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月報(2021年8月)

 8月。いかがお過ごしですか。ひとり暮らしを始めてから、どこにも出かけないお盆は初めてだったかも知れません。やや倦んでしまっていますが、元気です。

■ 「しのばZooゼミ」発足、読書会開催

 この8月は、かねてより実現したいと思っていた「動物園に関する本を読む読書会」に取り組むことが出来ました。

「しのばZooゼミ」と名付けたDiscordサーバーを開設し、動物園学に関する情報を収集。データベースとして運用し始めました。

 8月22日(日)には名無しのアデリーペンギンさんをゲストにお迎えし、川端裕人+本田公夫『動物園から未来を変える』(亜紀書房,2019)の読書会をtwitterスペースで開催。

 この読書会では動物園で飼育業務に携わるスタッフの方からもコメントやご意見を頂き、私自身にとっても狭くなっていた視野を広げてもらう良い機会になりました。

 次の活動は未定ですが、また読書会をtwitterスペース等で開催する機会を持てたらいいな、とも思っています。


■ 短歌熱、再燃

 今年度に入ってあまり短歌をつくることができていませんでしたが、短歌ムック「ねむらない樹」(書肆侃侃房)を手に取ったことをきっかけにふたたび書店の歌集コーナーに足を運び始めました。入ってくるものがあれば出ていくものもあり、いくつかのうたが生まれました。その中でも気に入っているうたたちは、ある公募賞に連作という形で提出しています。文芸系の公募賞に創作を提出するのははじめてのことだったので大きな挑戦でした。

 ふだん奔流のように文章を書き連ねることが多い私にとって、三一音といううつわに切り盛りする作歌は、ルポルタージュや散文とはまったく異なる方法でことばと向き合う作業だと感じられます。

 これからも身の丈に合った歩幅で、自分のうつわにぴったりのことばを探していきたいです。


■  応猿と拡散

 大好きな動物園である日本モンキーセンターが行っていたクラウドファンディングの宣伝・情報拡散にもこの8月は明け暮れていた気がします。このnoteにもクラウドファンディングを紹介する文章を掲載しました(twitterでフォローされていた方、重ねての内容で申し訳ありません。)。

  これまでも日本モンキーセンターは様々な形で資金調達を行ってきましたが、今回は対象が「飼料費」であったためより危機感を色濃く感じ、複数回にわたり私自身も「ご支猿」を行いました。飼料費確保の目標は達成していますが、大規模な施設改修も控えており、8月いっぱいまで募集が続いています。

 日本モンキーセンターはこの8月にも東京大学や北海道大学と連携して霊長類の「味覚」の変化を探究する論文を送り出すなど、単なるレクリエーション施設に留まらない様々な活動を展開しています。経営母体が変化してから苦境が続いている状況を案じており、安定した資金調達が行われるようになることを願いつつ、今後も「応猿」を継続していきます。


■  書くこと綴ることを考える

 8月には書き綴ること、発信することそれ自体を考えさせてくれるイベントもありました。笠井康平さんと小澤みゆきさんによるWeb同人誌「作家の手帖」の勉強会です。

 書き綴り発信する人が集い、ゆるやかな輪を形成していく場としての「雑誌」。コミュニティとして雑誌を運営していくにあたり押さえておくべき視点を多様な切り口から教えて頂けたほか、重要な文献の紹介等もあったため、有意義な時間になりました。

同誌はGitHubとDiscordを用いて購読者に制作プロセスがリアルタイムで公開されている非常に実験的なプロジェクトでもあり、今後の展開を楽しみにしています。

 8月に読んだ本の中では、千葉雅也さんらによる『ライティングの哲学』(星海社新書,2021)も、「産みの苦しみ」という点で先の勉強会と相通ずる議論が展開されていました。

 どこにも行けなくなってから読書量が増えましたが、わたしといううつわはことばを長時間とどめておくにはあまり向かないみたいで、とめどなく読めば読んだ分だけ書き連ねてしまいます。ただ、切れ間のない文章を編集して意味を飲み込みやすくしたり、雑誌やZINEの形式で「伝わるように送り出す」ことには労力がかかります。

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 自分は書くことをあまり苦にしないタイプだと思っていたけれど、まとめることにはかなり苦手意識があるので、道しるべになってくれるようなこれらの著作・プロジェクトに触れられたのは、得がたい巡りあわせでした。


 7月に引き続いて「まぁだだよ」を繰り返すような日々のなか、やややきもきしながらも8月は自分の「好き」とじっくり向き合えたと感じていますが、この先にわかに慌ただしくなりそうな気配も感じ取っています。

 趣味の活動を通じたご縁も大事にしながら、次の季節に向けてまた漕ぎ出していきます。