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【中秋の名月】子どもにも伝えたいお月見の風習や楽しみ方

子供の頃、楽しみだったことといえば、四季折々の季節の行事。
お正月に始まり、節分や端午の節句、七夕にお月見など数えたらキリがないくらいに、日本には季節を感じる行事がある。

その中でも割と手軽に家庭で楽しみやすい行事が「中秋の名月」を愛でる、「お月見」ではないでしょうか。

よしよし!今年は家族でお月見を楽しもう!
子どもたちに日本の良き文化を伝えるんだ!

そう意気込んだはいいものの、いざ準備しようとしたら何をしていいのかさっぱりわからない。

そんな経験をしたことがある方は、少なくないはず。
まず、この記事では、家庭で子どもたちと簡単に楽しめる「お月見の楽しみ方」についてシンプルにご紹介したいと思います。

知っていると思っていた日本に古くから伝わる季節の行事。
大人になった今、もう一度自分の子ども達と楽しむために、おさらいをしてみるのもありです。

【中秋の名月】十五夜って実はいつ?

お月様がまんまるになって、とてもきれいに見える中秋の名月。そもそも中秋の名月は毎年いつ頃にある行事なのか、皆さんは知っていますか?

中秋の名月について調べてみると、「秋の真ん中にでる月」とあり、時期でいうと、旧暦の秋の真ん中8月15日頃の時期にみられる月のことをいうのだそう。
現代で使用しているのは新暦で、旧暦を現在のカレンダーに直すと1か月くらいのズレがあるのだそう。
つまり、現代カレンダーでの中秋の名月は、9月の15日前後ということになりますね。

【中秋の名月】子どもに伝えたいお月見の裏話

子どもとお月見を楽しむ時に、出てくるであろう質問はあらかた想像がつく。時にはこちらが予期しない突拍子もない質問もあるけれど。

「なんでお月見様をみるの?(三男)」
「お月見様をみるとどうなるの?(次男)」
「で、どうするの?(長男)」

できれば落ち着いて、黙って・・・いや、静かに月を眺めて欲しいところですが、子ども達はとても正直。
子ども達の突然の質問にも慌てないために、お月見をするようになった背景を知っておきたいところです。

日本には元々古来から「月を愛でる」風習があったといいます。また、月は神聖なものとして考えられていて、現代のお月見のように、月を眺めることが行事となったのが平安時代。

平安時代のお月見は、月を肴にお酒を飲むという、飲み会のようなことが行われていたというから驚きです。いつの時代も人は飲み会が好きなんですね。

平安時代の人々は、船の上でお酒を飲み交わしながら、詩歌や管弦を行い、水面やさかずきの中に映った月を楽しんだといいます。


お月見は中国からやって来た

そもそもお月見は、中国の宮廷行事の1つとして行われていたものなのだそう。これは意外すぎて、少し驚きました。てっきり日本古来の日本ならではの風習なのかと思っていました。

中国のお月見は、サトイモの収穫祭が行われ、「秋の収穫に感謝する日」であったといいます。そのスタイルが日本に入ってきて、現代のお月見のやり方に影響を与えているというわけなんですね。

「秋に美味しい野菜や果物がたくさん実って、それを味わえることに感謝するために、お月様にお団子をお供えする」

これが、お月見の由来として、有力な説と言われているものらしい。
だからお月見の日には、お供えものを用意するのか。全然知らなかった。


【中秋の名月】家庭で手軽にできる楽しみ方

中秋の名月を家庭で手軽に子どもと楽しむ、ちょっとしたアイデアがあります。子ども達とやってみようと思っていたアイデアを、いくつかご紹介したいと思います。


お月見だんごをこどもと一緒に作る

お月見の時に食べる白くてまあるいお団子。米を粉にして、さらにそれを丸めて作ったものなのですが、このお団子を子どもと一緒に作るというお月見の楽しみ方も。

子どもって何かを作るのがとっても大好き。泥砂も粘土も全部まあるく丸めてコネコネ、コネコネ。

お月見団子は地域によって少しづつ形やスタイルが違うので、ご自分の地域に伝わるお月見団子を、子ども達と調べてみるのもまた楽しいかもしれません。

お月見用のお団子を作る時、ふと気になるのが台座。そういえば、お月見のお団子を乗せている台座って・・・?お月見イラストなんかで見かけるような専用の台座なんて、持っている家庭のが少ないはず。

家庭でお月見団子を作って飾る時、専用の台座がない時は、おうちにある平皿などでもいいのだそうです。良かった、それならたくさんある。


お団子を乗せるものが解決したら、次に気になるのがお団子の数。いったいどれ位の数のお団子を盛ればいいの?なんて思う方は1人や2人じゃないはず。

お月見団子を盛り付ける数には2つの説があって・・・

満月の数=12個・・・その年に出た満月の数をお供えする。平年ならば12個、うるう年の年は13個と言われています。
十五夜=15個・・・十五夜にちなんで15個盛り付ける。下の段から9個、4個、2個と盛り付けていくときれいなお月見団子のスタイルになる。

一応お団子の数は決まっているようですね。ちなみに十三夜には13個なのだそうです。

お団子を山型に積み上げるのにも、実は意味があるのだそう。お月見団子の1番上のお団子は、「霊界との架け橋になる」とも考えられているため、なるべく空に近く高くなるように、山型に積み上げるようですよ。
なんとなく盛り付けた結果、1番綺麗に見えるのが山型だったから、というわけではなかったんですね。


お月見用の飾り「ススキ」を一緒に集める

お月見団子と一緒に用意したいのが、十五夜の風景に欠かせない「ススキ」。

そもそもなぜお月見の時に「ススキ」を飾るのかというと、ススキは神様の依り代として考えられていて、ススキの鋭い切り口は魔除けになると言われているからなのだそう。

また穀物や野菜など、秋の収穫に感謝して行うお月見でもあるため、稲穂によく似たススキが選ばれたといいます。

ススキは、河川の土手や線路沿いなどによく生えているので、近くにないかチェックしてみて下さい。子ども達とススキ探しに出かけるのもいいですね。

そして、一緒に知っておきたいお月見の豆知識が、お月見飾りを飾る場所。せっかくお月見団子やススキを用意したのだから、置く場所も決めたい。

調べてみると、お月見団子を飾る場所は、決まりやルールはないのだそう。月がきれいによく眺められるような場所であれば、どこでもいいとなっています。
お団子の数や盛り付け方はこだわりがあるようですが、置くものや置き場所は意外とラフなんですね。大事なのは団子です、団子。(いや月か・・・)


お月見を楽しんだあとは・・・

中秋の名月をお月見団子や秋の草花と共に楽しんだあとは、どうすればいいのか、さっさと片付けてしまうのも味気ないし、ずっと置いておくのも邪魔になる。いったいどんなタイミングでどう処理すればいいのか、その辺も把握しておきたいところ。

実は、お月見のために作ったお団子はすぐには捨てないのだそう。

お月見団子は、「健康や幸せを願って作った縁起物なので、お月見が終わったらみんなで分け合って食べると良い」とされているからなのだとか。なるほど、形だけ味わって捨てないで、しっかり食べてよね!もったいないし!ということらしい。

食べきれない場合には、焼いて食べてみたり・・・みたらしのあんを作ってみたらし団子にしてみたりして味わうと、より一層美味しく食べることができるという口コミもありました。そうですね、せっかく作ったのだから、美味しく味わいたい!

お団子は、食べて体の中に収めることでなんとかなりそうだけど、1番処理に困りそうなのが、集めてきたススキ。ゴミ箱にすぐにポイ!じゃなんか味気ない。

お月見のために用意した、ススキや秋の草花は、七夕様の飾りのように水に流したり、供養したりまでする必要はないのだそう。

処理の仕方について調べてみると、「そのまま片づけたいタイミングで燃えるゴミとして出して大丈夫」となっていました。この辺りは各家庭により処理方法にだいぶ差も出そうですね。

【中秋の名月】お月見の日は全部で3つある!

子供たちとお月見を楽しもうと、あれこれ準備したはいいものの、中秋の名月があいにくの天気で楽しめなかった、ということも。せっかくの用意も無駄になってしまうのか、と肩を落とすなかれ!

秋のお月見のチャンスは実は全部で3つ。1つはこれまで狙ってきた9月15日前後の中秋の名月。そして2つ目は「十三夜」と呼ばれるもので、旧暦の9月13日〜14日までの間にみれるお月様。現代の新暦でいうと、ちょうど10月の中旬頃ですね。
そしてあまり知られてはいないけど、3つ目のお月見のチャンスと言われているのが「十日夜」。呼び方は「とおかんや」と読むそうです。時期的には、旧暦でいうと10月初旬頃。新暦に直すと11月の初旬頃にみられるお月様。

「十日夜」は、東日本を中心とした収穫祭の日で、地の神様に感謝の気持ちを表すものとして行われていた風習だといいます。「田の神さまが山に帰る日」とも言われていて、この日までに稲刈りを終わらせるところが多いのだそう。

お月見関していろいろ調べてみたけれど、知らないことが多いことに改めて驚いた。学校でも少しは習ったのかもしれないけど、すっかり忘れてしまっている。
そしてもう1つ、知らなかったのですが、十五夜、十三夜、そして十日夜の3回お月見ができると「縁起がいい」のだそう。天候にも左右されるお月見が運よく3回もできるということは、確かについてる感じがしますよね。


まとめ:日本の風習について大人の方が知らなさすぎた!

数ある日本の季節の行事。大人になったら、自分も子供に同じようにやってあげるのかと勝手に想像していたが現実は違った。
ここまで「中秋の名月の楽しみ方」について調べて語りましたが、我が家では季節の行事というものは、ほとんど行わない。
ワンパク盛りの男の子3人の家庭では、綺麗な飾り付けなんて誰もみないし、特別な食事よりいつものお菓子が好まれる。多忙を極める中、必死に準備をしても誰の心にも届かないから、無理をやめた結果、季節の行事は行わないという暮らしになったからだ。

そんな我が家に、時々疑問を感じる時が実はあったのです。
「果たしてこれで本当にいいのだろうか。」
「子供たちは、日本の古くからの伝統も楽しみ方も知らないまま、大人になっていくのだろうか。」

私も1人の母親として自分の子供たちに、日本の風習や伝統を少しでも伝えていくべきなのではないか?
と、ここまで考えたところで、いつもさらなる疑問が沸き起こる。何をどう伝えていけばいいか、自分もわからないからだ。
子どもの頃、楽しかった思い出として残っている季節の行事のやり方・楽しみ方を、実はよく知らなかった。自分が知らないのだから、伝えることなんてできるはずがない。

だから、まずはその風習や行事がどんなものか、大人である私の方が調べてみようと思ったのです。
何にも知らない母さんでもいいのだけれど、たまにはね、母親らしいこと・日本人らしいことをしてみるのもいいのかなと思ったから。
これを書いている今年はすでに、中秋の名月を逃してしまっているというオチですが、また1年後、来年には挑戦してみたいと考えている次第です。