命の尊さ

人生って、長いようで短い。短いようで、長い。
終わりが見えないと、どうしても永遠にあるように感じてしまうけれど、
日々確実に終わりに近づいていることは紛れもない事実なんだな…
たまにそういうことを思い出してはこの一瞬を大切にしよう、と心に誓う。
思い出させてくれるきっかけが本であることも多い。
今回はそんな本の中から、いくつか紹介。


📚余命10年/小坂流加


二十歳の茉莉は数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。そして小学校の同窓会で再会した和人と恋に落ちる。限られた時間の中で茉莉は、趣味に没頭し、コスプレ衣装を作るなど才能を開花させる。
和人をはじめ、趣味を通じて知り合った人、同じ病と闘う入院仲間、家族など、茉莉を支える周りの人たちが優しくて温かい。
生きている者全てにある”死”という最期。
それまで10年と知ったとき、”10年もある”と思うか、”10年しかない”と思うか。
茉莉のように強く前向きに生きられるだろうか。
涙なしでは読めなかった。

人が死ぬということは単純な引き算でしかないけど、人が生まれるというのは足し算では収まらない掛け算の出来事なのだ。
後悔ではないけれど正解でもない。
でも、人生はそういう選択と答えの積み重ねでできていく。

読んでいる途中で2022年に映画化されると話題になり、
調べていくうちに、著者はこの作品の完成を目にすることなく亡くなったと知った。素敵な作品を書いてくださって、ありがとうございます、と伝えたい。


📚一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。/冬野夜空


わがままな女の子”香織”と受動的な男の子”輝彦”の高校生恋愛小説。
実は香織は血液の病気を患っており、一人迫る死の怖さと闘っている。
彼の前で見せる本音に胸が苦しくなりそうだった。
展開が読めてしまうところはあったが、最後の手紙で号泣。
寝る前に読んでいたので、シーツを濡らしながら寝た。
「君の膵臓が食べたい」が好きな人におすすめ。

そして、改めて”写真”の奥深さを感じた。その瞬間を切りとり、永遠に残すことができるカメラって、とても魅力的だ。


📚あした死ぬかもよ?人生最後の日に笑って死ねる27の質問/ひすいこたろう


レビューを読むと、人によって向き不向きがありそうだが、私は読んで本当に良かったと思った。最初はKindleで読んだが、ずっと手元に持っていつでも好きなページを読み返したいと思い、紙の本も購入。思わず深く考えたくなる質問の後、説明があり、ワークがある。今後も人生の節目節目にやってみたいと思った。
「1日を大切に生きる」とか、「後悔しないように生きる」ことが大事だっていうけれど、この本は具体的にどう考えればいいか、どう行動すればいいか書かれていて、心にスッと入る。

「いつかやろう」の「いつか」は一生来ない。とにかく後悔だけはしない人生を送りたい、そして冒険する人生を送りたい。そう思わせてくれた。
日々を「何となく」過ごしてしまう人に、ぜひ。

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