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「初めて」なにかをした人とそれを見た人について考えてみた。
イントロ
森羅万象、どんなことにも「初めて」がある。日常で見かけるあらゆるものには、すでに完成された後のものを見ている。どんなものにも一番最初があったはずである。その「初めて」の歴史は記録によって明らかなものがある。たとえば日本で初めて測量によって日本列島の地図を描いた伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』がそうである。(※完成を待たずして亡くなってしまったのは言うまでもない)
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ほかには
日本の歴史上において、一応「初めて鬼を見た人」がいたわけである。たどってみると『出雲風土記』にある。なぜ初めてといえるのか、「鬼」の初出とされているからである。
阿用の郷。郡家の東南一十三里八十歩なり。古老伝へて云ひしく、昔、或る人、此処に山田を佃りて守りき。その時、目一つの鬼来て、佃る人の男を食ふ。その時、男の父母、竹原の中に隠れて居りき。時に、竹の葉動けり。その時、食はるる男「動く動く」と云ひき。故れ、阿欲と云ふ。(割注)神亀三年、字を阿用と改む。
昔、ある人が、この地(現:島根県雲南市)の山中に田を耕して守っていた。その時、片目の鬼が来て、田を作る人の息子を食べた。という話だ。生き生きとした描写で非常に興味深い。この時の「鬼」の見た目は「片目しかない」と形態がはっきりしている。ここからいえることは、古代日本での鬼は、「異形の者」「山から来る者」であったことが読み取れる。
ほかにも
初めて飛行機による動力飛行を成功させたのはライト兄弟。
初めて気球(熱気球)を飛ばしたのはモンゴルフィエ兄弟。
初めて水素気球を飛ばしたのはロベール兄弟。
どれも「飛ばすもの」に限って発明したのはだいたい兄弟であることがわかる。どんな執念があったにせよ、「兄弟で力をあわせてやった感」が感じることができて、と胸をつかれるものがある。
このように、人がなにかを成し遂げた事象にはありがたいことに記録が残っている。人類の叡智を感じ取ることができるのである。しかし、森羅万象、ものごとの「初めての歴史」のほとんどは記録がなく、たどることができないのがほとんどである。なにか新しいものを作ったり、新しいことを始めようとするとき、往々にして周りの理解を得られなかったり、意味を理解してもらえなかったはずである。
※以下から、かなりの想像が含まれている
たとえば
その1 人類で初めて納豆を食べた人
国民的な食べ物である納豆だが、あの「納豆臭さ」は納豆菌を使用して発酵させることから、臭気が漂う。そのため外国人にとって初めて食べるにしてはかなり臭いがキツくて食べられないと思う。
「臭い豆」でしかないあの豆を初めて食べた人がいたわけである。
..……なぜ食べようと思ったのか不思議である。これを初めて食べようとした人が目の前にいるとして
「なんなんですか!この臭い豆は!!!え、〇〇さん、それ食べるんすか!?!?!?」
って誰かが言うはずである。食べ物の好き嫌いが生まれるのは、食感や味そのものもあるが、いちばんは臭いだと思う。我々が台湾の臭豆腐を食べるのに躊躇うのは臭いだし、高野豆腐や鮒ずしの好き嫌いがわかれるのはやはり臭いである。こうしてみると、初めてあの「臭い豆」である納豆を食べた人の勇気が想像できよう。
その2 「ハンマー投げした人」を初めて見た人
「なぜわざわざハンマーを投げるのだ?」
「別にハンマーじゃなくてもよくない?」
「ぶんぶん振り回してるの草」
その3 「五右衛門風呂に入った人」を初めて見た人
五右衛門風呂に入った人「あぁぁぁぁ気持ちいぃぃぃ」
周りの人「グツグツ煮えてる」
周りの人「火の上に人がいる」
周りの人「こわ」
その4 初めて『桃太郎』を読んだ人
「どんぶらこてw」
「結局、桃太郎以外の活躍が大きすぎる」
「桃太郎の自己満で草」
その5 初めて料理に金粉を乗せた人
料理人「よ~しできた!仕上げに金粉散らそ♪味は特にないけど」
周りの人「な ぜ 乗 せ た」
周りの人「味ないんかい」
周りの人「これ食べて大丈夫なやつなん???」
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