見出し画像

NUDGEという時間-ジュエリーを手に取る前に頂いたもの

いま自分が感じている生きづらさ、自分を自分として受容できない気持ち、メンタルヘルスケア。

これらのテーマを内省するためにつくったTwitterのアカウントで、NUDGEというカスタムジュエリーブランドを起業された、三神優子さんを知る。

インドの原石・職人さんの手仕事の技術と、お客さん一人ひとりの「内省」と「自分らしい決断」をつないで、世界に一つしかない、その人が「自分であること」をそっと応援してもらえるようなカスタムジュエリーづくり。

自己肯定感やセルフアウェアネスに向き合うコンセプトに惹かれながら、NUDGEのInstagramを見て、ルースとプロダクトの美しさに圧倒された。

                ◇

インドではないけれど、南アジアの近隣国に数年間駐在していたことがある私は、原石の産出国である現地で、ひとめぼれするような美しいルースには店頭ではなかなか出会えないこと、本気で見つけ出すには人づてにディーラーを呼び出すとか、ものすごく時間と根気が必要なことを体感していた。

さらに、気に入ったルースを見つけられたとして、日本人好み・じぶん好みのデザインを具現化するためには、お店の人やその先にいる職人さんとのコミュニケーションがいかに難しいかも実感していた。

私のこだわりが細かすぎるせいもあって、働く女子仲間やママ友たちが現地でジュエリーのオーダーメイドに興じる中、私は原石の産出国という天国であるはずの現地で、ジュエリーを買うこと・つくることを諦めてしまっていた。

そんな寂しい諦めを経験していたので、NUDGEのInstagramで、インド産(や他産地)の惚れ惚れするような選り抜きのルースと、石の個性を引き立てるジュエリーデザインのシンプルな美しさ、それを実現させている三神さんの感性と美しいプロダクトを生み出せる力を目の前にして、非常に感銘を受けてしまった。

とはいえ、まだ海外駐在中の私は、オーダーは日本に帰国してから。

と思っていたのだけれど、三神さんの起業に至るまでの想いがぎゅっと詰まったnoteを読んで、自分の内側がひっくり返るほど、とても勇気をいただいてしまった。

同じ南アジアの土地で、結婚や出産をはさみながら、自分らしさと向き合いながら、自分の夢を確実に実現していった三神さんの6年越しの起業。

ママになっても、自分のやりたいことを。
一見遠回りに見える旅路でも、諦めずに、必ず形にしていく。
分野は違うけれど、自分の歩みと重なる部分があって、すごく励まされた。

その記事の冒頭に掲載されている写真にうつる、
ゴールドのルチルクオーツの石の佇まいにも驚いた。

NUDGEのホームページで紹介されていた、ルチルクオーツの石言葉は「夢で終わらせない」。

noteに出てきたルチルクオーツの透明感の高いルースの中に走る、金色の針は太くて、とてもまっすぐで、三神さんがNUDGEのブランド立ち上げを「夢で終わらせなかった」ことが伝わってきた。

密かに何年も「ゴールドのルチルクオーツ」を探し続けていた私は「こんなに胸を打つルチルクオーツは見たことが無い」と思ったし、こんなに美しいルースを見つけ出せる三神さんもすごいと思った。

そんなこんなで「今、三神さんのブランドでジュエリーを作ってみたい」という決意に即日変わってしまった。 

                ◇

そこからTwitterのDMを通して、三神さんと1、2日に1往復くらいのやりとりを文通のように約3週間。

気になる石を色々と見せていただいて、私の細かすぎる「こういうデザインだと嫌」という要望にも、「こうすると工夫できる」みたいに、とても丁寧に答えて頂いた。

何よりも、きっと他のブランドさんだったら異なるのだろうなと思ったのは、三神さんが「お客さん一人ひとりが、自分と対話して、ゆっくりとルースを選び取っていく時間」もNUDGEの価値の一つとして提供されていたこと。

だから「そのルースにオーダーを決めた人の早い者勝ち」ではなくて「最初にそのルースを心に留めたお客さんの気持ちが固まるまで、そのお客さんがされる予定の決断が最優先」だった。

おかげで心から安心して、自分に必要な時間を過ごすことができた。

私が選んだのは3つのルース。
ネックレスを1つと、指輪を2つ、つくることにした。

自分の目に入りやすい手元に身に着ける指輪は、仕事中に目に入っても疲れない、元気がない日もつけられる、自分の一部のように馴染むものを。

自分が見るよりも、自分と関わる人の目に入りやすいネックレスは、「こういう私でありたいです」という宣言になるような、背筋の伸びるものを。

最終的に選んだルースは、最初の1,2往復の時に、直感でいいなと決めていた石が揃った。

だけれど、小さな「本当にこのルースに決めていいのかな」というモヤっとした迷いが起こるたびに、三神さんから余白や考えを深めるヒントを頂いて、立ち止まって、得られた気づき・内省の体験を経て、自分の心から感じていることを、ゆっくりと濾過できた。

立ち止まって考える時間。
選ぶ石を考え直してもOK。
引き返してもOK。
選ばないという決断に立ち戻ってもOK。
どんな決断も、「今のむぎさん」がしたかったことなのだから、良いとか悪いとかは無くて、どれでも大丈夫。

三神さんからいただく全幅の安心感の中で
ゆっくりゆっくり、自分が本当に手に取りたい石、ジュエリーとして肌に身に着けたい石を考えることができた。  

                 ◇

いまの自分が、これからを一緒に歩む自分に贈りたいものは3つだった。

1)ゴールドのルチルクオーツ:
目指す先
・そこ向かって歩み続けていきたいというベクトルのような決意
憧れにきちんと手を伸ばす覚悟。

2)三角形のオパール:
・自分が自分のままでいることに対する安心感
・肌にのせると目立たない、自分の一部のように馴染む石。
ゆらぎも含めた美しさ。

3)淡い色合いのサンストーン:
優しさ・温かさ・穏やかにきらきらを抱えている雰囲気。
・わたしらしい、と親しい周りからも言われそうな分身のような石。
自分らしさそのままを放つ生き方を自分にリマインド。

上の結論に至るまでに、向き合うことができた内省のプロセスそのものも豊かな体験に感じられたので、また元気がでたときに、別の記事で自分の言葉として残しておきたい。

三神さんがインドに渡航できるまで、実際にはまだ生産工程にも入っていないから、ジュエリーが私の手元にあるわけでもなく、身に着けてもいないけれど、向き合って落としこめたメッセージとは一緒に生きていけそうかな。

NUDGEで体験できた内省の記憶。