『東ドイツのひとびと 失われた国の地誌学』 ヴォルフガング・エングラー 監視社会の奥にあったひとびとの日常とは
映画『善き人のためのソナタ』は、1980年代半ばの東ドイツでシュタージ(国家保安省職員)として要人の盗聴を行う男性の心の変化を描いた作品です(2006年ドイツ・ フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)
国家の”犬”のような主人公が劇作家と恋人の家を盗聴する任務に就きます。そこで彼らの感情に満ちた暮らしに触れ心を揺さぶられ、決定打となるある音楽が主人公を止めることのできない行動に導いていく、という感動の映画です。
が、この映画を見たときにそうした単純な感動以外の