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【読書】「職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法」上阪 徹(著)

「ブックライター」とは、著者に代わって文章を書く人を指す上阪氏の造語。世間一般に知られているのは「ゴーストライター」という言葉だろう。だがゴーストは幽霊を意味し、著作物の中でライターの存在を認めることに消極的と言える。しかし実際は「執筆協力」「構成」等で執筆したライターの名前が載ることがほとんどであるため、ライターの存在を消極的に呼ぶ表現は相応しくないと上阪氏は考えた。そこで本書ではゴーストライターを改め、新たにブックライターと呼ぶことにしている。


以前に読んだ佐藤友美氏の「書く仕事がしたい」の中で熱く紹介されていたので、読んでみることにした。表紙に「毎月1冊10万文字書く」とあるため、上阪氏はずば抜けた能力を持つ神に選ばれし人間なのだと勝手に決めつけていたのだが、本書を読む限りそうではなかった。


ライターの最も重要なスキルというと、「文章力」を思い浮かべるのではないだろうか。だがそれ以外の「ヒアリング力」「情報整理力」「文章構成力」の方がよほど重要であると上阪氏は言う。ライターの仕事は、内容を読者に分かりやすく伝えることにあるからだ。


執筆と一口に言っても、様々な構成要素によって成り立っている。これら一つ一つを噛み砕きながら、自分の不足しているスキルを磨けば、書き手として確実にレベルアップするだろう。執筆のスキルを磨きたい人にとっては確実に押さえておきたい一冊だ。

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