見出し画像

【気になる生態】 #35 鳥類界の橋本環奈 「オナガ」

最近あの鳥見てないな〜なんてことがよくあったりするのですが、特に関東から名古屋に引っ越してから見かけなくなった鳥がオナガです。

昔は実家の近くで、その美しい尾羽を見せつけるかのように飛んできて、顔に似合わない癖のある鳴き声を放ち去っていったものです。

そんな鳥類界の橋本環奈をどこか近くで見れないものかと調べたところ驚きの事実を知ることとなりました。

西日本から消えたオナガ

なんと1970年代まではオナガは本州全土と九州の一部で確認された、ということになっているようですが、1980年代以降、西日本では繁殖が確認されていないというのです。現在では本州の石川県以東と神奈川県以北でしか見ることができない鳥だということに驚きです。

そして気なるのは、なぜ西日本からいなくなったのかということなのですが、明確な理由はわかっていないそうです。

生態系の中での競争に負けて住む場所を限定することになったのか、食べるものや過ごしやすい気候を求めているのか、因果関係を知りたいですね。

ツミとの不思議な関係

オナガの生態で言うとこの話題はか空かせないと言うものがあります。

それは猛禽類でも最小とされるツミとの共存関係です。

ツミが営巣していると、そのすぐ近くにオナガが営巣する例がある。どうやらツミをガードマン代わりにして、カラスによる捕食を避けているようだ。ツミは小さいとはいえ猛禽、いわば戦闘機だから、本気で攻撃されればカラスも逃げ出すしかない。

https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1163

ツミもカラスを天敵としているため、オナガがカラスを察知し警戒音で鳴くことでいち早く気づくことができるのです。

ガードマンと防犯ブザーのような関係ですが、ツミも結局は猛禽類ということで、オナガのヒナを捕食することもあるようです。

昨日の友は今日の敵。
自然とはなんとも残酷なものです。

托卵される側

以前カッコウの記事を書いたときにカッコウは他の鳥に托卵して、自分の子孫を繁栄していくと書かせていただきましたが、その托卵相手の一つがオナガなのです。

https://note.com/note_1991/n/n60dfb9347f00

実はこちらも興味深い話なのですが、托卵をされた鳥の中にも卵の異変に気づく種もいてカッコウの卵を外に捨てるようです。

ここでもカッコウのすごいところは卵の模様を似せることができるということです。巧妙なトリックで托卵先の親鳥を騙します。

しかし、それにも気づく親鳥もいて、世代を超えて長い間騙す方と見破る方のレベルの高い戦いが今も続いています。

最後に言えることは、”騙す進化”と”見破る進化”があったからこそどちらも絶滅することなく、絶妙な生態系のバランスが保たれているということです。

オナガとカッコウの托卵とその見破りは現在も続いています。

カッコウが新たな托卵先を選ぶまで終わらないこの戦いは果たしてどんな結末を迎えるのでしょうか。

最後に

オナガはカラスの仲間であるということで、やはり知能が高さを感じるような生態が多かった気がします。

そう考えると西日本では見られない理由には、しっかりとした根拠がありそうです。

関東に遊びにいった際は、皆さんもオナガを探してみてはいかがでしょうか。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?