映画『夜に生きる』(2016年)のザックリとしたあらすじと見どころ
映画『夜に生きる』は、
禁酒法時代のアメリカを舞台にしたギャング映画です。
エドガー賞(長編賞)を受賞したデニス・ルヘインの小説をベン・アフレックが製作・脚本・監督・主演で映画化。ベン・アフレックのベン・アフレックによるベン・アフレックのための映画、です。
キャスト
・ベン・アフレック(ジョー・コフリン)
父への反発からギャングの世界に足を踏み入れていく
・エル・ファニング(ロレッタ・フィギス)
ロスで女優になるために親元を離れるが、ギャングの抗争に利用され薬漬けとなる その後、宗教家としてジョーのビジネスに異を唱えていく
・ゾーイ・サルダナ(グラシエラ)
ジョーのビジネスパートナー たがいに惹かれ合い結婚
・シエナ・ミラー(エマ・グルード)
ギャングのボス、ホワイトの情婦
・ブレンダン・グリーソン(トム・コフリン)
ジョーの父 ボストンの警察幹部
・クリス・クーパー(アーヴィング・フィギス)
ロレッタの父 タンパの警察本部長
・クリス・メッシーナ(ディオン・バルトロ)
ジョーの相棒
映画『夜に生きる』の見どころと感想
舞台は禁酒法時代(1920-1933)末期のアメリカ、ボストン。
仲間と強盗を繰り返していたジョーは、強盗に入った賭博場でエマと出会い恋に落ちます。が、エマはギャングのボス、ホワイトの情婦。ジョーの存在を知ったホワイトはジョーを罠に嵌め刑務所送りにー。
出所後、エマが死んだと聞いたジョーはホワイトへの復讐を決意し、対立するギャングのボス、ペスカトーレの配下となります。メキシコ湾岸の都市タンパで酒の密造に携わるジョー。地元の悪党による妨害行為を封じ込めるために警察本部長の娘ロレッタを利用し、さらにのし上がっていきます。
が、進めていたカジノ建設がロレッタの活動により頓挫。
自分の地位が危うくなっていくと考えたジョーはー。
評)ベン・アフレックの「俺カッコイイ」が抑えられない
おそらく原作はもうちょっとノワールな味わいが強いと思うんですよね。
が、ベン・アフレックの手にかかると主人公がやたらカッコイイ。いや、カッコイイだけ。ベン・アフレックの「俺カッコイイ映画」になっちゃってますよ、これ。
(以下ネタバレします)
禁酒法時代を舞台にした映画はたくさんあって(代表的な映画と言えば『アンタッチャブル』)、どの映画もカッコイイんですが、この『夜に生きる』は他の映画に比べて圧倒的に「闇」が足りない。ベン・アフレックが何をやってもいいヤツにしか見えない。
ギャングのボスふたりは凄味もない冴えないオジイちゃんだし、抗争シーンなのにこれ見よがしに白スーツ(パケ写はシュワルツェネッガーみたい......)だし、死んだと思わせて多分生きてるんだろなーと思わせるのシエナ・ミラーは案の定生きていて、ベンに都合のいいようにアバズレになってるし、ラストにジョーの息子は「保安官になりたい」とか言い出して「警察幹部だった父のDNAは俺(ベンね)がつないだぜ」と言わんばかりだし。
「ベン!あんた、そりゃ、都合よすぎでっせ!」
製作・監督・脚本・主演ともなると、「俺カッコイイ」が抑えきれないんでしょうかね。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?