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【書籍紹介】私の好きな小説10冊を紹介します①

こんにちは、noruniruです。

読書が好き。小説が好き。といいながら、実際どんな小説を好み、普段どんな小説を読んでいるか、あまり話さなかったなと思い、表題の通り、ここ半年の間に読んだ好きな小説を紹介していきます。今回は10冊を紹介するために、5冊ずつわけて紹介していきます。





青柳碧人『赤ずきんちゃん、旅の途中で死体と出会う。』

「最近普通のミステリーにも飽きたな」と感じていた矢先、偶然見つけたのがこちら。題名がもうおもしろいでしょう。可愛い装丁とは裏腹にもちろんミステリーなので殺人事件がおきます笑

グリム童話の世界を舞台に、主人公赤ずきんが旅の途中で殺人事件に遭遇します。この赤ずきんが探偵役となり、数々の殺人事件を解決していくお話となります。

目次は以下の通りです。引用は本書より。

第1章 ガラスの靴の共犯者
第2章 甘い密室の崩壊
第3章 眠れる森の秘密たち
第4章 少女よ、野望のマッチを灯せ

各章ご覧の通り、一度は聞いたことあるグリム童話のタイトルがなぞらえてあります。もちろん、グリム童話を読んだことない人でも楽しめる作品です。

あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?
(赤ずきんの名セリフ)


赤ずきんの名推理をこの目で刮目せよ





今村昌弘『屍人荘の殺人』

今村昌弘さんのデビュー作にして、第27回鮎川哲也賞受賞、「このミステリーがすごい!2018年度版」1位、「週刊文春ミステリーベスト10」1位、「2018 本格ミステリ・ベスト10」1位、国内のミステリーの賞を総なめした今大注目のミステリー作家である。

特に本作が評価されたのは、探偵×ペンション×密室、一見すると王道のミステリーなのだが、ある特殊設定が施されており、変な設定が加わることにより、読者をハラハラさせる展開となっている点に評価されるところだろう。

大学のミステリー研究会に所属する男子大学生の2人と同じ大学に通う、私立探偵で謎の美少女とともに、ひょんなことから映画研究会の夏合宿に参加するべくペンションに向かうところから物語はスタートする。その夏合宿で肝試しを行うのだが、そこである悲劇に見舞われ、ペンションに閉じこもることを余儀なくされた。そこで彼らが見たものは…

一気読み必至。衝撃の展開。犯人は誰だ。なぜこんなことを…。ミステリー小説のすべてがつまった作品です。





天祢涼『希望が死んだ夜に』

14歳の女子中学生が「同級生の女の子を殺した」と自首するところから物語はスタートします。読み始めはミステリーというよりサスペンスに近いのだが、自首した女子中学生の証言を聞いても辻褄が合わない点が多い。不審に思った刑事が女子中学生の私生活から交友関係を調べていくうちに、新事実が明らかになっていく過程に、女子中学生の経済的貧困が問題になっているようだと勘づく刑事。14歳の少女がなぜ自首したのか、事件の真相は…。「青春×貧困×ミステリー」作品としてイチオシしたい作品です。





町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』

ミステリー作品が続きましたのでここで違うジャンルから1冊。
2021年本屋大賞ノミネート作品です。
さすが、みんなに読んでほしい本であることがわかる。

イヤミス作品を読むことが多かった筆者にとって、読了後は清々しく、未来へ明るい一筋の光が通るような。登場人物がそれぞれのバックグラウンドを抱えながらも、最後はほんの少し、ほんの少しだけ前向きに動き出す展開が、始まりと終わりで対比されている。

心の傷は一生背負う。その心の傷をどう埋めていくのか。登場人物それぞれの葛藤と題名にある「52ヘルツのクジラ」が主題となって話が進んでいき、「あ、そういうことなのね」と納得できます。

この作品は終始暗いです。途中で気分が沈む瞬間がきます。過激な描写もあります。読む際はご注意を。




渡辺優『悪い姉』

まず書影の怖さが目立つ。手書きで「悪い姉」。怖すぎる。

美人で頭の良い姉が憎くて殺したくて仕方ない妹が、「誰にもばれずに姉を殺す」ために様々な手を使って殺害に画策するお話です。姉の怪奇な一面を見せる瞬間は怖いです。

家族愛や兄弟愛を描く作品って多いですが、このパターンのお話ははじめてだった。兄弟が仲良く育つのって親の教育が大きく影響するんだろうなと思う。「比較をしない」「優劣をつけない」「劣等感を抱かせない」がうまくいかないと、本作に登場する姉妹になるのかな。

とにかく妹は「姉がいなくなれば平和に暮らせる」を一心に姉を殺そうとします。計画は成功するのでしょうか。





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