見出し画像

海外の廃競馬場跡めぐり


国内外で廃競馬場めぐり

廃●●跡というのは、兵どもが夢の跡的な郷愁や哀愁を誘う場所として、一部のマニアを引きつける場所として知られております。よく知られているのは廃線跡が好きな鉄道マニア、廃城跡が好きなお城マニアなどでしょうか。
競馬界にももちろん「廃競馬場めぐり」が好きな人がおります。最も有名なのが『廃競馬場巡礼』を執筆された浅野靖典さんでしょうか。

日本の廃場については、Wikipediaの日本の廃止・休止競馬場一覧はさすが網羅的で参考になります。
インターネット上の記事だと、競馬場レポートさんの中の「日本の廃競馬場マップ」が極めて秀逸です。また、日本の何処かでさんの中の歴史館のページにも多数の廃競馬場や廃公営競技場について資料とともにアップされています。また、競馬場アクセスガイドさんにも廃競馬場の情報が豊富に掲載されております。
なお、旅打ちで有名な矢野吉彦アナウンサーも、廃競馬場めぐりをされているとのことです。

競馬というのは他のエンターテイメント同様、経済的に利益があって初めて成り立つものですから、栄枯盛衰は当然にあります。そしてそれゆえ世界中に「廃止された競馬場」というのは存在します。
例えば、WikipediaにはDefunct horse racing venues in EnglandDefunct horse racing venues in the United Statesというカテゴリがあり、廃止された競馬場が多数掲載されております。特にアメリカは、日本人にも親しみのあるアーリントンやハリウッドパークなどが名を連ねており、色々と悲しい気持になりますね。

そんなわけで、海外に旅打ちに行かれたついでに廃競馬場めぐりをするのも楽しいのではないかと思います(普通の観光旅行では行かないような場所に行くこともできます)。
なお、日本国内でも廃競馬場は住宅地や私有地になっていることが多く、海外ではなおよく分からないことになっている可能性があります。日本語ですら説明して理解してもらえるか分からない廃競馬場めぐりを外国語で説明するのは大変です。立入りや歩行は自己責任で。
以下、自分がめぐった場所になります(随時追加していきます)。

自分がめぐった海外の廃競馬場跡

台湾

台湾の競馬場については、Wikipediaが非常に詳しく記載しております。
また、こちらのTaiwanAirBlogさんが競馬場のコース跡も含めて詳細なブログ記事を書かれています。おそらく同じ方が作成されたと思われるGoogleMymap(作者はWei-Bin Changさんでいいのかな?)もあわせて参照することで、容易に廃競馬場跡をめぐることができます。

台北競馬場

温泉で有名な新北投から近くにあり、現在、跡地は国防大学になっています。大学名的にまわりで写真を撮るのにちょっとした勇気がいります(大学の周りにはカメラもあります)が、とりあえず私が歩いているときにはなにもありませんでした。

3コーナーの周り。コース形状が道路に残っています
この奥が4コーナーポケットだと思われます

嘉義競馬場

日本と縁の深い嘉義の町。嘉北駅から歩いて行くと到達します。
航空写真を見ても、スタンドの場所がはっきりしないので、以下方位で場所を表わします。
個人的には、形状の残り方に三津浜競馬場跡に近いものを感じました。

コース南側。たまたまですが、馬の絵がありました
南東の道路にはコース形状が残ります

台南競馬場

アスコット競馬場のような三角形をした競馬場だったようです。航空写真を見る限り、スタンドは北西にあったのかな??
跡地には現在デパートがありますが、道路形状などから当時を偲ぶのは困難になっております。

西側のコーナーはこの道路の内側にあったようです
東側の直線上には現在無印良品があります

高雄競馬場

こちらはバスで訪問可能。バス停の案内係のおじさんに「なんでそんなところに行くのか」と問われて答えに窮しました。
航空写真を見る限り、おそらく北西にスタンドがあったのではないかと思われます。

最後の直線のあたりの道。左側にかつてスタンドがあったと思われます
1コーナーの形状が若干道路に残っています

オーストラリア

Williamstown競馬場

2022年5月訪問。メルボルンの南西にあるAlotona Beachで馬が砂浜調教をしているという、風の噂を聞いて行ったところ、馬の調教は見られなかったのですが、競馬場跡地に遭遇しました。Williamstown競馬場という競馬場で、英語のWikipedia記事もあります。

ちょっと汚れていますが、案内板もあります

案内板にもあるとおり、かつてファーラップも走ったことのある競馬場です。
跡地は現在野っ原になっており、近くにはP A バーンズ保護区や犬の散歩コースがあったりします。
コース形状は残っておりませんが、スタンドの跡が一部残っており、ここに乗っている旧競馬場の中では、ある意味一番廃墟らしさがあります。

旧スタンドの石段
旧スタンドの廃墟

シンガポール

Bukit Timah競馬場

2024年5月訪問。
既に2024年10月に廃止が決定しているシンガポール競馬ですが、クランジに移転する前、1999年まではBukit Timahに競馬場がありました(Wikipedia)。
2023年まではスタンド跡がそのまま残り、The Grandstandという、まさにそのままの名前のデパートがあったようなのですが、2023年12月末に閉鎖。

営業終了の案内

2024年5月時点では既に解体工事が始まっていて、立入りができなくなっておりました。

立入り禁止状態でした

Google Mapのストリートビューを使うと、過去のThe Grandstandの様子を見ることができます(一例)。
なお、駅の地図を見ると、若干の名残を見ることができます。

HorsecityとRider's Lodgeがあります

スリランカ

コロンボ競馬場

2024年5月訪問。旧シンガポール競馬場同様、旧Grandstandがショッピングモールに転用されています。こちらは2024年5月時点でまだ現役。2つのスタンドが綺麗に残っております。

スタンドが2つ残っています
スタンド内には馬像もあります

目の前はラグビー場になっており、試合開催時はグランドスタンドから観戦できるようです。なお、地図上ですと、スタンド前にはいかにも競馬場跡のような楕円形の形状の緑がありますが、さすがに小回り過ぎるので旧コースはラグビー場とは無関係だと思います。

スタンド前には気になる楕円形がありますが、さすがに小さい

コルペティ競馬場(旧々コロンボ競馬場)

2024年5月訪問。コロンボフォートのすぐ南にあるGalle Face Green。多くの人が集まって余暇を楽しんでいる観光スポットです。まわりには高級ホテルが並びます。
ここは元競馬場であり、かつてはColpetty Race Course(コルペティ競馬場)だったとされています(Galle Face GreenのWikipedia参照)。
遺稿としては、旧スタンドがColombo Clubビルとして、現在Taj Samudraホテルの宴会場(Ball Room)となっているようです。スタンドといっても観覧席があるわけではなく、あまり競馬場感はありません。

Colombo Club

建物にも特に旧競馬場感はないのですが、競馬場がオープンした1821年にできた建物であることが、装飾からも分かります。

1821年オープンだったことが分かります

というわけで、繰り返しになりますが、普通の観光では行けない場所に行くモチベーションがわいてくる廃競馬場跡めぐり、お勧めです!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?