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たまにはしんみりと

露の世は露の世ながらさりながら

友達にね、坊さんがいるのよ。坊さんだからね、世は移ろいゆく、はかないもんじゃ、なんて言うわけ。そのぐらい、知ってるさ

でもほんとに、とも思うわけよ。深い悲しみに出合わないとそんなこと、思い出さないよね

朝日が昇ったら消えてしまう露のごときはかなさ。世の中とはそういうもんだとわかっていても、それでもね。小林一茶は小さな子をなくし、慟哭しながら詠んだのでしょうか

最近ねえ

この季節、小さな猫が、車にひかれて死んでいるのを見るよね。捨てられさまよっていたか、あるいは野良に生まれて食べ物を探していたのか

よちよち歩きの猫ですもの、一瞬だったでしょう。苦しむ間もなかっただろうことが救いですが、彼ら、何のために生まれてきたのか。大して楽しいこともなく、暖かいベッドで眠ることもなく逝ってしまったのかと思うとね、やりきれないね。

悲しみを繰り返さないために

処分される保護猫も随分減ったけど、それでもまだいるんだって前に書いたよね。知ってる? 処分ってね、焼却場へ行くまでの、その道中で執行されるんだ。閉じ込められたトラックの荷室に二酸化炭素が注がれて、窒息させられるわけ。これも苦しいよ。モニター監視する愛護センターの職員も心が引き裂かれるような思いがするそうだよ

道路ではねられたり、収容されて処分される。なんでこんなことが起きるのか、理由は明白です。捨てる人がいるからです。ほんと、友人の坊さんに言わしゃ、地獄におちるよ

露の世は露の世ながらさりながら。さりながらなんだよ。できるだけ命を大切にしようよ



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