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「銀河鉄道の父」知らなかったことを知り、興味を広げてくれる作品の素晴らしさ

先月、門井慶喜さんの「銀河鉄道の父」(直木賞受賞作品)を読んでいたところ、たまたま今月から映画化されましたので、昨日鑑賞してきました。
 
本作は、詩人・童話作家である宮澤賢治(1896-1933)のお父さん、宮澤正次郎(1874-1957)の子供達との交流を描いたものです。
 
明治という新しい時代の中で、賢治を愛し、自由にさせてあげようという気持ちがありつつ、家業や信仰などで賢治と衝突し、葛藤する正次郎。しかし、賢治が愛していた妹の死を挟みながら創り出された賢治の作品に対して、父親は最大の理解者、応援者となりました。その深い愛情は、長くはなかった賢治の創作人生を豊かなものとしたのです。
 
本は500ページ近くありますが、とても描写的で読みやすかったと思います。本を読んでから映画を観ると、はじめは省略し過ぎな感じがしましたが、最後まで観ると原作のメッセージをよく伝えていたと思います。
 
私は正直、これまで宮澤賢治の興味が乏しく、当然政次郎のことも知りませんでした。しかし、門井さんの作品を通して政次郎のことを知り、賢治に対しても興味が生まれてきました。知らなかったことを知り、興味を広げてくれる作品というのは本当に素晴らしいなと思います。

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