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あかりを灯す意味とは?キャンドルを通じて2,005人の臓器提供者に想いを馳せた話

10月6日(金)週末のとあるイベントの帰り
リトアニアのヴィリニュス大聖堂広場前で
ふと目に入った光景に足を止めた。

背景写真の通り、美しいキャンドルが
ハート上に並べられていた。

真っ赤なキャンドルが珍しくて
何か特別な意味があるのではないかと思い
近くの地元の人に尋ねた。

予想通り、このイベントは、週末に開催される普通の
キャンドルナイトではなく
リトアニアで臓器提供者への感謝を示すための
年に1度きりのイベントだそう。

このキャンドル1つ1つは、
特別な意味が込められている。

今までリトアニアで臓器提供された方々(ドナー)
2,005人分のキャンドルが並べられている。

ここを訪れるすべての人が、
炎のキャンドルのそばに立って
臓器提供をされた方々へ
心からの感謝と大きな愛を送って欲しいという
願いを込めてキャンドルに火を灯しているイベント
であることを地元のおじさんに教えていただいた。

私は2,005人の顔も名前も知らない。
今までの人生で自分や周りが臓器移植に関係した
出来事にも遭遇していない。

しかし、目の前の1つ1つのキャンドルには、
ドナーの方々の命が映されたいるような気持ちになり
じっと赤いキャンドルを見つめた。

キャンドルを眺めるごとに
目に見えないあかりに込められている
重み・意義を感じた。

2,005人のドナーだけでなく
その親族や、臓器提供で今を生きられる人々を
想像すると、ハート上のキャンドルには
感謝とドナーへの愛の大きな輪が
作られている気がした。

キャンドルを見つめると
なぜか私まで
「ありがとうございます。感謝感謝」
と祈るようになった。

しばらくすると
周りにいた人々が一斉にキャンドルの炎を消し始めた。

片付けが始まったようだ。

おじさんに確認した上で
私も心を込めてキャンドルの火を消した。

「こんな大々的なイベントなのに
こんなに周囲の手際が良いのはなぜなんだろう」

ふと疑問をおじさんにぶつけたら
彼は、イベントのスタッフに聞き回ってくれた。

おじさんの聞き込み調査の結果
このイベントのスタッフの中には
臓器提供を受けたことで
いまこの瞬間を生きている臓器移植サバイバーや
その親族もいるとのこと。

臓器移植の当事者が参加していることを知り
イベントの手際の良さに納得した。

おじさんの計らいもあり
臓器移植で助かったおばあちゃんと
少しの時間お話することが出来た。

臓器移植サバイバーとお会いするのは
初めてだった。

彼女は、誰かの臓器でいまを生きていることに対して
手を合わせ、上を向き、
「ありがとう・ありがとう」
と強く強く思っていると
にっこり語ってくれた。

おばあちゃんのあの笑顔
きっと忘れないで
私の心に刻まれた気がした。

主催団体のFacebookイベント告知ページで
そのおばあちゃんのメッセージを偶然発見した。

10/6は、私にとって精神的に敏感になり、
意味のある日です。
キャンドルに火を灯すことで、
ドナーに感謝することができる。

引用.  開催団体の公式Facebook:khttps://www.facebook.com/gyvastis

このコメントで考えたことは
あかりを灯す意味だ。

なぜ人は、大切な場面で
火を灯すのだろうか?

この私のモヤモヤに対して
すっきりする言葉をNOTEで見つけた。

人が人に何か想いを伝えようと思う時、
手段は色々あると思います。手紙を書く、声を届ける。
ではもっともシンプルで、かつより遠くまで
伝えることができる究極のメッセージとその手法とは
何でしょうか?
それはきっと、"あかり"を通して伝える
「ここにいるよ」のメッセージ
だと私は考えています。
あかり(火)のあるところには、
必ず人がいるということ。あかりを灯すという
行為そのものが、より多くの人と人とを
繋ぐメッセージを持っていると思うのです。
「みんなであかりを灯す」
ことで、
その人と人の繋がりはコミュニティを形成し、
日本の未来を明るく照らしてくれる。

引用先:それでも僕らが「灯す」わけ 〜"灯す"の意味を考えてみたら見えてきた大切なこと〜|みんなの想火プロジェクト実行委員会 (note.com)

確かにそうだ。

私は、人が集まり、火が灯されている場所を見つけて
ヴィリニュス大聖堂広場前で足を止めた。

‘‘あかり‘‘を通してメッセージをキャッチした。

あの日、真っ赤なキャンドルの灯は、
ドナーの親族、ドナーの臓器で助かった人々や
その関係者と私のような通りすがりの見物人を繋ぎ
ドナーへの「感謝・愛」を伝えるムーブメントが
形成された。

故人に対してのメッセージは
火を灯すことが
唯一無二・究極の伝える手段ではないだろうか。

故人だけでなく、物理的に離れている人に想いを馳せて
何かのメッセージを伝える有効な手段が
‘‘あかり‘‘を灯すこと。

だからこそ、冠婚葬祭、宗教的なイベント
メッセージ性のあるイベントでは
あかりを灯しているのだと思う。

火は時に人間の脅威になることもある。
しかし、
人間の強い意志で点火された‘‘あかり‘‘は
きっと私たちの味方だ。

社会を見渡すと
問題・難題だらけだ。

個人レベルでは
些細な人間関係や
先行き不透明な将来に悩み・不安に
なることもあるかもしれない。

そんなときは
一人でも、もしくは近くにいる友人・家族と
あかりを灯し
自分自身、もしくは遠い誰かに想いを馳せて
あかりを眺めてみてはどうだろうか。

きっと暖かい気持ちになるかもしれない。

かくいう私も、
今夜特別な思いであかりを灯したい。

私にとって非常に思入れるある
特別な地域イスラエル・パレスチナで
2023年10月7日に突然、歴史的な戦争が始まった。

イスラエル、パレスチナは、私の人生の
分岐点となった場所だ。

現地には、大切なイスラエル・パレスチナの友人たち、
日本の友人、知人がいる。

一刻も早く戦争が停戦すること
私の友人たちとその家族の方々の
「無事」を願い
リトアニアで出会った臓器移植で助かった
おばあちゃんのドナーへの「感謝」を想い
今夜は‘‘あかり‘‘を灯し続けたい。

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:キャンドルナイトの主催団体 「Gyvastis」
donoras.lt – Padovanok gyvenimą

HPは、全部リトアニア語ですが、
翻訳した団体説明の抜粋を掲載します。

リトアニアの「Gyvastis」協会は、1993年に設立され
臓器移植を待っている人々と臓器移植を受けた人々を
結びつける唯一の非営利団体であり、
腎臓疾患(腎臓疾患)を患っている人々、
その家族、医師も含まれています。
協会には、約1,000人のメンバーがいます。
※詳細を知りたい方は,HPよりCHAT GTPまたは
翻訳アプリでリトアニア語→日本語に
翻訳してご覧下さい。


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