グレイテストショーマン

グレイテスト・ショーマンで感動できないなんて、今まで幸福だったんですね

最初に言っておくと、私は割と洋画に対しての評価は人より甘めだ。ひとついいところを見つけてしまうと特にそうなってしまう。そんな私の今回の激甘映画レビューは「グレイテスト・ショーマン」です。

主役のP.T.バーナムを演じるのはヒュー・ジャックマン。ヒュー・ジャックマンが何年も前からやりたがっていたのが今作。それだけでもう見る価値がある。だってヒュー様がやりたがった作品だよ?ハズレなわけないじゃない。

時代設定は1800年代。今では信じられないような思想が網羅する社会。黒人といえばメイド、身体的に異常があれば蔑まれるので家を出るなと家族から言われる。
そういう社会の中でバーナムが作ったサーカスは確かに”キワモノを集めた見世物小屋”でしたが、彼らはそこでショーを行うことで、ありのままの自分でいい、THIS IS ME!と高らかに歌うのです。

この映画で最も話題となったのは映画の中で使われた「THIS IS ME」と言っても過言ではないでしょう。アカデミー賞授賞式でキアラ・セトルがステージで雑多な人種を率いて歌った姿は思い浮かべるだけで涙がこぼれてしまうほどです。
「THIS IS ME」の歌詞が、サーカスの団員たちである迫害されてきた人たちの心を現しています。

見られても怖くない 謝る必要もない
これが私
言葉の刃で傷つけるなら
洪水を起こして溺れさせる
勇気がある 傷がある
ありのままでいる
これが私

目に見える障害がなくても傷を負っている人は今の時代でもいるし、謂れのない誹謗中傷を受けた人だっている。そして自分に自信がない人もいる。
そういう人たちにとっても心に響く歌だったのではないかと思います。
もしも歌詞の意味が心に響かない場合、それは今まで随分と幸福だったのだろうと思います。誰からも蔑まれることもなく、いじめられることもなく、自分にはなんだってできると思っている人なのではないかと思えます。

そして、彼らを救ったのがバーナムです。
彼は間違っても完璧な人間ではないし、妻子を置いて仕事に没頭してしまうような男です。
しかし、確かに彼らを受け入れ、生きる目的を与えたのはバーナムです。
バーナムが彼らよりもヨーロッパの歌姫のツアー同行を優先しても、火事でサーカス小屋が焼けてなくなっても、彼らはバーナムを見捨てなかった。
サーカスのメンバーが家族であり、今度は彼らがバーナムを救うのです。
誤った方向へ進んでしまったことにバーナムが気付き、誰のために今まで頑張ってきたのか気付かせてくれます。

グレイテスト・ショーマンはバーナムの伝記的映画ではありますが、家族の愛がテーマだったり、ありのまま自分を愛そう、ということだと言います。
私は自分に自信がないので生き方に迷うこともあります。
この映画は今のままで良いと言われたような気がします。
だから映画を見ながら何度も泣いて、グレイテスト・ショーマンのサントラを聞いてまた泣くのです。

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