パリでスリに遭った話
一ヶ月間のイギリス留学を終えて、ヨーロッパ旅行をしてから日本へ帰ることにした。
行き先は
エディンバラ、アムステルダム、ブリュッセル、パリ
夢にまで見たヨーロッパ旅行に興奮していた。
ブリュッセルまでの旅行は何事もなくて、どこも景色は言葉を失うほどに綺麗で、食べ物も美味しくて幸せだった。
そして、ブリュッセルから念願のパリへ向かった。
ユーロスターから見える景色に興奮して、Gare de Nordという駅に降り立った。
キャリーバッグにリュック、トートバッグを抱えて
メトロに乗り換えようと駅構内を歩いていた時だった。
階段を上り終えるまでと携帯をポケットに入れた。
上り終えて動く歩道に乗り、ホッとした私は何かに気づく。ポケットに入れたはずの携帯がない。
周りを見渡しても携帯らしきものは落ちてない。
ただただ大勢の人が足早に去っていく。
スリに遭ってしまった。
まさかと思った。
カバンの中も確認したけれどあるはずがない。
生きた心地がしなかった。
泊まるところの住所も乗り換える電車も降りる駅も何もかもわからない。ましてや次の日から帰国までの1週間をどう乗り切るのか。
その場にしゃがみ込んで今にも泣きたかった。
知り合いが1人もいない異国の地でどうやって生きられるの?と自問自答を繰り返した。
無理だと思ったその瞬間、フランス人の男性に声をかけられた。正直、また何かを盗まれるのではないかと警戒したが真逆だった。よく聞くと2人目の妻が日本人だという。
途方に暮れた顔でも絶望感に満ちた顔でもしてたのかな私。
私の向かう先を伝えると、駅のホームまで連れてってくれた。
乗る電車を教えてくれた。
その場にいた家族に私のその後を託してくれた。
そして、その家族は宿泊先まで連れて行ってくれた。
なんて幸運に恵まれたんだろう。駅のホームで世を明かすのかと思ってたから、思わず泣きそうになりながら何度もお礼を告げた。
次の日警察へ行って、携帯も買って、毎日ビクビクしながらなんとかパリでの1週間を乗り切った。
後から分かったこと。
パリは地域によって危険度が全く違うこと。
私が乗り換えに使った駅は特に治安が悪く、現地の人でも必要がない限り近寄らないとのこと。
パリへ旅行へ行かれる方、危険な地域があるので事前に調べてから楽しんできてください。
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