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『銀河鉄道の父』の映画感想まとめ

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『銀河鉄道の父』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。
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#宮沢賢治

銀河鉄道の父

門井慶喜 2017年 ・感想 家族からの薦めで読んでみたくなった本です。今年の春には映画化されていたようですね。小学生の頃、国語で「やまなし」を習ったのを思い出して懐かしくなりました。 この本、語り手が「賢治」ではなくその父「政次郎」なのです。この作品自体は、フィクションだそうですが、作者が自分で研究したものをもとに、実際のものと忠実に合わせて執筆したと聞きました。 いや~しかし、お父さん視点で「賢治」を書くとは…。「今までにない発想だなぁ〜」と。全く思い浮かばず、面白

「本当の幸せ」を考え続けた人のお父さんのお話

こんにちは! 本物のコーチングと「奇跡のコース」 の世界観に基づく未来型教育事業、 エフィカシージャパンの衣川信之です。 当ブログ Coaching Miracles は、 コーチング、スピリチュアル、引き寄せ、ヒーリング、、、 夢がかなうすべての知識と技を総合し、 「すごい奇跡」が普通に起きるように 願いを込めて、綴っていきます。 先日、「銀河鉄道の父」を観た。 僕は、若い頃から、 賢治に夢中であった。 雨ニモ負ケズのデクノボー の思想に、恋焦がれた。 花巻に行っ

母娘で『銀河鉄道の父』と書道アート部

門井慶喜さんの小説が好きで、時々読んでいます。 『銀河鉄道の父』を読んだとき、お父さんが主役の伝記(歴史)小説って 面白い! 『銀河鉄道の父』ありがとう! 「宮沢賢治のお父さん、ありがとう」と思いました。 宮沢賢治のお父さんがいなければ、宮沢賢治にも宮沢賢治の作品にも私たちは出会えなかった。 だって 父過ぎる父 銀河鉄道の父 「父過ぎる父」の意味は映画『銀河鉄道の父』を観てね。 私は小説派で、すでに読んだ本が映画化されても大概観ようと思いません。 でも今回、

「銀河鉄道の父」、利他主義と宇宙

役所広司氏、菅田将暉氏が、父とその子、宮澤賢治として向き合う。 賢治が終生慈しんだ妹を、森七菜さんが演じる。 そして「八日目の蝉」の成島出氏がメガホンを取る。 期待しない方が難しい作品だが、予想をはるかに上回っていた。 とにかく、物語の器が大きかった。 聖人としての宮澤賢治、(欲望に基づいた人間の経済活動という見地から言えば)だめんずの宮澤賢治、その間にある、私のような凡人には到底理解できない(また理解できなくても作品に感動する心からは何も引かれない)、宮澤賢治の、いわば

【感想】雨ニモマケズ

「銀河鉄道の父」を鑑賞したおかげで、宮沢賢治がどんな人物で、どんな人生を歩んだのかを少しだけ知ることができ、改めて彼の代表作「雨ニモマケズ」の詩を読みたくなった。 授業で宮沢賢治について学び、何度か作品に触れる機会はあったが、特に印象に残ることもなく過ごしてきた学生時代。 「雨ニモマケズ」は、宮沢賢治が亡くなってから、広く世に広まった作品。でも、彼の遺作のメモ帳に残されていたこの詩が、今世までたくさんの人々に愛され続けてきたのだから、素敵だ。 宮沢賢治は、科学者であり、

銀河鉄道の父 役所広司と菅田将暉 親子 を軸に太い「魂柱」が入った映画

深い青、黒、紅が混ざる空。きれいだ…銀河鉄道の車窓からの景色か? 《明治29年8月》とテロップ…宮沢賢治が生まれたのか?軽妙な空気感が漂う車中の役所広司(宮沢政次郎)で映画は始まった。帰宅し、赤ん坊と出会う。坂井真紀が出てきた。妻だ。続いて田中泯。役所広司の父役らしい。そこで、初めて赤ちゃんの名前を知る。 政次郎「宮沢、賢治、、、いい名前じゃ!」 初めて生まれた子の誕生で、政次郎から溢れ出る喜び。短いが、この役所広司のひと言で一気に引き込まれた。 明治時代ということもあり、

田中泯さんと昨年のKYOTOGRAPHIE2022と「銀河鉄道の父」

 1か月ちょっと前にバス停で見た広告です。余白には「Min Tanaka 田中 泯」と書いてあります。映画やテレビドラマで拝見する機会が増えてきた田中泯さんです。右手だけで何かを表現しようとしているのでしょうか。それが何なのかはわからないのですが、指の関節の曲げ具合、手のしわや陽に焼けているような肌の質感が印象的で、しばらくこの広告を見ていました。踊っている田中泯さんの姿がぼんやりと私の頭の中に現れてくるような感覚です。  そう感じたのは 昨年の KYOTOGRAPHIE

『銀河鉄道の父』映画感想文

令和5年5月5日公開の映画『銀河鉄道の父』を鑑賞してきました。 2017年に直木賞を受賞した門井慶喜氏の長編小説『銀河鉄道の父』を映画化した作品で、監督は『八日目の蝉』を撮った成島出監督です。 わたしは宮沢賢治のファンだから、宮沢賢治の書籍は過去に多く読み漁っているのだけど、父過ぎる父の宮沢政次郎が、物語の主人公になることで、宮沢賢治の『春と修羅』に巣くう修羅は、仏のごとき父の存在あってのことなのかと、映画鑑賞してから改めて思いを馳せたりした。近くに仏がいなければ、自分が修

銀河鉄道の父@ユナイテッド・シネマ入間

ふたりの「父」が登場する。 息子の前に立ちはだかる厳格な父・宮沢喜助(田中泯)と息子に寄り添う優しい父·宮沢政次郎(役所広司)。入院した幼き日の賢治を看病しながら自らも病にかかってしまう政次郎に喜助は「お前は父でありすぎるんじゃ」と呆れながら言う。 それでも政次郎は息子を承認し続けた。 成長した賢治(菅田将暉)が家業を継ぐことを拒否し、進学したいと言い出した時も、人工宝石を作りたいので金の無心をしてきた時も、学校をやめ、信仰の道(法華経)に生涯を捧げたいと告白した時も…

映画「銀河鉄道の父」をみて。

5月5日公開日に、行って参りました!! あの時から、賢治せんせいの隠れファンになってしまった私は、実はこの映画を楽しみにしてたのです。 それも正当なファンではない、どっちかというと(申し訳ないですが)、純粋でお茶目でまんまな賢治せんせいが好きになってしまった立場からすると、この家族視点の映画に、期待していたわけです。 いやぁ~~、まさしく期待通りでした!! 特に、生前無名だった賢治の作品が 何故どのようにして、ここまで有名になったのか? その背景には何があったのか?

父親から子供たちへの愛あふれる映画だった~銀河鉄道の父~

 東日本大震災は、阪神大震災のトラウマを大いに引き起こし、原発事故は私の心を沈ませた。  そんなの考えても無駄なのに、何度「~だったら」とその先の世界を目の前に思い描いてしまっただろう。  この辺りの地域は農家が多くて、それを生業としている人たちでなくても自分の畑で何かしら育てている人が多い。ウチは、ここではよそ者だから、疎外感がありつつその風景を日々目にし、どんな天候でもその空の下、黙々と作業する方たちを尊敬する。私たちはこういった方たちのおかげでご飯を口にできるのだ。