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法廷劇と裁判員/マイベストJFK/50年目の三島

2020年11月26日

毎年この時期に次の年の裁判員候補が決まる。
候補者名簿に載ると、その通知が本人宛に届き、明らかな辞退理由がないか「調査票」を返送する。その後、裁判ごとに裁判員がくじ等々で選ばれる仕組みだ。

基本的に辞退することはできない国民の義務だが、昨今の新型コロナの流行で生活の変化やストレスの多いなか裁判員に選ばれるというのは厄介ごとを一つ抱えるような思いかもしれない。

もし自分が裁判員だったらー、と法廷劇を見るたびに思う。
アメリカの陪審員と日本の裁判員では制度が違うけれど、陪審員ものの名作『十二人の怒れる男』(1954年)は見ていて損はない。

最近見た法廷劇は『砂上の法廷』(2016年)
父親の大物弁護士を刺殺した罪に問われている息子を弁護する敏腕弁護士にキアヌ・リーヴス。ネタバレはできないけれど、ラストに「どんでん返し」がある話。が、途中からクサいなーとプンプン臭ってくる。

殺された大物弁護士は見事なパワハラ夫。その虐げられる妻を演じるのはレニー・セルヴィガー。何もないはずがないー。そこを、いや、そこにキアヌ演じる弁護士がー。 という映画です。

もう1本。 これがなかなかの出色で、予想外に面白かった。『エミリー・ローズ』(2005年)

1970年代にドイツであった実際の事件を題材にしているホラー、かと思いきや法廷劇。究極の「もし自分が裁判員だったらー」なのだ。これはいろいろ書くと面白さが削がれてしまうので、主演ローラ・リニーということだけで、期待して見るべし。です。


ただでさえ積読が減らないというのに、図書館で多量の本を借りてしまい大急ぎで読む。

『ブッシュ家とケネディ家』は、アメリカ大統領を輩出した両家に関するノンフィクション。WAPS(白人、アングロサクソン、プロテスタント) と(揶揄を込めて)呼ばれる多数派のブッシュ家と、アイルランド系のケネディ家。それぞれのバックボーンの違いが政治にどう影響したかが解説されている。

その中でキューバ危機に絡んで映画『13デイズ』(2000年)が紹介されていた。さっそく映画を見たところ、これがかなり面白かった。同じケビン・コスナーものの『JFK』(1991年)より俄然いい。JFK関連映画では間違いなくベスト1に推したい。



『右翼と左翼はどうちがう?』雨宮処凛・著も面白かった。
14歳に向けて書かれたものだけれど、どちらが正しいとか間違っているという論に持って行かず、なぜこういう思想が生まれたかという現在にも続く社会問題に目が向くように語られている。

で、この本にもチラッと出てくる三島由紀夫。2020年11月25日は、三島が自決して50年の日。NHKで放送された「三島由紀夫 50年目の“青年論”」が話題になっているけれど、ちょっと神格化した作りでモヤッとした。 50年の月日ってそういうことなんだろうと、あらためて思う。




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