ぼくの参与観察帳

じぶん自身を少し上から眺めながら日々を記録するエスノグラフィ。

ぼくの参与観察帳

じぶん自身を少し上から眺めながら日々を記録するエスノグラフィ。

最近の記事

ジブンゴトとジブンノシゴト

「ジブンゴトとして・・・」というワードが出てくると、血液型性格診断の話題を振られたときと同じくらい露骨にいやーな顔をしてしまいます。 「自分ごと」には、「他人事」(ひとごと・たにんごと。自分に関係がない、興味や関心を持たないという態度)に対して、それではダメだよいう説教っぽさが含まれています。 サービス業において、サービス水準を上げて顧客満足度を高めるために、お客様の困り事を自分ごと化して考えよう、のように使用されます。 自分ごと化は、マニュアルに頼った思いやりや配慮に欠

    • エッセンシャルワーカー

      能登半島地震の対応では、予算がないから対応できないということがあってはならないということで、予備費の拡充が図られるとのことですが、お金があっても、人がいない、使えない、という社会がそこに来ています。 2022年度の全国の地方公務員の採用試験の倍率は、5.2倍(前年度比0.6ポイント減)となり、過去30年間で最低となったそうです。さらに、ニュースでは84,804人に合格通知を出して、採用が62,286人、その差マイナス22,518人となっています。おそらく、合格通知は辞退者が

      • わたしのブックサンタ

        今年のクリスマス、初めてブックサンタに参加しました。 私はこの冬までブックサンタの取組を知りませんでした。 いつも利用している本屋も参加してますし(比較的目につく場所にポスターが貼ってありますし)、本に関わる情報なので、知らなかったというより、これまでも目にしたけど、あまり気にしていなかっただけかもしれません。 親の経済状況や教育観と、こどもの学力や将来の賃金水準に関係があることは周知のことですが、そのことから、「子供の貧困対策に関する大綱」では学習支援策の必要が掲げられて

        • 給付金で考えた非常時の国と地方の関係考

          新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度以降、政府からは、必要な経済対策として、毎年度毎年度、“臨時”の給付金が打ち出されました。 令和2年度 特別定額給付金(国民一人・10万円) 令和3・4年度 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金(住民税非課税世帯等一世帯・3万円) 令和4年度 電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金(住民税非課税世帯等一世帯・5万円) 令和5年度 価格高騰支援給付金(住民税非課税世帯等一世帯・3万円) 令和5年度 住民税非課税世帯等

        ジブンゴトとジブンノシゴト

          『 』(かっこ)のある居場所

          居場所づくりに関わることになって、 いろいろな居場所の取組みに触れると、 素晴らしさや必要性を実感するとともに、もやもやとしたものを感じます。 また脚光を浴びる居場所づくり 従来から知られた問題である人口減少、少子高齢化、ライフスタイルの変化など、地域活力の低下圧力が増しているなかでのコミュニティ活性化の文脈に加えて、新型コロナ禍や物価高騰の影響による、孤独・孤立問題の顕在化・深刻化があって、国の政策における居場所の存在感が高まっています。 “居場所”は、自明のことのよ

          『 』(かっこ)のある居場所

          エキスパートマネジャー

          恒例となっている春の人事異動がありましたが、近年比較的若年層の離職が増えているように感じます。なかでも資格や特定分野の学歴を必要とする専門職員の離職が目立ちます。 退職、転職という選択をするに至った理由は何か一つに限るというものでもないとは思いますが、取り残された私たちに今後できることはないか?ということを考えました。 BAR仮説地方自治体の組織における人材育成は、人数主流派の専門性のない事務職員に対するマネジメントやキャリア形成を念頭に構築されています。 事務職員以外とし

          エキスパートマネジャー

          社会的なつながり

          大学卒業してからというもの友人が増えていない自分なりに社会的なつながりを考えてみました。 社会的なつながりへの期待 いま多くの政策分野で、社会的なつながりづくりや地域づくり、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)といったものの必要性が強く訴えられています。(ちなみにこの論考では社会的なつながりは、家族や親族を超えた幅広い関係、その中でも特に直接的に顔を合わせる間柄、くらいの意味でとらえています。) 福祉分野で言うと社会的フレイルが健康に影響することが指摘されています。逆につ

          社会的なつながり

          断らない相談

          「断らない相談」について考えるために、まず思考実験として「断る相談」とは何か?どういう状態なのか?を考えてみた。 相談、断る? いくら何でも訪問してきたお客様に対して、いきなり「帰れ。」とシャットアウトすることは考えづらい。 私たちは何を断り、何を受け入れているのか。 当然だが所掌する事柄は受け入れているはず。 受け入れないことがあるものは私たちにとって所掌でないと考えるもの。つまり担当していないもの。 例えば、国の法律や制度のないもの。市のサービスとして採用してない