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乳頭温泉郷 湯めぐり旅 in秋田(6)

木の風呂を堪能し、石の風呂は覗くだけにして、少し休憩をした。実は頭が痛かった。睡眠不足で長距離を移動し急に熱い湯に入ったからだろうか。自販機で普段はまず飲まないオロナミンCを選ぶ。染みた。休憩して少し元気を取り戻し、混浴露天を見に行くことにした。

混浴露天は、建物を出て少し歩いた森の中にある。出入口で、先ほど廊下ですれ違ったご高齢の女性と中年の女性に会った。私「混浴露天行かれたんですか?」娘「入らなかったです。おばあちゃんの見せるの申し訳なくて。皆さんに”何か違うなぁ”て思わせてしまうもの」婆「夢に出てきてしまう」なんとチャーミングな娘さん&おばあちゃん。

外に出ると、混浴露天から帰ってくるおじさん。「混浴露天行ぐの?モテるよー、今なら四人!」「見に行くだけです」そう返事をして、まっさらな雪に影を映したり、つららを取ったりして遊びながら明るい雪道を歩く。しかし肝心の風呂は遠目から見てもかなり開放的で、私たちはそこに近づくための経験値を持ち合わせていなかった。

蟹場温泉を出て、湯めぐり号で来た道を歩いて戻る。途中、孫六温泉の入り口と思われる場所で休業の立て看板を恨めしく記念撮影し、大釜(おおがま)温泉に着いた。大釜の建物は廃校になった分校の木造校舎を移築したもので、こじんまりとして可愛らしく、ノスタルジックな雰囲気。受付のおじさんがぶっきらぼうで、都会の過剰サービスに慣れた私は気持ちがピシッとした。

お湯は黄色がかった乳白色で、宿ごとに源泉が異なることを実感する。露天はぬるめで私にはちょうどよく、時間を忘れてずーっと入っていられる。お隣の妙の湯に入ってから来たという女性二人組と一緒になった。「蟹場の混浴露天には入りましたか?」「いや、見るだけでした。あまりにも開放的で」

その後も友人と話をしながら、ひたすらお湯に体を漂わせた。「混浴ってさぁ、女性が恥ずかしいという感覚になるけど、私たちも男性をじっと観察したらいいんじゃない?」「あー、”hmmmm...let me see...”って」「(爆笑)そうそう、下半身を見ながらね」山の神様、ごめんなさい。


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