見出し画像

リトアニアNGOの研修で後悔した未来を変える「物語」を語る力

インターン先である難民の起業家支援を行うNGOで
専門の講師によりスタッフ向けに2日間計6時間の
「ストーリーテリング」研修を受講した。

所属先のNGOでは
難民の社会統合・包摂に向け
当時者の声や権利を訴えかける
アドボカシー活動の一環として
秋に外部向けに「ストーリーテリング」の
イベントを予定している。

そのために、まずはスタッフの
「ストーリーテーリング」能力向上を目的に
内部研修が実施された。

「ストーリーテリング」は
物語(ストーリー)を語ることで
情報を単に伝えるのではなく、
人々の心に響き、
行動を促す強力な手法。

名前自体は聞いた事があったが
体系的に学んだのは初めてだった。

この「物語」を語る事のメリット・可能性に
ワクワクが止まらなかった。

もちろん、「ストーリーテリング」を
NGOの活動に反映することで
難民当時者の声をより社会に訴求することで
彼らのエンパワーメント促進につながる等の期待がある。

エンパワーメントとは、
本来持っている力を発揮し、
自らの意思決定により自発的に行動できるようにすること。

しかし、NGOでのアドボカシー活動・難民などの
脆弱的な立場になった方々のエンパワーメント促進だけでなく
正しく自身の「物語」を語り、
他者の「物語」を引き出せるのは
個人や組織の未来を大きく変えるチェンジメーカーになり得る可能性を秘めている

感じた。

活用場面は、ビジネス全般、面接、人間関係全般
(家族・職場・友人・恋愛関係の構築)等
多岐に渡る。

事実や数字を並べたロジックな説明と、
正しく聞き手の感情に訴えかけるような物語性のある説明を比較すると、物語性のある方が
22倍も聞き手の記憶に残ることが確認されている。
(Stanford University『Harnessing the Power of Stories』より)

ビジネスの場(大手、ベンチャー、起業家)では
ストーリーで相手を説得させ業績向上に繋がったり投資を受けやすくなる。

大事な面接では、
相手の求めている資質を
ストーリー立てて伝えることで
内定率の向上に繋がる。

ここで大事なことは
適切に正しく「物語」を語ることだ。

つまり、ただストーリーを語るのではなく
目的や聴衆に応じて
自身のストーリーを体系立てた枠組みにはめ込み
適切な種類のストーリーを選択することで
破壊的な訴求力を持つことができる。

相手を引き付け、感化させ、他者に長期的な影響をもたらす。

ストーリーテーリングは
才能ではなく、誰でも上達可能な「技術」だ。

私は研修の実践練習でスタッフの前で
パレスチナ結婚式での気づきを
5分程度で話した。

ストーリーを作る上で大事なことは、2つ。

1.しっかりストーリーの骨組である
 日常 → 変化 → 新しい日常に沿って
 Detail(詳細)を丹念に描くこと。

2.適切なストーリーの種類を選択すること
  ①バリューストーリー
  ②創業者(個人的な)ストーリー
  ③目的ストーリー 
  ④お客様(他者)ストーリー 

出典: 心に刺さる物語の力

上記の早見表の通り、状況に応じてストーリーのタイプを選ぶこと。

実際に、創業者(個人的な)ストーリーテリング方式を選んで、下記の通りで自分のストーリーを伝えた。

そこまで準備をしていなかった中で
英語で物語を語ることにかなり緊張したが
いざスタートすると
すごく楽しくしゃべる事ができた。

実際に講師や同僚・上司からも
ポジティブな評価をいただけたのは
前回のNOTE

で物語を自分自身で整理できたからだと感じた。

上記ストーリーテーリングのチャート図は
パレスチナNOTE記事のほぼ要約版。

物語を人前で語ってみて
自分自身の思考の内省化はもちろんのこと
スタッフの脳裏に
“中東に軒並みならぬ熱い想いを
持っている日本人スタッフ” だと
植え付けることができた。

スタッフ間で自身の「物語」を語り合うことで
メンバー間のチームビルディング強化
信頼関係の醸成にも役立つと
実感することができた。

ストーリーテーリングの実践を通して
ワクワク感を感じたのは
自分のストーリーを収集し、正しく選択肢し
適切な場で物語を語れる技術があれば
他者の魅力あるストーリーを引き出せるのだと
発見した
からだ。

我々の人格や価値観、アイデンティティは
今までの無数のストーリーの積み重ねで
構築されている。

多くは、魅力あるストーリーが眠ってたまま。
その「物語」を引き出せるかは
優れた質問が鍵を握る。

自分自身に優れた質問を問いかけて
良質なストーリーを発見できる事は
他者の物語も発見できるだろう。

さらに
「この人にはどんな面白い物語があるのか?」
という視点で会話することで
未知で面白いストーリーを掘り起こせるかもしれない。

この視点を得たとき
ワクワク感と同時に強烈な
「後悔」の感情に襲われた。

あと3ヶ月早く知っていれば。。。と

半年前、大学主催の就活フェアで
2人組のグループワークで理学療法士の学生と
仲良くなった。

ちょうどバルト国際学生柔道大会に向けて
本腰を入れて練習と減量を開始するところだった。

彼女は、高校時代、陸上競技のアスリートで
大学では理学療法の専門性を活かしながら
ジムのトレーナーのバイトをしていた。

運動選手のマインドセットや怪我との付き合い方
日々のトレーニング等、お互い共感することが多くあって、会話が非常に心地よかった。

リトアニアで多くを過ごしているクラスメイトや
インターン先のコミュニティ等では
彼らと仲が良く良好な関係性だが
スポーツの視点で共感し合える人がいなかった。

試合1週間前に肩を脱臼した時は
おススメの痛みを抑える冷却スプレー等を
教えてくれたり、本当に心強かった。

試合で優勝したら、
リトアニア料理食べに行こうと誘って
勝手にモチベーションを上げていた。笑

さらに、彼女は絶妙に質問がうまく
深層部に当たる価値観に触れる問いかけをしてくれ
会うたびに面白かった。

初めて出会ってから、4回ほど
食事に行ったり遊びにいって
もっと仲良くなれるかなと思ってた矢先
急遽彼女は、海外インターンが決まり
先月よりイギリスで働いている。

ストーリーテーリングの研修後にふと
・しっかり彼女の物語を引き出せたか?
・「インパクトのある自分の物語」を伝えられたか?
と疑問が沸いた。

答えはNOだった。

限られた時間の中でこの2つの問いを達成するには
時間切れだったし、
そもそも意識して接しない限り
かなり難しいだろう。

同時に、正しく・適切に相手の物語を聞いたり、
物語を語っていれば、より深い関係性になったかも
しれないと「後悔」の念が非常に強くなった。

バルト諸国学生柔道で優勝した後
約束通りリトアニア料理を食べに行ったときに、
もっとお互いの「ストーリー」に着目していれば。。。と

強烈な後悔に襲われる。
しかし、たらればを言っても前には進まない。

どうやったら今後に活かせるかを考え抜くことが
大切だと痛感した。

「物語」を伝える・引き出せる技術があれば
今後のプライベートやキャリアにおいて
良い方向に未来を変えられると確信を得た。

ストーリーテリングの専門家であるキンドラホールの言葉をしっかり胸に刻んで
今後の歩む道を邁進してゆきたい。

結局のところ、ストーリーテラーは雇用される。契約を勝ち取れる。
ストーリーテラーは、
男性の心をつかむ。女性を射止める。
ストーリーテラーは
猛攻撃を受けても生き延びる。もてはやされる。注目を浴びる。賞賛される。涙を誘う。
ストーリーテラーはギャップを埋める。

ギャップを埋めれば、あなたが持っているものとあなたが欲しいものとの間にある距離を埋められる。ビジネスや人生におけるあなたの現在地と、あなたが目指す位置との距離を縮められる。

キンドラ(2021)心に刺さる物語の力

ENDーーーー

今回のストーリーテーリングの体系的な内容は、
NGOの研修と下記の本やYoutubeを引用している。
特に中田さんの動画は本の内容を分かりやすい具体例をもとに解説して、非常におススメ。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?