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読書感想

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読んだ本の感想です
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記事一覧

雨の日の片付け、はばむはノスタルジー

2024年7月2日 雨の日、部屋の片付けをしながら手に取った本をついつい読みふけってしまった。…

淀川コーエン
3週間前
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どうかこの感想のことは忘れてー、 『民宿雪国』樋口毅宏

2024年5月8日 先日読んだ『民宿雪国』について。感想というか、困った気持ちを書くしかない。…

淀川コーエン
2か月前
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奇縁。コロナが明けて読む『たちどまって考える』 ヤマザキマリ

2024月4月25日 というわけで、さっそく読んだ。 結論から言うと、想像していたようなコロナ…

淀川コーエン
3か月前
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やさぐれない!心穏やかに本を読む

2024年3月14日 大番狂わせもなく無事終わったかと思ったアカデミー賞授賞式が人種差別の騒動…

淀川コーエン
4か月前
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自分の無意識の加害性にえぐられる/コレか!恋愛要素不要映画

2024年1月14日 ひさびさに読書の話。読んだのは『嚙みあわない会話と、ある過去について』 …

淀川コーエン
6か月前
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『女の一生』 モーパッサン  これは悲運なのか?

作家とタイトルは知っていても読んでいない本がたくさんあります。 これもその一つだったモー…

高齢者が読みたい本とは? 年をとると、どんな本を読みたいと思うのだろう

自宅にある未読の本、本屋や図書館で気になる本、新聞の広告欄にある新刊や話題の本。これらの本を読み果せる(おおせる)のか心配ではありますが、ふと、いつまで今のペースで本が読めるのだろうか、ということも気になり始めました。 年をとると視力や集中力が低下して本を読むのが億劫になってしまう。やがては「本から何かを得る」という発想自体を失ってしまうかもしれないし「本?ナニソレ?」となってしまうかもしれない。なんだかとても淋しい話だけれど、だからこそ限りある「時間」と「力」をムダにした

『きみがくれたぼくの星空』ロレンツォ・リカルツィ 愛を知ることで自分を肯定できる…

ロマンチックな気分になりたかったわけではないのですが、タイトルと装丁に惹かれて手に取った…

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本気で贈る「攻めるプレゼント本」の選び方

誰かに「本」を贈ったことはありますか? 本は好みがあるものだし、そもそも相手が本を読むの…

『希望難民ご一行様』ピースボートと「承認の共同体」幻想 古市憲寿 社会はあきらめ…

『希望難民ご一行様』は、メディアでおなじみの古市憲寿氏による「コミュニティ論」 古市氏の…

『私がオバさんになったよ』 ジェーン・スー 人生、折り返してからのほうが楽しい

脳科学者の中野信子さんが「われわれの世代の阿川佐和子さん」と例えるジェーン・スーさんの『…

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『王妃マリー・アントワネット』 遠藤周作 手に入れるものと失われていくもの

『王妃マリー・アントワネット』は、オーストリアからフランス王室に嫁ぎ、国王ルイ16世の王妃…

『ananの嘘』酒井順子 アンアンよ、どこへ行く!?

ほぼ同世代の雑誌『アンアン』は、私に多くの影響を与えてきた存在です。が、ここ10数年は本屋…

向田邦子作品の楽しみ方 大人になってわかること

向田邦子さんが亡くなって38年。1981年当時13歳だった私は、今年向田さんが亡くなった年齢になった。(*2019年6月時点) テレビドラマの脚本、エッセイ、小説ー。向田邦子さんが残した作品は今でも、いや、この歳になった今だからこそ、その面白さがわかるようになった気がします。 向田邦子作品の面白さ向田邦子さんの作品は、なんでもない日常を題材にしたものばかり。そのなんでもない日常の中にある「書きにくいこと」をサラリと書きぬいています。 女性がまだ「家の中」にいるのが一般的