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サーフィン大会の裏側『開催場所(海)の確保は難しい』

1.はじめに

私達は毎年サーフィン大会を開催しています。選手も運営側もやっぱり良い波で、整った設備のあるサーフポイントで大会をやりたいものです。他のスポーツの場合は、グラウンドや体育館等を予約すればいいのですがサーフィンの場合、海ってどうやって予約するの?といった疑問が湧きます。

この記事では、過去3回のサーフィン大会を開催した経験から「どうやって開催場所(海)を確保したか」を紹介します。それと同時に希望のサーフポイントで大会を開催する難しさや現状の課題・悩みも共有したいと思います。

記事を読み終えると、巷のサーフィン大会の見方が変わり、考えるきっかけになるかもしれません。また、大会の運営をされる方の参考になれば幸いです。

2.開催場所(海)の確保に難航した(結果)

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私達は首都圏を生活の拠点にしているビジターサーファーということもあって、希望の場所でサーフィン大会を開催するのは想像以上に困難でした。いろいろ考えた結果『ウェーブプールにお金を払って大会を開催する』が答えなんじゃないかなと考えています。国内でウェーブプールといえば品川区大井町のスポル。ここは好き嫌いが分かれるので、今秋、牧之原静波に新設されるウェーブプールが最適解になるのでは!?と期待しています。

✔ 過去大会の開催場所
【第一回】(2017/11)千葉北 白里海岸で開催
【第二回】(2018/10)千葉北 白里海岸で開催
【第三回】(2019/09)千葉北 白里海岸で開催
そう、すべて白里海岸なんです。関東サーファーならわかってもらえると思いますが、普段入るポイントではありません。

✔ 何処のサーフポイントで大会を開催したかったか
【第一回】(2017/11)千葉北 白里海岸で開催
 →初開催なんで何処でも良かった。贅沢は言えません。

【第二回】(2018/10)千葉北 白里海岸で開催
 →夷隅、太東を候補に調整を進めて貰いました。少し欲が出てきましたね。後で紹介しますが老舗サーフショップ様にご協力頂きました。

【第三回】(2019/09)千葉北 白里海岸で開催
 →東浪見、志田下を候補に調整を進めて貰いました。そうオリンピック会場です。同様に老舗サーフショップ様にご協力頂きました。

3.開催場所(海)の確保が難航したのはなぜ?(理由)

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開催場所(海)は、将来的に自分達(ITSA)だけで調整できるようになりたいのですが、今は東浪見にある老舗サーフショップ『シークエンス』さんに手助け頂いています。私達の大会が無名なことが大きな理由だと思いますが、『シークエンス』さんでも簡単に確保できるものじゃない印象を受けました。調整を進めてきた中で妨げになったことを紹介したいと思います。

【難航理由①】申し込みタイミングが遅い
1年の初めにNSAが中心となって大会スケジュールと開催場所を決めるそうです。そのタイミングで手を挙げておかないと希望日程、希望のポイントの予約は取れないようで、我々の動き出しが遅かった。

【難航理由②】オリンピック
第三回大会の調整では、オリンピック会場に釣ヶ崎海岸(志田下)が内定したこともあって、周辺のポイントの予約が難しくなった。

【難航理由③】調整方法がブラックボックス
後で触れますが、公共物の海が相手なのでサーフィン団体だけの話じゃありません。行政や漁業権などとも調整を図る必要があると思っています。(←想像です)
※どんな調整をして頂いているかはわからないので、明らかにしようと検討しています。仕組みが分かれば我々としても何かアクションを起こせるかもしれないと思っています。

【難航理由④】NSAに未加入
NSAに加入することで会場の調整に参加できるようになるそうなんですが、加入後、既存会員の方々と肩を並べて会場の調整ができると思えなかったため。加入のメリットを見いだせず断念しました。

4.サーフィンと漁業権

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海は、
 ・土地ではなく所有権の対象にはならない
 ・誰の所有物にもあたらない「公共用物」である

です。
これに対する漁業権と地先権。そこで遊ぶサーフィンやダイビング等のマリンスポーツ。海は誰のものでもない=海はみんなのもの。みんなで折り合いをつけながら落としどころを見つける。いやー複雑です。

漁業権とは
→「一定の水面において特定の漁業を一定の期間排他的に営む権利」

地先権とは
→「協同漁業権とは法律的には別物であるところの、江戸時代からの漁村に伝わる慣習」

サーフィン大会を開催するために、ビジターサーファーで何のパワーもない私達が、権利、習慣、歴史のある想い、と向き合って海を貸切る。。。

やはりウェーブプールだと思う。(ITSAの見解ではなく個人の考えです)

5.まとめ

・ビジターサーファーが開催場所(海)の調整をすることは難しく、希望の日程・サーフポイントの確保はハードルが高い。
・オリンピック終了までは、調整が特に困難。
・漁業権や地先件など、サーフィン関係者だけの話ではない。
・ウェーブプールに期待!

ここまで読んでもらえれば、開催場所の確保がいかに難しいか理解してもらえたかと思います。漁業関係者に配慮した上で、もっと気軽にサーフィン大会が開けるような仕組みになって欲しいと思います。何か良い案あれば教えてください。

おまけ(ウェーブプールでサーフィン大会を企画してみた)

おまけの画像2

過去にサーフィン大会を開催した経験を活かして、牧之原静波に新設されるウェーブプールでサーフィン大会の企画を考えてみました。
会場の確保や当日の波の心配はいりません。一方、開催費が気になるところですので実際に見積もってみましょう。

【企画】
中型のマイクロバスをチャーターし都内をスタート。体力温存のため寝るもヨシ、モーニングビールもヨシ(笑) 規模感としては40名。ベスト2ウェーブ方式で上位2名が勝ち抜きのトーナメントだと全15ヒートとなります。1ヒート15分とすると合計5時間必要で、↓こんなスケジュールになります。

6:00-9:00 移動(東京発)
10:00-12:00 前半戦
12:00-13:00 昼休み
13:00-16:00 後半戦
16:00-17:00 クロージング
17:00-19:00 夕飯
19:00-22:00 移動&宴会(静波発)

そう!お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、帰りはバスの中で宴会です。楽しそうですよね(笑)

【費用】※見積もり根拠は企業秘密です。ご容赦ください。
(合計)788,680円
・中型マイクロバス(27名):254,680円 ※貸バス会社見積り
・ジャッジ✖5名:50,000円
・会場レンタル代:250,000円 ※神戸REYESの料金参考
・宴会代:54,000円
・大会景品代:60,000円
・昼食、夕食代:120,000円

ずばり!エントリー費は、
 ✔ マイクロバス利用者:22,800円
 ✔ 車で現地へ向かう方:13,350円
高い?安い?どうですかね。一般的なサーフィン大会の2倍になりました。
ちなみに車で都内⇔静波(往復)すると13280円かかるのでマイクロバスのほうが断然お得です。

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