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映画『WASPネットワーク』(2020年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:WASPネットワーク
原題:Wasp Network
製作年:2020年 スペイン・ブラジル・フランス
監督:オリヴィエ・アサイヤス

映画『WASPネットワーク』は、

亡命を装って反キューバ組織に潜入するスパイとその家族の物語です。
1990年代前半、アメリカに亡命した活動家によるキューバへのテロ行為。これを防ぐために組織されたWASPネットワークの一部が不当に逮捕され長期にわたって拘束されたという史実に基づく映画です。

キャスト

・エドガー・ラミレス(レネ・ゴンザレス)
キューバからアメリカへ亡命を装って潜入するWASPネットワークのメンバー

・ペネロペ・クルス(オルガ・ゴンザレス)
レネの妻

・ガエル・ガルシア・ベルナル(ヘラルド・エルナンデス/マヌエル・ヴィラモンテス)
WASPの主要メンバー

・ワグネル・モウラ(フアン・パブロ・ロケ)
WASPのメンバー 海を渡って亡命したことで英雄視される

・アナ・デ・アルマス(アナ・マガリタ・マルティネス)
ファンとアメリカで結婚する妻

・レオナルド・スバラーリャ(ホセ・バスルト)
反キューバの活動家

映画『WASPネットワーク』の見どころと感想

(C)OrangeStudio

1990年代前半、ソ連の崩壊により経済不況に陥ったキューバ。パイロットのレネ・ゴンザレスは妻と娘を残したまま、飛行機でマイアミに向かいます。

レネは家族もアメリカに呼ぼうとしますが手続きは難航。夫が国を捨てアメリカに亡命したと知らされた妻は売国奴の家族として窮地に立たされることにー。

一方、アメリカに渡ったレネは、亡命キューバ人を支援する財団CANFに接触。同じく亡命してきたキューバ人を救う活動を始めますが、レネの本当の目的はー。

評)”キューバン・ファイブ”の史実をおさえておけばより楽しめる

史実に基づいた映画なのでもう少し先まであらすじを紹介しますが、この先はネタバレです

レネは亡命者を装ったキューバ側の諜報員です。
この時期、キューバとアメリカは対立関係にあり、キューバのカストロ政権を潰そうとしたアメリカが、亡命キューバ人による祖国へのテロを支援していたという背景があって、この情報を事前に捉えるためにキューバ側がスパイを送り込んでいました。

このスパイ組織が「WASPネットワーク」 WASPは「蜂」という意味ですが、旧多数派上流階級(White Anglo-Saxon Protestant-ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)を揶揄する言葉でもあって、そんな皮肉もあるのでしょう。

レネ他数名が反キューバ組織に潜入。キューバへのテロ情報を事前にとらえ警告を促すことで、祖国とキューバ人を救おうとするわけです。が、結果逮捕され裁判にかけられることに。アメリカに情報提供する「証人保護プログラム」に応じなかった5人(いわゆるキューバン・ファイブ)は有罪判決を受け長期に拘束されることになった、というストーリーです。

ここまでの史実を知って見たほうが、この映画は楽しめるでしょう。

WASPネットワークはあくまでも自国キューバを救うための活動であり、アメリカ国内でテロ活動をしたわけでもありません。なのに逮捕、拘束したアメリカ。映画はそれを批判した作りにはなっていますが、テロやスパイものとしての緊張感はそれほどでもなく、少々物足りない気も......。

それよりも、家族、特に妻オルガ(ペネロペ・クルス)の苦労と力強さをたっぷりと味わう仕上がりになっています。

映画『WASPネットワーク』は、Netflixで配信中です。



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