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【ざっくり中国史⑳】清 前編

話を少し遡って、【ざっくり中国史⑯】の頃に、北方の異民族、女真族のワンヤンアグダが金という国を建てましたね。思い出してください。

その金が13世紀に滅亡したあと、その後どうなったのでしょうか。

まず、女真族の中で内乱が起きます。女真族の中でもいくつもの部族に分かれて生活をしていました。そのような状況の中で、明は女真族を支配下に置いていたわけです。

16世紀の終わりごろになると、交易活動で力をつけた、女真族の愛新覚羅氏が台頭してきます。

そのリーダーであったヌルハチという人が、後に金を再興します。

これを歴史学ではワンヤンアグダが建国した金と区別するために、ヌルハチが建てた金を「後金」と呼んで区別します。

なぜヌルハチがそんなに力をつけられたかというと、交易活動によってたくさんのお金を得られるようになって、そのお金を軍隊につかったんですね。

300人の男性を1つの部隊に組織し、それを25個作りました。つまり約7500人となるわけですが、それを1旗とし、それを8旗作りました。その1旗それぞれにシンボルカラーを与えるわけですね。

赤組、青組、白組…みたいな感じで。

色ごとに軍隊をわけ、それぞれ色の違う旗を持たせることによって、軍隊を統率するためにも、指令や命令をだすためにも、戦場での混乱をさけるためにも、軍隊を色分けした組織を作り上げました。これを八旗制といいます。

八旗制

補足。八旗とは黄・白・紅・藍の4種に、鑲(じょう)と呼ばれる縁をかたどった4旗の計8旗をいいます。1旗は約7500人の兵士で構成されていました。

八旗制を率いて、強大な軍事力を備えたヌルハチは後金を建国します。

ヌルハチの跡を継いだホンタイジが国の名前を後金から清に変えたのです。

これが清の始まりでもあり、中国史最後の王朝となります。

異民族が建国した王朝は大体長続きしませんよね。それは過去の記事もご覧になればわかると思います。

今回から扱う清という王朝も女真族という中国東北部の異民族が建国した王朝です。したがって漢民族は女真族の支配を受ける形になります。

そんな女真族も「満州人」と改め、以降、中国東北部を「満州」と呼ぶようになります。

しかし、その歴史を見てみると、清は約300年も続く、中国史の中でも比較的長い王朝となっていくのです。

ではこれからの清についてはまた次回。

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