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【随想】自らの魂に忠実に生きる ―19世紀の女性詩人(1)―

年末年始の日課として、日中は大掃除に原稿書き、あるいは外出して“アート系のものに触れて帰る”というルーティンを繰り返していますが、夜には19世紀の女性文学者を描いた映像作品を好んで見直しています。

まずは、エミリ・ディキンスンの伝記映画『静かなる情熱』(原題:"A Quiet Passion")。

これほど自らの魂に忠実に生きた女性がいるでしょうか。19世紀の抑圧された旧弊的な価値観の下で、ほとんどの人々が疑うことなく隷従していた時代に――。

有名・無名であることと、生きる密度の濃さは決して比例しない。世界は彼女を知らなかったけれども、彼女の研ぎ澄まされた精神は、激しく、深く、より豊潤な感動を、世界に対して抱いていたのではないか。

そんなことを思わせられた、秀逸な作品でした。

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