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【旅日記】シルクロードの旅、はじまりはいつも晴れ(1) ―西安市街編―

旅立ち

シルクロードに憧れて幾星霜。2019年9月上旬に、ようやく念願の西安と敦煌を訪れました。あくまで「シルクロードの出発地点に立つ」ということで、今後はより西域の国々を、果てはヨーロッパを目指していく予定です。

今回は、中国国際航空(CA)で大阪→北京経由→西安というルートを使いました。下調べでは(1)遅延の常習犯、(2)食事がまずい、(3)サービスが悪いなど、散々な評判の中国国際航空でしたが、実際に乗ってみると、さほど気にならないレベルで済みました。格安航空券でクレーマーはいったい何を期待しているんでしょうか?

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今回初搭乗となる中国国際航空

西安咸陽国際空港に降り立ち、到着口ではガイドの李さんが、専用車とともに迎えに来てくださっていました。今回の旅は高齢の母も同行するということで、さすがにバックパッカーになるのは諦め、オーダーメイドの個人ツアー「西安中信国際旅行社」で事前にお願いしていたのでした。こういう時には、強引な客引きなどに遭う心配がないので安心です。

まずはホテルへ向かいます。西安で車を運転する人は、ほとんどレーサー並みの腕を持っていなければ危険……。すでに到着早々、無事に生きて帰れることを祈りました。それほどスピード狂なのです!

本日から2日間、「錦江西京国際飯店」が宿になります。宿泊客のほとんどが中国南部からの金持ちで、あとはヨーロッパ系の観光客がちらほら来ているという感じ。日本人観光客のいなさ加減に、いささか驚きました。もはや日本はバブル時代の隆盛を誇ってはいないのです。今や当然ですが。

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西安で泊まった錦江西京国際飯店の入口

余談ながら、中国のトイレでは、基本的にトイレットペーパーを水には流しません。忘れずに、備え付けのゴミ箱に捨てましょう。うっかり流してしまおうものなら、お約束の“詰まり”が発生します。我々は、これで清掃係のおばさんを2回お呼び出しする羽目になりました(汗)。

西安市街に出てみれば

トイレの話はさておき、一休みしてから、餃子宴「徳発長」で夕食を取りました。出てくるのは餃子、餃子、餃子のオンパレード! さまざまな趣向を凝らしたバラエティー豊かな形や具が楽しい。西安ともなると、中国といえど、もう西域の文化圏といってもよいくらいなので、味付けはクミンなどのスパイスが利いた、いわゆるエスニック風です。

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多彩な形状が目を引く西安の餃子

食事の後は、李さんに連れられて「回民街/回坊風情街」(ウイグル族の屋台商店街)を散策しました。ここです、西安で私が一番来たかったのは! 異国情緒あふれるエキゾチックな食べ物や品々、看板の文字を見ているだけでも面白く、全身にアドレナリンが漲ります。

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炙り肉や焼き魚の売店
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ザクロなどの西域らしい果物が並ぶフルーツ屋さん
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人工の果物だそうだが、見た目を楽しむだけのもので、味自体はまずいそう
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ビャンビャン麺の漢字が!

上から、羊の串焼き、柘榴(ざくろ)、人型の果物(食べてもまずいそうです)、そして最後の超難解な漢字は「ビャンビャンメン」。いずれも、西域ならではの食材と献立です。

そろそろ食べ歩きはおしまいにして(餃子でお腹いっぱいなので、屋台ではさすがに食べられませんでしたが)、ホテルに戻ります。

その昔、長安の都には「鐘楼」と「鼓楼」という二つの大きな楼があり、鐘の音で朝を迎え、太鼓の音で夕刻を告げたのだとか。夜には、西安の市街が至る所でライトアップされ、とても綺麗(たまにケバい)です。

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ライトアップされた鐘楼

天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも

――阿倍仲麻呂

〈つづく〉

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