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『BAD LANDS』の映画感想まとめ

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『BAD LANDS』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。
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こんな安藤サクラが見たかった!映画『BAD LANDS バッド・ランズ』特種詐欺に貧困ビジネス、闇バイト......現代社会を映しつつ描くは1人の女性の生きざま

今回はkayserが紹介します。 映画鑑賞後、思わず「いやあ~面白かった!」と口をついて出てしまったのは、筆者だけではありませんでした。なんと隣の見ず知らずの方も呟いていたくらい...…。 その作品はというと、9月29日より、全国一斉ロードショー公開され、現在絶賛公開中の映画『BAD LANDS バッド・ランズ』です。日本映画界が誇る稀代の女優、安藤サクラを主演に迎え、そのバディともいえる弟役にHey!Say!JUMPの山田涼介という夢の競演が実現。 内外で評価が高く、

『BAD LANDS バッド・ランズ』から見るジャニーズ俳優論

今週は新作映画について語りたいと思います。 と言うことで、今回は主演、安藤サクラ、山田涼介。 そして生瀬勝久ら演技派俳優を起用していることで話題。 当然原田眞人最新作としても話題の作品。 『BAD LANDS バッド・ランズ』 こちらを鑑賞してきたので、感想を語りたいと思います。 『BAD LANDS バッド・ランズ』について基本データとあらすじ 基本データ 監督、脚本 原田眞人 原作 黒川博行『勁草』 出演 安藤サクラ、山田涼介、生瀬勝久 など 公開 2023

映画『BAD LANDS』の感想(ネタバレあり)

 社会構造や政治の問題のグロテスクさを描きつつ、その底辺で少しでも今日よりいい明日を夢見て支え合うきょうだいのもがきを描く。主人公きょうだいは犯罪組織で詐欺に関わっている。序盤描かれる振り込め詐欺の過程を描く場面は、犯罪ではあるがお仕事映画のような楽しさがしっかりあって見ごたえあった。 序盤までの弟のジョーの描かれ方は、愛嬌はあるけどバカで厄介者でしかない人物としか思えない。そのため物語の推進力となる事件が起こった時、最初は姉のネリの選択に納得がいかなかった。しかし段々ときょ

一週遅れの映画評:『BAD LANDS バッド・ランズ』愛ある世界の苦しみを。

 なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かして配信で喋る。  その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。  今回は『BAD LANDS バッド・ランズ』です。 ※※※※※※※※※※※※※  こうやって長いこと映画評なんてものをやっておりますと、なんとなく「これは喋りにくいな」という傾向が見えてくるんですよね。  例えば、映像がバキバキにキマってるタイプ。画面の演出とか、映すものの取捨選択、あとはオブジェクトの配置とかで語外に漂わせる雰囲気をコント

【映画所感】 BAD LANDS バッド・ランズ ※ネタバレ注意

オレオレ詐欺に代表される特殊詐欺グループの原資をめぐるコンゲーム 我が国で最もディープな街といっても過言ではない、大阪・西成のあいりん地区。清濁ごった煮の街で繰り広げられるフィルム・ノワールが心底熱い。 原作小説は黒川博行のクライムノベル、『勁草』(けいそう)。 原作では男性となっている主人公を、本作『BAD LANDS』ではあえて女性に変更。 安藤サクラ演じる詐欺師(手配師)・橋岡ネリが、大阪の街を疾風怒濤のごとく駆け巡ることで、裏社会の屋台骨がグラつきだす。 性

映画『BAD LANDS』の山田涼介という体験を何とか言語化する試み

先に言っておきます。後半、危険思想すぎる。誰も怒らないで。こうとしか書けない。 元自担・山田涼介をスクリーンで観るのは2017年ぶりだった。あれから6年近くが経って私は大学に入学して卒業し、就職して今社会人2年目だ。高校3年間はうんと遠い昔のような気がする。 あれから今までの間に、ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』は1話だけ観たけれどグロくて断念した。そもそも私は連続ドラマを観るのに向いていない。モチベーションが続かないので、映画館の椅子に2時間縛りつけられるほうがよっぽ

映画「BAD LANDS」

こんにちは、サカモトです。 原田眞人監督の映画が好きだということは前に書きました。 原田眞人監督の映画「BAD LANDS」が公開されたので、見てきました。とても素晴らしくて、ずっと震えながら見てました。 この作品の原作は黒川博行の「勁草」です。特殊詐欺、つまりはオレオレ詐欺に関わる底辺の人間を描く名作です。 原作の設定は活かしつつ、かなり大胆にストーリーを変えてきてましたね。 原作と変わった点といえば、 主人公二人が男二人から女と男の姉弟という設定になっていたこ

映画『BAD LANDS』そこに居たのは「山田涼介」ではなく「矢代穣」だった

9月29日に公開された『BAD LANDS』 山田涼介を見に行ったはずが、スクリーンの中にいたのは紛れもなく「矢代穣」だった。 私が好きだったポイントをただ書き連ねてみました。(ネタバレを含みます) ●姉弟ならではの軽快なやり取り 映画の中では姉ネリと弟ジョー2人の気の置けない関係性だからこそのやり取りが出てくる。テーマが重いこの映画の中で、少しクスっと笑ってしまうような、内容はディープながらも「日常」を感じられるようなそんなやり取りが好きだった。 カフェでのジョーの

「バッドランズ」見てきました

めっっちゃ面白かったです。 原作では、主人公は男性だったらしい。 えっっ、マジ!? 映画は安藤サクラが主人公じゃないと成り立たない話でした。 黒川博行原作作品は、大竹しのぶ主演の「後妻業の女」も、佐々木蔵之介・横山裕主演の「破門」も見てたので、大体のテイストは把握していたつもり。 BADLANDSは、つまり「大阪」やね。 大阪を舞台にしたピカレスクロマンで、クライマックスは何とも言えない切なさで、でもまあ大団円と言える結末で。 もしかしてだけど、プロデューサーにジュリー

映画<BAD LANDS>~タロットカードと大阪弁

タロットカードが舞い降りる 作品の中で、突然、タロットカードが登場する。 ヒロイン、ネリ(安藤サクラ)は8月20日生まれ。だからネリのタロット・カードは、20番「審判」であると。 カードが画で映ったわけではなく、ネリにとって近しく重要な人物のセリフの中で語られる。 物語の中に、突然ひらりと一枚のタロットカードが舞い降りたかのように。 「審判」は、タロットカードの絵札22枚(0番から21番)の中の20番なので、終わりに近い番号で、新しい世界が始まる一歩前のカード。 再び世界に生

救いようのない世界の中で見た姉弟愛が砂漠に咲く一輪の花のように見えた『BAD LANDS バッド・ランズ』

【個人的な満足度】2023年日本公開映画で面白かった順位:65/135   ストーリー:★★★★★  キャラクター:★★★★★      映像:★★★☆☆      音楽:★★★☆☆ 映画館で観たい:★★★★★ 【作品情報】   原題:-   製作年:2023年   製作国:日本    配給:東映、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  上映時間:143分  ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ 元ネタなど:小説『勁草』(2015) 【あらすじ】大阪で特殊詐欺に手を染

映画『BAD LANDS』感想

大阪という舞台のもつ、特有の空気を切り取るカメラ×名優・安藤サクラと山田涼介の痺れる演技×ディテールを重ねた犯罪描写と、エモーショナルさのバランスが絶妙な脚本。この化学反応が私のツボを突きまくり、ラストカットの想像を超えた爽快さに、涙する。 底辺に縛りつけられ続けたネリ達の「解放の物語」。その感想を、以下に記していきたい。 また、映画『燃えよ剣』で沖田総司役を演じた山田涼介さんに魅入られた"沖田オタク"として、『燃えよ剣』沖田総司と『BAD LANDS』ジョーの関連性につい

【映画】バッドランズ、皆さま特殊詐欺にご注意を💦

最近、母が、一年前には私が、実は特殊詐欺に引っ掛かりました💦 損害額こそ数万円(私は対応が早かったので数千円で済んだ)ですが、私は個人情報をすっかり抜かれましたので、電話番号から、LINE、メールアドレスなど全てを一新する羽目となりました💧 他人事だと思って、笑っていられませんよ💦奴らは、本当に上手く作って来ます。ホームページなどは、本物のホームページと全く変わらないし、電話を掛けても、かつてのような不良丸出しのトークなどせず、本物のテレホンアポインターのように上品に受け答