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「ママが一番大好き」の終了を知ったとき

母親にとって、男の子は特に可愛い。理由もなく可愛い。

わたしが、そんな風に思えるようになったのも、実際に男子を産んで

育ててからの話。

そんな息子に「ママが一番大好き」と言われ、

その幸せな時間はせめて、息子が小学生になるまでは

続くと安心していたのに、あっけなく終了していたことを知り

せつなくも、かけがえのない息子大好きな母親としての記録。


性別が男子だと判明したときは、自分に男子を愛情をもって育てられるか悩んだ


妊婦の時、性別が男子だと判明したとき、自分が男子を産んで

愛情をもって育てるか心配になり、尊敬している同業者のところに

相談に行った。


自分が虐待を受けていて育ち、そのころは、まだ父親を恨んでいて、

夫以外の男性に恐怖や憎悪の敵対感情を持っていた。

そんなわたしに、男の子が育てられない、

慌てて自分の心をどうにかしなくちゃと相談に行った。


相談したら、すぐに解決して、男性全般を恨むのは全く筋違い、

父親の個人的な問題だとはっきり認識し無事に出産を迎えた。


生まれてからの息子との一体感で幸せに浸っていた日々

赤ちゃんの頃は、上の子と違って、癇癪もなく、

おとなしくて、愛想がよく天真爛漫で手がかからなかった。

外出すると、知らないおじさんから女子高生まで幅広く

話しかけられたり可愛がられるという人を惹きつけるところがあった。

保育園でも、クラスでも常に先生の膝を獲得しているという性質があり

おなじきょうだいでも上の子は、甘え下手なので下の子の特性だなと

見ていた。

おやつや食事を与えても、半分をちぎってわたしにくれようと

差し出したり、持って生まれたやさしさで周りに譲り、コミュニケーション

上手な世話をしている大人を嬉しくさせる赤ちゃんだった。

親としては、他人に可愛がってもらえるので楽だった。

赤ちゃんでまだ言葉を話せない時代から、お迎えに行くと

帰るときには同じクラスの女の子がむこうから必死にハイハイして、

息子にハイタッチして毎日の別れを惜しんだり、

話せるようになると王子様役を頼まれてデレデレしているのを見て

ほほえましかった。

しかし、それはそうはいっても、

わたしのおっぱいが、何よりも息子の安らぎであり、

栄養補給、命綱である自負があった。

おむつを替えるのはわたし、おしりを拭いているのもわたし。


毎日、起床時、外出時、帰宅時、就寝時、何かにつけ、

「ママが一番大好きだよ」とギューッとハグして甘えてくる数分の儀式、

それは何より、世界がママ中心で動いていたからの一体感で、

母としての幸せ・優越感に浸っていた。


初めて行った公園で女子に囲まれた息子の満面の笑顔に男を見たとき

それが、だんだん雲行きが怪しくなってくる。

祖母宅に遊びに行って、祖母と初めての公園に行った時の話。

遊んでいたら、初対面のお友達同士で来ていた女子2人に

「わたしのほうと遊んでよー」と取り合いになり腕を引っ張られる

という動画が送られてくる。

いつものようにデレデレして照れている。


極めつけが、写真で

彼が生まれてから見たことのない表情をしていた。

赤ちゃんだと思っていた息子は

さわやかで勇敢な瞳を輝かせ、

普段、彼の周りにはいないおませでカワイイ女子2人に

挟まれて写っていた。


母親にはわかる

(いや、母親にしかわからない

この微妙で繊細な表情の違いは・・)

今までとは全く違う見たことのない男の瞳。


ショックと同時に、心から祝福していた。

(あー、嬉しかったのね、こんなカワイイ女子にちやほやされて

もうママとべたべたしてる場合じゃないんだねー)

とはいっても

(男になっちゃったんだわー

うそー早くないー??(泣)

心の準備がまだなんだけど!)

と、一瞬にして、複雑すぎる感情を味わった。


それでもまだ、たかをくくっていた私


夫が入浴中に、娘(小学校低学年)が突然

「ママー、パパ以外で好きな人だれ?れ・ん・あ・い・だよ」

などと聞いてきた。

「ママはね、パパ以外に知り合うことないからねー、いないかな」と

返事したときの娘の本当にガッカリした顔。

娘の表情を見たとき、自分が恋愛もしていないつまらない女に思えた。

簡単にスルーされて息子の順番が来て、息子が

「大人ではママが一番、子供では1番が○○ちゃん、2番が○○○」

と答えたとき、わたしが一番、恋愛事情に疎いなぁと気づく。


あんな写真も見たし、息子はまもなく巣立ってしまう、

寂しいけど「ママが一番大好きー」の蜜月も

あと少しなんだなーと思いつつ、

小学生になるまでは大丈夫でしょうと

勝手に余裕をかましていた。


息子の大作をもらえず、ママはもう一番じゃない


息子は手先が器用で、ハサミを持つのも早かったし、

折り紙も得意で、小さな手で小さな紙を折っていく。


手づくり工作が大好きで、ママに毎回、プレゼントをしてくれていた。

その日も、折り紙を組み合わせて立体のボールのようなものを

作っていた。

大作だなーと見ていると

嬉しそうに

「これは誰にあ・げ・るでしょう?  僕の大好きな人だよ」

と言う。


そんな質問は生まれて何万回も聞いてきて、

答えは必ず

「ママ」だった。

最初から、ママというと正解で話がすぐ終わっちゃうから、

いつも、違う答えを言ってから

最後に「ママ」

「ありがとうー、嬉しいー」

そして、ギュー、ハグーで終わる

お決まりコースが待っていた。


だから、そのときも

いつものように外すつもりで、

最初に、保育園で息子と仲の良い女子の名前を出したら、

「せいかーいっ !」 と

あっけないほど

明るく言われた。


拍子抜けして、今一番好きなのは誰?

と確認すると

周りの家族に聞こえないように

「ママだけだよ」と

手で覆ってひそひそ話を耳元で言ってくる。


「1番〇〇ちゃん

2番○○○ちゃん

3番、ママ」


息子はいそいそと、

プレゼントするべく、その大作を保育園リュックに詰めている。


・・・その空間で完全に取り残された私


突然、頭をガーンと何かで打たれたような衝撃だった


フーン・・・さ・み・し・い(泣きたい)


まだ、君〇才だよね?

大の時のおしり、まだ私に拭いてもらってるよね?(苦しまぎれ)


息子にはショックを見せずに、

そして夫とふたりになったとき、

夫に愚痴った。


「早くない?

あっけないんだよね、寂しいよー

ママなんて3番だってさ

あんなに大好きだって言ってたのにねー

可愛かったのにねー 

ワーン!(号泣)

いつの間にか抜かされてた・・・」


夫は笑っていた

夫にそっくりな息子なんだよね


嗚呼、こうして息子との一体感を感じていた

甘く、かけがいのない幸せな日々は終了した。


最愛なる息子よ

生まれてくる前は

君が愛せるかどうか心配でバタバタしていた私なのに

君はあまりに可愛くて

周りを明るく照らし

家族だけでなく色々な人を

幸せな気分にさせてくれたね


君を育てたこの数年間で

ママは全男性を愛おしく思え

信頼して生きることができるようになった


かけがえのない大事な時間を

愛情いっぱい

今までありがとう




成長して

知らないうちに、次の段階に進んでいた君へ


君にとってママは一番じゃなくなったけど

ママにとって君はしばらくの間は

一番であり続けるよ


そのうち少しずつ

ママも君から離れていけるよう

君にそっくりなパパと

これからもずっとファンとしてサポートしていくね



🌼Noryコンサルしています

Noryプロフィール
子供の時、両親から壮絶な虐待を受けて、医者になる。親を恨んだまま、結婚・出産。自分がしてもらえなかったことを全てやろうと必死になり、自己犠牲育児で苦しむ。 
自分を虐待した親を許し、自分もこの世に愛されて生まれたと信じることができるようになったとき、180度世界が変わる。頑張らなくても心の底から安心と幸せを感じるママになる。

自身の体験から、どんな生い立ちでも、いまがどんな状況でも、自己肯定感は持てる、自分で自分を幸せにするコンサルしています。

また、コンサルの前に、Noryに相談してみたい方は女性限定、無料、非公開のFacebookグループ「Nory♡癒しの道のり」にご招待しています

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