精神疾患の時の思考

前回にも言った通り、家では食べられないので、休みの日は地獄だった。

特に夏休みなどの長い休みの期間、ずっと食べないのは流石に死んでしまうので、小さい頃からの知り合いの家でお世話になっていた。

そう、家で、家族の前だと食べられないのであって、家族以外の前なら食べられるのだ。

親も他人の家にまで迷惑はかけられないと最初はためらっていたが、そうでもしないとどんどん衰弱していくので、それくらい親も必死だったのだ。

今となってはそのお宅にも、家族にも大変な迷惑をおかけしてしまったと思うし、なんと勝手なんだ、と思うが、当時はそうでもしないと一切食べ物を口にしなかった。

おかげで、体重は少しずつですが戻っていった。

それまでは、一切食べないので、小学6年生くらいだったと思うが、身長140cmで、ひどい時は体重25kg程度だった。お風呂に入る時鏡に映る自分は、明らかに健康体ではないし、髪の毛も抜けるようになっていた。顔つきも変わり果て、老婆のようだった。小学生にして、おばあちゃんの知り合いに銭湯に連れて行ってもらった時は、あばら骨は浮き出て髪も薄くなった私の容姿を見て、ショックを受けたと言っていたらしい。

そんな姿になってもなお、このままでは危険だとは分かっているが、自分自身では食生活を改善する事はできなかった。

病院で検査を受けた時、栄養失調どころではなく、脳の収縮も始まっていたとの事で、即入院が必要だと言われ、点滴を打ってもらったことがあった。

当時は、その点滴ですらも身体にカロリーを入れており、太ってしまうのではないか、と思っていた。

病院の人は親に、「このままだと、いつまで持つか分かりません。ある程度覚悟しておいた方が良いでしょう。」と言ったという。

寝ようとしたとき、おばあちゃんが部屋に入ってきて、私の手を握り、泣きながら「かわいそうに」と言った。

その時私は本気で、このまま死んでいくのかな、と思っていた。

周りの人まで巻き込んでしまい、これほど非生産的な生活を送るくらいならいっその事死んでしまったほうが楽なのではないかとも思った。

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