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『銀河鉄道の父』の映画感想まとめ

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『銀河鉄道の父』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。
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2023年5月の記事一覧

【感想】雨ニモマケズ

「銀河鉄道の父」を鑑賞したおかげで、宮沢賢治がどんな人物で、どんな人生を歩んだのかを少しだけ知ることができ、改めて彼の代表作「雨ニモマケズ」の詩を読みたくなった。 授業で宮沢賢治について学び、何度か作品に触れる機会はあったが、特に印象に残ることもなく過ごしてきた学生時代。 「雨ニモマケズ」は、宮沢賢治が亡くなってから、広く世に広まった作品。でも、彼の遺作のメモ帳に残されていたこの詩が、今世までたくさんの人々に愛され続けてきたのだから、素敵だ。 宮沢賢治は、科学者であり、

銀河鉄道の父より妹に感動した話/人の役に立つってどういうことなんだろうね

GWに銀河鉄道の父を鑑賞した。 (画像は公式サイトから引用させて頂きました) 私は原作を読んだこともないし 宮沢賢治の半生は正直全く知らない。 が、 そんな私が映画鑑賞をして感じたことと考えたことは以下の2つである。 目次①父より妹の方が演技に迫力がありすぎた②人の役に立つことを追求した先にあるものとは? ①父より妹の方が演技に迫力がありすぎた 正直に話すと 私は森七菜さんの演技は役に没入している感じを感じられず(一意見として捉えください)、 あまり好みではなかった

銀河鉄道の父 役所広司と菅田将暉 親子 を軸に太い「魂柱」が入った映画

深い青、黒、紅が混ざる空。きれいだ…銀河鉄道の車窓からの景色か? 《明治29年8月》とテロップ…宮沢賢治が生まれたのか?軽妙な空気感が漂う車中の役所広司(宮沢政次郎)で映画は始まった。帰宅し、赤ん坊と出会う。坂井真紀が出てきた。妻だ。続いて田中泯。役所広司の父役らしい。そこで、初めて赤ちゃんの名前を知る。 政次郎「宮沢、賢治、、、いい名前じゃ!」 初めて生まれた子の誕生で、政次郎から溢れ出る喜び。短いが、この役所広司のひと言で一気に引き込まれた。 明治時代ということもあり、

田中泯さんと昨年のKYOTOGRAPHIE2022と「銀河鉄道の父」

 1か月ちょっと前にバス停で見た広告です。余白には「Min Tanaka 田中 泯」と書いてあります。映画やテレビドラマで拝見する機会が増えてきた田中泯さんです。右手だけで何かを表現しようとしているのでしょうか。それが何なのかはわからないのですが、指の関節の曲げ具合、手のしわや陽に焼けているような肌の質感が印象的で、しばらくこの広告を見ていました。踊っている田中泯さんの姿がぼんやりと私の頭の中に現れてくるような感覚です。  そう感じたのは 昨年の KYOTOGRAPHIE

『銀河鉄道の父』映画感想文

令和5年5月5日公開の映画『銀河鉄道の父』を鑑賞してきました。 2017年に直木賞を受賞した門井慶喜氏の長編小説『銀河鉄道の父』を映画化した作品で、監督は『八日目の蝉』を撮った成島出監督です。 わたしは宮沢賢治のファンだから、宮沢賢治の書籍は過去に多く読み漁っているのだけど、父過ぎる父の宮沢政次郎が、物語の主人公になることで、宮沢賢治の『春と修羅』に巣くう修羅は、仏のごとき父の存在あってのことなのかと、映画鑑賞してから改めて思いを馳せたりした。近くに仏がいなければ、自分が修

映画感想文「銀河鉄道の父」思ったより骨太×家族愛ムービーで驚きましたの巻

IT系アラフィフおじさんが、書いてます。 とある人のお誘いで、 映画「銀河鉄道の父」を見まして、その感想です。 映画を見る前特報を見たら、 「笑いあり、涙あり」な感じだったので、 気楽に見れる映画かな、と思ってました。 映画見た後に知りましたが、 原作があるそうで。 父の視点で宮沢賢治を描いてる小説。 なるほどー、という感じです。 著名な人も、身内から見ると 違う視点があって面白いと感じました。 感想① 役所広司さんがいい役所広司さんの親バカっぷりが素敵です。 す

銀河鉄道の父@ユナイテッド・シネマ入間

ふたりの「父」が登場する。 息子の前に立ちはだかる厳格な父・宮沢喜助(田中泯)と息子に寄り添う優しい父·宮沢政次郎(役所広司)。入院した幼き日の賢治を看病しながら自らも病にかかってしまう政次郎に喜助は「お前は父でありすぎるんじゃ」と呆れながら言う。 それでも政次郎は息子を承認し続けた。 成長した賢治(菅田将暉)が家業を継ぐことを拒否し、進学したいと言い出した時も、人工宝石を作りたいので金の無心をしてきた時も、学校をやめ、信仰の道(法華経)に生涯を捧げたいと告白した時も…

「銀河鉄道の父」知らなかったことを知り、興味を広げてくれる作品の素晴らしさ

先月、門井慶喜さんの「銀河鉄道の父」(直木賞受賞作品)を読んでいたところ、たまたま今月から映画化されましたので、昨日鑑賞してきました。 本作は、詩人・童話作家である宮澤賢治(1896-1933)のお父さん、宮澤正次郎(1874-1957)の子供達との交流を描いたものです。 明治という新しい時代の中で、賢治を愛し、自由にさせてあげようという気持ちがありつつ、家業や信仰などで賢治と衝突し、葛藤する正次郎。しかし、賢治が愛していた妹の死を挟みながら創り出された賢治の作品に対

役所広司さん主演はズルい(笑) 映画「銀河鉄道の父」感想

映画「銀河鉄道の父」見てきた。(たぶんネタバレなし) 宮沢賢治の父親が主人公で、演じるのは役所広司さんということで、心が温かくならないわけがない。直木三十五賞受賞の原作がすごく良かったので、楽しみにしていた。    門井慶喜さんの小説はほぼ読んでるくらい好き。彼は書きぶりが素っ気ないところが魅力でもあるが、映画はトシや賢治の臨終シーンなど、少し演出過剰気味。原稿用紙が風に飛ばされるスローモーションとか、要らない。父は原作よりさらに子煩悩で優しくなってたし、最後のシーン(

映画「銀河鉄道の父」をみて。

5月5日公開日に、行って参りました!! あの時から、賢治せんせいの隠れファンになってしまった私は、実はこの映画を楽しみにしてたのです。 それも正当なファンではない、どっちかというと(申し訳ないですが)、純粋でお茶目でまんまな賢治せんせいが好きになってしまった立場からすると、この家族視点の映画に、期待していたわけです。 いやぁ~~、まさしく期待通りでした!! 特に、生前無名だった賢治の作品が 何故どのようにして、ここまで有名になったのか? その背景には何があったのか?

父親から子供たちへの愛あふれる映画だった~銀河鉄道の父~

 東日本大震災は、阪神大震災のトラウマを大いに引き起こし、原発事故は私の心を沈ませた。  そんなの考えても無駄なのに、何度「~だったら」とその先の世界を目の前に思い描いてしまっただろう。  この辺りの地域は農家が多くて、それを生業としている人たちでなくても自分の畑で何かしら育てている人が多い。ウチは、ここではよそ者だから、疎外感がありつつその風景を日々目にし、どんな天候でもその空の下、黙々と作業する方たちを尊敬する。私たちはこういった方たちのおかげでご飯を口にできるのだ。