ポルトガル語学習者 Mari

自分の学んでいることや読んだ本等について、記録していきます。 ブラジルやポルトガルなどポルトガル語圏のことを多くここに書いていくと思います。 よろしくお願いします(^^)

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マガジン

  • ブラジルのこと色々

    本以外のブラジルに関する投稿をここにまとめます。(^^) マガジンのトップの写真はブラジルの鳥、サビア鳥です。美しい鳴き声を持ち、ブラジル人に愛されています。文学にもよく登場する鳥さんです。 写真 https://www.flickr.com/photos/21545323@N05/2113517124/

  • ブラジル音楽の変遷

    一度多くの投稿(10投稿ほどありましたがそれら投稿)を非公開にしています。誤字も多かったため、見直してまた公開に戻します。。。! 大学でブラジルの音楽の歴史(概要)を学んでいます。せっかく学んだことを忘れないように、理解しているかの確認も含めて整理するために、他人が読んでもわかるように、という思いでnoteに書くことにしました。覗いてみてください!

  • 日本の作品

    日本の作品をまとめています。🇯🇵

  • ポルトガル文学

    ポルトガルの文学作品について書いた記事をまとめています🇵🇹 ハッシュタグ一覧から作家別に検索もできます。

  • ブラジル文学

    ブラジル文学について投稿したものをまとめました🇧🇷 ハッシュタグ一覧から、作家ごとに作品を探せます。

最近の記事

たまごの緒

大阪府出身の作家、瀬尾まいこさんのデビュー作である『たまごの緒』には2つの短編、「たまごの緒」と「7's bloods」が収録されています。 はじめて瀬尾さんの作品を読みました。読みやすくてそしてとても暖かみのある文章でした。二つに共通するのは家族愛。親子愛と姉弟愛。 優しい自分になりたいとき、心が疲れてるとき、温かい気持ちになりたいときに、手に取りたい1冊です。 「たまごの緒」 血縁関係のない母と10才の息子。けれど、どこの親子にも負けない絆で結ばれていて、お互いに

    • A menina do mar

      今回は、ポルトガル人女性作家、ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンデルセン(Sophia de Mello Breyner Andresen)の絵本を読みました。ポルトガルの有名な作家です。 とある少年が海辺で、海の女の子と出会うお話。女の子は陸の世界を知らないので男の子が教えてくれる陸の世界のお話に夢中になります。 男の子は、バラ、マッチの箱(火)、ワインを紹介します。 Saudadeのバラ バラを見た女の子は、その美しさと素敵な香りを気に入りますが、寂しげだと言いま

      • 『不穏の書、断章』フェルナンド・ぺソア

        写真:https://casafernandopessoa.pt/application/files/8215/1750/8455/1-.jpg この作品はベルナルド・ソアレス著、ということになっています。フェルナンド・ぺソアではないの?となりますが、これは彼の異名です。 では異名とは何かということを少しだけお話します。ペソアは自分自身の中に、沢山の人格(キャラクター)を作りました。有名なのはアルバロ・デ・カンポス、アルベルト・カエイロ、リカルド・レイスなどでしょうか。そ

        • 『丁子と肉桂のガブリエラ』ジョルジェ・アマード

          丁子はクローブ、肉桂はシナモンです。皆さんはスパイスの香りが好きですか。私は子供のころからから大好きで、タイトルを初めて見たときからとても気になっていた本でした。 舞台はバイーア州の町イリェウス。イタブーなという町も出てきます。(後者はジョルジェ・アマードの出身地) イリェウスが町として大きく発展を遂げている真っただ中に生きる人々を描いています。政治的対立、町が抱える港問題、街での恋愛関係、女が浮気をしたら殺されるというしきたり、等々、発展の中、新しいことと古い慣習の間で

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        記事

          「虞美人草」夏目漱石---ハイカラ過ぎた紫の女性、藤尾

          2021年になりました!あけましておめでとうございます。 さて2020年大晦日に私が読み終えたのは夏目漱石の「虞美人草」(1907初版)です。 明治時代、110年以上も前に書かれた作品に対して、今現代の視点から私が感じたことをここに書きたいと思います。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 「虞美人草」、これは恋愛物語です。そして舞台は京都と東京。 恋物語好きや、京都好きの人におすすめかな、と思います。 紫色の、ハイカラ過ぎた女性-

          「虞美人草」夏目漱石---ハイカラ過ぎた紫の女性、藤尾

          2.ボサノバの父、ジョアン・ジルベルト

          こんにちは、今日はボサノバ記事第2回目です。ボサノバの始まりのともいわれる曲についてたいと思います。ボサノバに詳しいわけではなく、勉強中の身なのでおかしな点等ありましたら、ぜひ教えてください。 ボサノバを知るうえでまず大切なのが"Chega de saudade" という曲だと授業で紹介されました。 この曲は女性歌手エリゼッチ・カルドーゾ (Elizeth Cardoso)によりまず歌われた曲です。 ただしこの曲が成功したのは1年後。ジョアン・ジルベルト(João Gi

          2.ボサノバの父、ジョアン・ジルベルト

          1. ブラジル、ボサノバ音楽の誕生

          この数か月、大学の講義でブラジル音楽の変遷について学んでいるので、そこで得た知識等をここにまとめていきたいなと思います.せっかく学んだのに後になると何となくしか覚えていない、分かったつもりだったけど人に説明しようとなると実は理解がかけていることに気づいた、といったことが多々があります。私の記録としてですが、覗いていってください。 カフェや本屋さんでよく流れている音楽、穏やかな雰囲気の音楽、思い浮かびますか?日本のカフェなどでよくかかっている音楽、注意して聞いてみると日本語で

          1. ブラジル、ボサノバ音楽の誕生

          『砂の戦士たち』ジョルジェ・アマード

          舞台はブラジル北東部のバイーア州。作者の出身地でもあります。 とっても良かった!!窃盗グループの話ですが物語は暖かく愛にあふれた雰囲気でした。 【貧しい生活、仲間との日々】身寄りのない少年たちの日々を描く物語。生きていくために盗みを働かざるを得ない子供たち。町からはコソ泥・暴力的と恐れられる存在ですが、彼ら側の視線・感情で描かれた物語からは、自分たちの街を愛する気持ち、仲間を大切にする思い、貧しい暮らしがあるのと同時に大金持ちがいる社会への不満、今まで受けたことのない愛と

          『砂の戦士たち』ジョルジェ・アマード

          ブラジルの民話、ガラナの話

          目のように見える、赤い実。少し不気味ですね。これはガラナという果物です。どうしてこんな目みたいな形なの?昔から伝わるお話があります。 今日は本ではなくて、ブラジルに伝わる民間伝承をここに残したいと思います。このお話はブラジル中で有名で、広く知られたお話です。――――――――――――――――――――――――――――――――――これはブラジル北部のアマゾンに住むインディオのお話です。 あるところにまだ子どもを授かっていないインディオの夫婦がおり、子どもが欲しいと神様にお願いし

          ブラジルの民話、ガラナの話

          『白い病』カレル・チャペック

          戦争を目前とした世界に未知の感染病「白い病」が流行する。 そんな中、ある町医者は特効薬を発見するが、薬のその薬の提供に際して条件を1つ提示する。恒久平和条約を締結する国にのみ治療を提供する、と。 「あなたは人が亡くなるのを放っておくのですか。」という問いに対し 「では、あなたは人々が殺し合いをするのを放っておくのですか。」と町医者。 医者が患者を治しても、治療しても、戦争で次々に人が死んでいく世界。医師として戦場で過ごした経験のある町医者の突きつけた条件は戦争停止と治療法の

          『白い病』カレル・チャペック

          「ポインター氏の日録」M.R.ジェイムズ

          何かの模様、染み、柄、そんなものがふと気になって目が釘付けになる、心から離れない、そういうことはたまにありますか。これは一枚の布切れの柄から始まる奇妙な話。 古本のせり市でポインター氏の日記を手に入れた主人公。日記の中には布切れが一枚張り付けられていた。 主人公の伯母はその布の柄にひどく惹かれ、同じ柄のカーテンを作らせることに。波打つ模様が何とも美しいと感じたそう。 出来上がったそのカーテンのかかった部屋で寝た主人公は、その晩誰かが覗いているような感覚に。ここから話は動

          「ポインター氏の日録」M.R.ジェイムズ

          「牛鍋」森鴎外

          目の渇きは口の渇きを忘れさせる。 永遠に渇している眼には、またこの箸を顧みるほどの余裕がない。 牛鍋屋で牛鍋を囲む三人。 男と女と7、8歳の娘。男は娘の父親ではない。話の流れはいたって簡単で、牛鍋屋で3人が食べているというだけ。 ・ただひたすらに肉を口に運ぶ男。 ・酒も飲まず肉も食べず、男に酒を注ぎ男をただ眺める女。 ・肉を食べようとした娘が鍋に手を出すと「そりゃ煮えていねえ」と男にいつまでも食べさせてもらえず驚きのまなざしを向ける娘。 しかし娘は箸を動かす。男と

          「詩人の生涯」安部公房

          綺麗。悲しくて暖かい綺麗さ。 疲れ切った三十九歳の老婆は糸車で糸を編むうちに、指先から糸にひきこまれて糸になり、ジャケットへとなる。そして鼠に心臓を噛まれてしまい、ジャケットは血の赤色で染められた。 町の人々の貧しさ、夢、願望のみが結晶化出来て雪になる。雪となって降ってくる貧しい人々の魂は、町を凍らせ息子も凍り、固まっていた。 赤く染まったジャケットあのジャケットは空中にふわっと立上がり、町中で稼ぎに出ている息子を見つけ、彼の体をすっぽりと覆った。 母親のジャケットに

          「詩人の生涯」安部公房

          「炎天」ウィリアム・フライヤー・ハーヴィー

          見ず知らずの2人が体験した偶然が緊張の瞬間を生み出す、短いホラー小説。 手記形式の、ある画家と石工の話。二人とも互いに知り合いでもないのに画家は裁判で判決が下された際の石工の姿を、石工は画家の名前を用いた墓石をお遊びで作る(しかもそこに書かれた誕生日も画家のものと同じだった)。二人は互いに出会うことになり、、。 ほんの10ページ程度の短い話ですが、ホラー小説をさっと読みたいときにぴったりだと思いました。 小説が終わった後の展開は分からない。だって私達が読んでいるのは画家

          「炎天」ウィリアム・フライヤー・ハーヴィー

          「行列」ムリロ・ルビアン

          物事が解決せず、何もかももやもやな感じ、はっきりしなかったり有耶無耶だったりする感じって日常生活でありますよね。 スッキリしない物語ってなんか心が晴れないっ!と昔の何回か思ったことあるけれど、ある物語の終わり方がもやもやなのも、そんな現実を写し取っているからかもしれないな、なんて感じました。 まず作品への感想から先に述べると、ブラジルぽいなというのが第一印象でした。 ある男が、田舎からある会社へとやってくる。自分の国から極秘任務を預かってきた男は支配人と直接話すために長

          「行列」ムリロ・ルビアン

          フェルナンド・ぺソア短編集

          ポルトガル・リスボン出身の、国を代表する作家フェルナンド・ぺソア(1888-1935)による7つの短編が集められた一冊。暗い感じだったり皮肉的だったりする内容が多い短編集だなと思いました。 独創的な晩餐会静かに物語が進むのに怖い話。ホラー好きの方、複雑ではない短いホラー話を読みたい方はどうぞ。 ある日、世にも独創的な晩餐会が開かれることに。 開催者は、いつも人を笑わすような実に陽気な人。しかしながら彼自身の表情には何かしら影が見えるような人物。決して怒ったことはなく争い

          フェルナンド・ぺソア短編集