【レビュー】心理的安全性のつくりかた 【職場で健全な衝突をしよう】
発行日:200916
たかひろです。
石井遼介さんの「心理的安全性のつくりかた」を読みました。 (レビュー・書評記事です)
本書は、「心理的安全性」を確保することで、チームのパフォーマンスを上げるための方法を紹介しています。
あなたは職場で こんな悩みを抱えていませんか?
・チームメイトや部下が、新しい提案をしてこない。
・業務でわからないことがあっても、みんな忙しそうだし、質問しづらい。
・良かれと思って行動しても、自分の仕事が増えるだけ。 結局報われない。
こんな状況の職場は、「心理的安全性が低い」かもしれません。
↓心理的安全性のつくりかた(石井遼介著)↓
チームの「心理的安全性」とは?
本書で定義する「心理的安全なチーム」とは、
メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場
のことです。
一見、当然のことのように思える一文ですね。
しかしながら、意外と職場では、健全に意見を言い合うことが難しかったりします。
なぜならば、意見を言うことを「リスク」だと感じてしまうような場面が、頻繁に起こっているからです。
例えば、
・職場でなにか新しいことを提案すると、「じゃあ、やって」と言われてしまい、評価もされず仕事が増えてしまうだけに。
・自分なんかが意見をしても、面倒くさがって聞き入れてもらえないかもしれない。
・新しいことにチャレンジをしたくても、「どうせうまく行かない」と批判されてしまうかもしれない。
・わからないことがあっても、「そんなことも知らないのか」と思われてしまうかもしれない。
こんな風なリスクを恐れて、健全な議論ができなくなってしまうのです。
この、「健全に意見を戦わせることができる」というのが重要なポイントです。
チームのメンバーが、健全に意見を出し合い、ときには健全な衝突をすることで、チームのパフォーマンスが上がるのだ、というのが本書の主張です。
ちなみに、本書でいう「心理的安全性が高いチーム」というのは、
誰もが気軽に意見を言えて、責任も取らなくてよいような、
いわゆる『ヌルい職場』とは全く異なります。
「ヌルい職場」と「心理的安全性が高い職場」の違いは、
ただのヌルい職場:
・和気あいあいとしているが、成果を出そうとせず、コンフォートゾーンにとどまっている職場。
・例えば、納期に遅れたり、ミスをしたり、できる仕事しかやらなくても許されている環境。
心理的安全性が高い職場:
・「高い目標」に向かって、必要であれば意見を言い合っても安全な環境。
(意見を言っても、傷つけられたり、損をしない環境)
このように、高い目標がメンバーの中で共通の認識であり、目標達成のために必要な議論ができるのが心理的安全性が高い職場です。
✖ 気軽に意見を言い合える職場=安全な職場
と勘違いしそうになりますが、それだと単純にヌルい職場である、ということです。
読了して感じたこと・学んだ事
本書「心理的安全性のつくりかた」を読んでみて、
✅自分の職場でも、もっと心理的安全性を高めて、チームのパフォーマンスをもっと高めることができるかも。
✅そしてそれは、自分ひとりからでも、始められるかも。
と感じました。
そして、
✅心理的安全性が高い職場を作るには、リーダーや上司だけでなく、ひとりひとりのメンバーの行動や言動から、雰囲気・環境づくりができる。
✅組織である以上、自分とは異なる人がいて当たり前。 自分と異なる意見が出てきたとしても、そんなに気にする必要がない。 そして、自分の意見が他者と違っていても、深刻になる必要はない。
こんなことを学びました。
本書が特徴的なのは、心理的安全性を阻害する要因(上述した、意見を言いづらい雰囲気)や、組織としてそれらを乗り越える方法をとても体系的に解説していることです。
ただ単純に、
報連相が大事です。
とか、
チームメンバーと積極的にコミュニケーションを取りましょう!
といった、よくある抽象論や精神論に留まらないのが、本書のすごいところです。
そして、一方で、こんな風にも感じました。
・心理的安心や、気軽に発言できる環境も大切ではあるものの、ビジネスにおいては、「思いつき」での発言は避けるべき。
・少なくとも、思いつきでなく、色々考えた上での発言と捉えてもらえるよううな信頼関係を勝ち取ることも重要だと思う。
というのも、気軽に意見を言い合うことは大事だけれど、あまりにも現実的でないアイデアを出すことによって、議論がまとまらなくなってしまうこともあるのでは、と思ったからです。
もちろん、革新的なアイデアを出すことも大切なのですが、アイデアを出す側も責任を持って、主張しないと、話が広がってばかりになってしまいますよね😊
「このアイデア、斬新すぎる・・・。 でも、あの人が言うんだから考えてみよう。」
こんな風に思われる人になりたいな、と思います。
本日は以上です。
↓心理的安全性のつくりかた(石井遼介著)↓
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