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短編エッセイ②

好きな人に嫌われている。その事実が、ショックだった。

僕は一人、東京の何一つ変わらない街並みを歩く。人がごった返し、喧騒が聞こえる。
周囲には、まだ夜でもないのに、酔っ払ったサラリーマン、人前で構わずイチャイチャするカップル達。

僕は、一人で歩いていた。東京の何一つ変わらず、冷たい街並みを。故郷の北海道は、冷たくも、暖かい街だったことを思い出し、故郷に帰りたくなった。

人の波を掻くように進むと、ふと、香水の匂いがした。好きな子がつけていた香水だ。彼女のニコッと笑った可愛らしい表情、明るい声、面白い話を思い出し、すぐさま辺りを見回す。

そこには彼女はいなかった。僕は、彼女の仲が良かった頃の面影を思い出し、帰路に着いた。



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