポート
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『かくりよの宿飯』や『わたしの幸せな結婚』など人気の小説作品を抱える富士見L文庫。創作大賞では、お仕事小説部門とファンタジー小説部門で作品を募集中です。配信ではレーベルの特徴や、キャラクターと世界観の魅せかたなどを深堀りしました。
詳しくは、創作大賞 特設サイトをご覧ください。
text by 本多いずみ