きっちゃんのつぶやき「私は、必要とされている人間なんだ!」
中央小学校で校長をしているときの話です。放課後職員室にいると、6年生の女子児童が職員室の窓をノックしました。「何?」って尋ねると、「ちりとり貸してもらえますか?」と言うので、「何に使うの?」と再度尋ねると、「運動場の草を引いたので、捨てるためです。」教頭先生が、その女子児童と一緒にちりとりを持って運動場に行ってくれました。見ると、2つのちりとりにいっぱいの草です。いや~、うれしかったですね。遊びに来ていたと思うのですが、何か思ったのでしょうか?草引きって、子どもが一番嫌がるのですが・・・
そんな彼女の行動を見て思い出すのは、「人に迷惑をかけないではなく、人の役に立つことをする」と書いてあった本のことです。「人に迷惑をかけないようにしなさい。」大人は、子どもによくそう言い聞かせます。けれども、生きていれば誰かに迷惑をかけることはあります。
その本には、「子どもにはこう言ってあげてほしいと思います。『なるべく迷惑をかけないようにしたほうがいいけれど、そのつもりがなくたって、迷惑をかけることがあるんだよ。だから、困った人がいたときは手伝ってあげようね。それでおあいこになるんだから』」と書いてありました。
つまり、迷惑をかけないことではなく、自分なりにできることをやって誰かの役に立つことが大切なのです。そのためには、家庭の中でも、年齢に応じてお手伝いなど何かの役割を果たしてもらうのがいいと思います。「やってくれて助かったよ。」と言って、認めてあげることで、「自分は必要とされている人間なんだ。」という自己有用感が生まれます。彼女の行動はまさにそれですね。
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