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254.馬にはパブリシティ権はない?ある?どっちかはっきりしろ!

1.またまた写真集からの盗用


 2003年(平成16年)2月26日、日本経済新聞朝刊に掲載されている高村薫さんの連載小説「新リア王」の挿絵が、写真家富山治夫さんの写真集からの盗用であることがわかった。

日本経済新聞社は、著作権侵害や肖像権侵害の恐れが強いとして、同日付朝刊から挿絵の掲載を中止し、紙面で経過を説明するとともに、挿絵を描いたイラストレーの西口司郎さんの謝罪文も掲載した。

この内容は、2002年7月から12月にかけて日経新聞に掲載された20点の図柄が、富山さんの写真集「禅修行」(曹洞宗宗務庁発行)の作品に酷似していたほか、2003年1月31日と2月1日掲載の2点が、朝日新聞社発行の雑誌「アエラ」の表紙写真に酷似していた。

2月中半に「アエラ」の表紙写真と被写体となった登山家の野口健さんから朝日新聞社に指摘があり、日経側に問い合わせたことから問題が発覚した。

西口さん自身は、写真を参考にして描いたことを認め「画に具体性をもたせたいと思った」とコメント。

日経新聞社は「読者の皆様と関係の方々におわびしたい」としている。
 
 

高村薫晴子情歌 上下、新リア王 上下、太陽を曳く馬 上下です。

2.偽ブランド販売所持人逮捕


 
偽ブランドの販売所持はどんどんきびしくなってきた。2003年2月1日、若者に大人気のブランド「A BATHING APE」などの偽物衣類を販売目的で所持していたとして、警視庁生活経済課は、東京都渋谷区の竹下通りにある「CITY STYE」など8店舗を一斉摘発した。

これらは商標法違反で、店員 (26)の日本人4人とガーナ人などの外国人7人の計11人を逮捕した。

8店で押収した偽ブランド品は350点を越えていた。
調べによると、この店員は、同店内で有名ブランドの商標登録に類似するマークがついたTシャツ7枚を販売目的で所持していた疑い。

店では、修学旅行に訪れる若者などに「本物が安い」などと道で呼び込み、偽物のTシャツや帽子などを本物の半額以下で販売していた。

また、昨年夏ごろからこの周辺での「キャッチセールが激しい」などと苦情が寄せられ、同課が10月に15店舗に警告していたばかりだったという。
 
 


3.馬にはパブリシティ権はない?
どっちかはっきりしろ!


 
2003年(平成16年)2月13日、「オグリキャップ」「トウカイティオー」など実在する競走馬をゲームソフトで無断使用され、権利を侵害されたとして、北海道や東京都などの馬主が集まり、ゲームソフトメーカー「テクモ」(東京都千代田区) に製造販売の差し止めと損害賠償を求めた訴訟の上告審判決があった。

そもそも「パブリシティ権」とは有名なタレントやスポーツ選手の氏名、写真などを使った商品が生み出す利益を、本人やその契約者らが独占的に得ることができる権利のことをいう。

そして第三者が無断で商品を製造販売すると権利侵害になる、これは米国で使われ始めた概念で、日本でも地裁や高裁の判決で人格権に基づき人気アイドルらに認めた例がある。

このパブリシティ権が著名人以外の競走馬などにも認められるかどうかが焦点となっていた。

最高裁第二小法廷の滝井繁男裁判長は、「競走馬の名前が顧客を引きつける力があるとしても、法律などの根拠もなく馬主に独占的な使用権を認めるのは相当でない」と初判断を示した。

これは、著名な競走馬に限ってこの権利を認めた二審・名古屋高裁判決を破棄、請求を全面的に退けた。

問題となっていたのは、同社が1996年から製造販売した業務用、家庭用ゲームソフト「ギャロップレーサー」と、その改良版の「ギャロップレーサー2」のこと。

馬主側は「馬名がゲームに無断使用され、経済的利益が侵害された」と主張していたが、この日の判決は「法律などの根拠が明確になっていない現時点では、競走馬の名前を無断使用することが不法行為になるとはいえない」と判断した。

現在、実在の競走馬の名前を使ったゲームソフトを巡っては、別のソフトについても同様の訴訟が争そわれており、東京地裁、東京高裁がいずれもパブリシティ権を認めない判決を言い渡しているが、馬主側はいずれも上告している。

馬主側の代理人は、「物にパブリシティを認めるか否かの線引きは、現行法で明記されていないが、具体例に即し基準を明らかにすることこそ、裁判所の役割りで、それを放棄した判決だ」とコメントしている。


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※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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