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きっちゃんのつぶやき「今こそ求められる“大人たちの眼差し”」

 私が子どもの頃は、異年齢集団による群れ遊びが主流でした。缶蹴りや鬼ごっこ、かくれんぼなど、たくさんの友だちと一緒に遊ぶ中で、泣いたり笑ったり、怒ったりしながら、人間関係を学び、身につけてきました。

 また、低学年の頃は高学年の子にあこがれを持ち、高学年の頃は低学年の子を守ってあげようと思ったものです。しかし、今はそのような光景もあまり見られなくなり、たとえ複数人集まってもテレビゲームを思い思いにしているような状況です。昔のような群れ遊びを期待するのは無理かもしれません。

 帰り道では道草しながら、いろんなことを学んだような気がします。しかし、いろんな事件が続く中、道草もできなくなりました。私たちが群れ遊びをしたり、道草をしたりすることができたのは、絶えず周りの大人たちの眼差しがあったからではないでしょうか。親はもちろん、親戚や近隣の大人たちは、小さな子を上手に遊んであげられる年長者を褒め、小さな子が泣いていれば年長者を叱る、そんな暗黙の共通理解のもと、大人としての役割を果たすことで、子どもは健全に育ってきました。

 でも、今の時代を嘆くことはないと思います。朝夕、子どもの登下校の見守りを毎日していただいている見守り隊の皆さんや、私が校長としてお世話になった校区では、地域の方々による素晴らしい交流活動の場がありました。

 実は、今も大人の眼差しは健在なのです。この大切な大人の眼差しを通して、学校・家庭・地域が子どもの育ちを共有し、どのような場を提供すべきなのか、大人の役割は何か、今一度考えるときがきているのではないでしょうか。


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