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【園館訪問ルポ】異能の天才、近藤典生博士の足跡を追いかけて――① 進化生物学研究所 バイオリウム(東京都世田谷区)

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近藤典生(こんどう・てんせい(のりお))。東京農業大学の名誉教授、コムギや種無しスイカを研究し、のちに「環境生態学」を構想した遺伝・生物学者、日本の動物園設計に独自の足跡を残した動物園デザイナー、アマゾンやマダガスカルの自然を日本人に紹介した冒険家……。その活躍は実に多岐にわたっています。

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東京都世田谷区。馬事公苑のすぐ隣、東京農業大学の「『食と農』の博物館」に、近藤博士が中心となって設立された進化生物学研究所の「バイオリウム」が併設され、無料で公開されています。私が近藤博士と進化生物学研究所の業績に関心を持ち、この施設を訪ねたのは、2018年9月のことでした。

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幼い頃からサボテンのコレクションに熱中し、様々な品種を育てた近藤博士。その成果はのちに「伊豆シャボテン動物公園」に結実することとなりました(「伊豆シャボテン動物公園」のルポは次回にて)。「進化生物学研究所 バイオリウム」でも、いくつかの品種を見学することができます。



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バイオリウムの中では、マダガスカル島に暮らす原猿類――レムール(キツネザル)たちの暮らしも見学できます。植物と動物の枠を超えて「不思議」を探求するヒントに満ち満ちた空間が広がっていました。

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ただ遠い土地の自然を切り取ってきて見せるだけではなく、日本との架け橋になろうとした近藤博士。その理念は、マダガスカル島の自然林復元と、現地住民への支援を並行して行う国際NGO 「サザンクロス ジャパン」の活動にも引き継がれています。



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南米産の「カムカム」から作ったドリンクも、ここならでは。バイオリウムの出口では新鮮な果物もたくさん販売されていました。


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バイオリウムを出たところに、近藤博士の胸像がひっそりと佇んでいました。その軌跡の遠大さに思いを馳せつつ、私は世田谷を後にしました。

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「『食と農』の博物館」も見応えがあり、オススメです。

今回のルポ先の公式webサイトはこちらです。

なお、写真及び記述内容は訪問時のものであることを申し添えます。

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