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なぜ、子ども達はゲームばかりするのか〜ゲームは1年100時間!ゲームで身につけられる力とその活かし方①〜

仕事柄、不登校の子どもと仲良くなることが多い。活動歴も来年で10年目になるので、あの頃の小学生が既に成人していたり、高校生になっていたりするのは珍しくない。

彼らを観察してみると、ゲームに飽きている子がしばしば現れ、そこに共通点を見出すことができる。

そして、不思議なことにゲームに飽きている子のほとんどが親から一切のゲームに関する制限を受けていないという不思議な傾向があった。

そんな着地点を考えると、ゲームは制限しないに限るが、やはり親としてはかなり不安になるだろう。

敵を知り、己を知らば百戦危うからず。その言葉通りに、不安であるならきちんとゲームについて知る必要があると考えている。

半端な制限は子供によりゲームにハマらせてしまう。

今日はゲームとのいい付き合い方について、不登校の子どもたちを見てきたことや私自身の経験から書いていく。


1日10時間以上ゲームをやっていた私はなぜ大学生でゲームをしなくなったのか。

先日、PS4を5000円で購入することになり、久しぶりにゲームをやり込むことになった。

起きてる時間をほぼ全てゲームに注ぎ込み、さっさとゲームクリアするスタイルでプレイした。そのために、朝のうちにあらゆる家事を終わらせてこのゲームに挑むくらいには本気でこのゲームに取り組んだ。

これを読んでいるほとんどの人はソロゲームを10時間以上集中してやり込んだ記憶がないだろう。しかし、私自身、子供の頃にやはりゲームは1日1時間と言われて育った。そこに関してはほとんどの人と同じだろう。

しかし、中学生にもなるとそんな約束は当然守るわけがない。なぜなら、この時期はPSP…というよりモンハン2ndGの全盛期。

昭和と違い、テレビゲームはほぼ死語であるように、携帯ゲーム機(スマホゲー含む)が主流で、親に隠れてゲームをすることが当たり前。そもそもゲームにバックライトがついているのもデフォルトなので、布団の中にゲームを持ち込むことが当たり前なのである。

もちろん、本体を没収されたとしても隠し場所を探しまくってゲームを見つける。いわば、自分の家に空き巣を仕掛ける真似までしていた。

にもかかわらず、大学で一人暮らしになったことをキッカケにパタリとゲームをやめてしまう

以降は5年に一度くらいのペースでゲームをやり込み、そして飽きて元の生活に戻るといったゲームの付き合い方になっていた。

なぜ、子どもたちはゲームにハマり、ゲームに飽きるのか?

ここからはもっと広い話をしていこうと思う。

なぜ子供がゲームにハマるのかというのは単純にゲームよりも面白いものを知らないからに尽きる。

そして、ゲームに飽きるのはゲームが一生を賭けたいと思えるほどに面白くないからという理由に尽きる。

その証拠に、子供はゲームをひとつやり終えたなら次のゲームを欲しがるたまに、スーパーマリオ64という30年近く前のゲームを未だに研究して新しいバグを発見するような熱狂的な人々を見るが、今現在の私たちのやったゲームのほとんどが「子供の頃にやっていたゲーム」として頭の片隅に置いているだろう。

しかし野球などのスポーツに関して、一生やり続けたいし見続けたい人はたくさんいるし、子供が「プロ野球選手になりたい!」と言っても「まあ普通だな」と思えるくらいに、人生をかけたいと思う人が多い

個人的にオリンピックでみんなが盛り上がっているのと、マリオのバグが発見されてザワつくのも、ある娯楽に一生レベルでハマることと考えれば本質的に変わりない

だが、一つのゲームで長くやり続けている人は稀。つまるところ、ゲームそのものはそれほど楽しいものではないのだ。

にもかかわらず、子供はゲームをやり続ける。これはいったいなぜなのだろうか。

やり続ける理由①現実があまりにも不自由な環境だから

こちらの画像を見て欲しい。

引用:公共R不動産より https://www.realpublicestate.jp/post/minamiikebukuro-park/

こちらは現在の南池袋公園。下は昔の南池袋公園だ。

引用:今日もお散歩日和より https://tekumiki.exblog.jp/8663414/

昔はこのような様子だったらしく、今のようなおしゃれで人が集うような場所ではないように見える。

しかしながら、誰もいないということは自由であるということ。

現在の綺麗な芝生のひかれた南池袋公園でキャッチボールができるかと言われたら無理で満場一致だろう。

また、子どもたちは防犯的な観点から遊ぶ場所の範囲が非常に絞られているため、地域の治安によってはどこにもいくことができない。

そもそも田舎の子に関しては遊びに行く場所もなければ、遊びに誘う友達すら近所にいないなんてことも珍しくない。(=友達がいたとしても歩いていける範囲にいない)

その点、ゲームは地球上のどんな場所であってもいつもの遊びができるし、どんな場所に住んでいたとしても、連絡さえ取れれば一緒に遊ぶことができる

つまるところ、昨今のゲームはありとあらゆる制約から子どもたちを解放してくれる。

彼らが置かれている現実と比較すれば圧倒的に自由なのだ。

やり続ける理由②無難に暇と孤独を潰してくれる

僕自身、1日6時間以上電車に乗る18きっぷ遠足という企画をやっているときに、子どもたちと共に無限に近い退屈な時間を過ごすのだが、初めての子はみんなゲームに手を出しがちだ。(18きっぷ遠足では娯楽の持ち込みをOKにしている)

しかし、僕たちがカードゲームなどで楽しそうに遊んでいると「僕(私)もやりたい!」と言って、1人でゲームをしていた子たちが急に混ざってくる。

だったら最初からやればいいじゃないか!と思うのだが、今の子ども達は自分の未知の遊びを反射的に「つまらないもの」と考えてやらない傾向があるため、最初から無理にやらせずに、実際に遊べるメンバーで遊んで楽しそうな様子を見せて、本人がノってきたらレクチャーして混ざってもらうスタイルをとっている。

これを見るに彼らの中で「ゲーム=退屈を潰してくれる楽しいもの」として定着してるようで、その無難なものに逃げているのだろう。

おそらく、無限に供給される子ども騙しに飽き飽きしているのかもしれない。

一日中ゲームをしていた彼らがゲームを辞めた理由

ゲームの誘惑(?)を振り切って、こっちに遊びにきてくれるのはみんなで楽しく遊べるものだから。

僕の関わっている不登校の子たちは出会った当初ゲームばかりしていた。

しかし、彼らにはゲームが突然楽しくなくなってしまう瞬間があるようだ。

それは自分が孤独であることを知ったとき。このまま人と関わり続けることなくこの生活のままだとどうなるんだろう?子どもはその絶望を親以上に理解している。理解しているからこそ、全力で目を背けようとする

不登校の子たちがゲームばかりするのは、ゲームが楽しいからなのではない。ゲームは孤独である今を紛らわすためのドラッグにすぎないのだ。

以前、奈良の山奥で不登校の小学生と一緒に暮らす機会があったが、そのときに徹底的に放置してゲームをさせ続けていた結果、あまりにも寂しくなったのかゲームを放っぽり出して大泣きしたことがあった。

そんな彼は古民家の中でゲーム以外の遊びを探し始めた。そして、面白いことに山奥での生活を終えた後、普通に学校に行き始めた

友人の小学校2年生からフリースクールに通っている現大学生の男の子に関しても、中学校のはじめくらいで「このままだとヤバい!!!」と思い始めてそこから勉強を始めたようだ。

僕がゲームから離れた理由

僕がゲームから離れたタイミングは中学3年生の夏から受験が終わるまでの間、そして浪人生活を始めたタイミングから今日までの間だ。

中学生の頃はとにかくモンハン(MHP2G)がブームだったので、ひたすらゲーム三昧だったが、中3くらいになるとだんだんとモンハンに飽きてきたし、さらにMHP3を買わなかったことから友達とモンハンをする機会も少なくなっていた

その後、ガンダムvsガンダムNEXTPLUSというこれまた非常にやり込んだゲームが出てきたものの、最終的には自分の意思で親にゲームを預けて受験に集中することを選んだその間あまりゲームをやる気にならなかったのは彼女がいたからという説もあるが

また、高校生になると同じ高校に友達があまりいなかったし、中学校の友達とも遊ぶ機会が大幅に減ってしまったために、Switchのような携帯ゲーム機からコミュニティが出来上がっているようなゲームセンターでやるタイプのゲームに移った。

受かっていた美大への進学を辞めて、浪人を決めた際にもスマホの恐ろしさを知っていたことから、スマホを親に預かってもらい、わざわざ中学の時に使っていたガラケーを引っ張り出してセルフ機種変更をした

そんな中、あまりゲームをやりたいと思わなかったのも純粋に勉強が楽しかったからだろう。

つまるところ、ちゃんとゲームをやりこんで、ちゃんと飽きて、人生で何か本気で取り組みたいと思ったものが現れた際に自分の意思でゲームを捨てることができたからゲームをやめることができた

そして、何よりもゲームよりももっと楽しい遊びを見つけることができたからこそ、そちらの遊びを優先してゲームをやらなくなった


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奈良の山奥で一緒に暮らした小学生は今や中学3年生になり、18きっぷで旅をしたり、起業したり、ヒッチハイクをしたりして過ごしているらしい。

また、小2からフリースクールに通っていた彼も大学生となり、「ちゃんと学問をやっていたい!」という理由から放送大学からの3年次編入試験で国際学部に進学するという実に奇妙な進路を歩んでいる。(もともと彼と出会ったのが中3のときで、その当時から政治に異常に関心があったので出会った時から自分の興味関心に突っ走っていたためでもあるが。

次回は親目線からのゲームの選び方や付き合い方なんかを書いていこうと思います。

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