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ナオコライフ106 ジャムの時間から家族という社会へ

2023.4.10ジャムの時間から家族という社会へ

3時起床。こんな早くに起きてしまった。二度寝ができない日。紅茶を淹れる。伊藤比呂美を読む。生き様と食のこと。アメリカ暮らしでの食の話が多いけど、わたしとは違うし共感もしないのにおもしろい。ただただおもしろい。背表紙見るだけでやだなあっておもってたのに。そんな人を受け容れるようになるってどういうことだろう。わたしにも彼女と同じような要素があるってことだろうか。どういうことだろうか。コーヒー淹れていたら、鳥が鳴きはじめた。5時だ。裏で響いている。6時に母が、おはようと台所に入ってきた。空気が変わった。ドタバタしはじめた。朝ごはんの支度はゆっくりして食べる。今日は和食の日。わたしはたっぷりの味噌汁と卵焼きを食べる。食べたあと、一時間ほど寝る。

睡眠とったら生き返る。昨日いただいた夏みかんでマーマレードジャムを作る。むいて切って茹でこぼし三回。そのあと、グラニュー糖でじっくり煮る。グツグツ煮る。

ジャムの時間。この時間があるから作るんじゃないかな。グツグツという音をぼんやり聞いたり、本を読んだり、そんな時間。どれだけ幸せな時間かと自分で作りはじめてからわかった。父が作ってたときはわからなかった。煮終わり、ウマい!と食べながら、伊藤比呂美を読み終わる。

昼ごはんをさっと済ませ、またもや昼寝。眠くてたまらない、もう午後3時だ。さっそくコーヒー淹れる。春の陽気だが、まだ肌寒い。今日のわたしの仕事はジャム作り。カフェのオーナーさんにおすそ分けをしよう。仕事を自分でつくる意識を持ちたい。誰にいわれるわけでもなく、さあやろうという勢いではじめる。そんな毎日がいい。そんな初心があってもいい。まずはこの家の中でやれることがある、それは家事、庭仕事。この小さな家族の中でも意見を通すというのはむずかしい。財布は母がにぎっているから、母がうんといわなかったら意見は通らないことが多い。わたしはそんな立場。でも、提案する。最近は、お風呂掃除の洗剤をクエン酸で作りはじめ、一つ意見が通った。母が、お父さんもよくやってたわ、といっていた。こうやって、一つ一つ意見を出すこと。そして、実行すること。わたしの立場ではささやかな自立の仕方で心が立ち上がる。こんなことをまず日々増やしていきたい。

母がウォーキングにいってる間に夕ごはんの支度を。今晩のぶりの漬け焼きは油がのってておいしかった。ちょっと感動したな。久々においしい魚だった。



2023.4.11読書は体を使う

4時半起床。コーヒー淹れる。静かな朝。今日一日を幸せな日にする決意。今まで職を転々としてきた。そのことについて、後悔はないけれど、なかなか定まらなかったことに、少々コンプレックスのようなものがある。いつも仕事をしながら、こうじゃないんだいつかきっと、そんなおもいを抱きながら働いていた。今の暮らしは障害があっての年金暮らしだけど、その恩恵ははかり知れない。わたしが人並みにできなくて稼げないところを年金が補ってくれている。なんてありがたいんだろう。そして、仕事とは言えないけれど、こうやって書くことに専念できている。これを生かしたい、続けたい、そればかり。朝から熱くなった。白湯を飲む。

鳥が大きな声で鳴いている。母が起きてきて、もう少し寝るわといって寝室に戻っていった。わたしも今日はなんだか体が疲れていて異常に硬いのがわかる。ほぐした方がいい。じきに、朝ごはんの支度をして食べる。今日も元気に動けますように。片付けをしてコーヒー淹れる。部屋の日向で山の方へ向かって座る。よく鳥が鳴いている。生きているのを感じる。

母と図書館へ。二冊借りてくる。そのまま、ショッピングモールへ。明日母が親戚へお土産に持っていくものを見る。その間、わたしはカフェにきた。母とはすぐに別行動になる。お互いにストレスをできるだけ少なくする術。母を待つ。

昼ごはんには麺類ばかりでかなりさぼり気味な母とわたし。力を入れないでいられる女だけの暮らしぶりが表れている。

図書館で借りた、伊藤比呂美『閉経記』を読む。一番抵抗を感じていた本だ。今のわたしの歳では、近くなってきたというとこ。比呂美節で最初はのめりこんだが、だんだんビールが飲みたくなってきて、ただ酔いしれたい願望を抱きはじめ、なんなのこの久しぶりの感覚は?と不思議がる。文章を読みながら、同時にわたしの人生を振り返らざるをえなくて、頭の中が分裂した読書だった。不快になり途中で読むのをやめた。こういう時はダンスミュージックを聴く。わたしなりのノーマルに戻すためにフルグラを食べる。

あっという間に夕ごはん。今晩は母が作る。母の得意料理、鶏むね肉と蓮根、なすの煮物。おいしくて、作ってもらうとやっぱりおいしいものだ。





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