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総裁選候補者リーダーシップ寸評

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:総裁選にみる、日本的なリーダーの決まり方に関する理解。日本にグローバルなリーダーがいるのかという考察。

国民不在の醜い権力争い

菅退陣からの自民党総裁選は、リーダーシップを考えるいい機会です。全員失格だといいたいですね。なぜならば皆国民の方を全く向いてないからです。自分がいかにして勝つか、負けても自民党内で有利なポジションを取れる落とし所はどこか、そんな小賢しいことしか考えてない。

世上いわれている評判も加味して、ざっと総裁選出馬政治家の寸評を。

河野氏:気の短いエセ改革派

パワハラ疑惑がありますよね。官僚に「日本語できるやついないのか」と言ったとされる件です。政治家にありがちな、上から目線。官僚がすべてやってくれているのに、自分たちが彼らのボスだという意識。謙虚じゃないですよね。これは復讐されますよ、いつか。

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民主党がぶっ壊れたのも、官僚を否定したからです。米紙にも報道されましたが、菅さんがあの広島でのスピーチを飛ばしたのも、官僚の意地悪という説がもっぱらです。官僚あってこその政治家なんだから、彼らにえばっちゃダメでしょ。

反原発の主張は、どうせ麻生派の賛同を取り付けるために返上するでしょうが、改革派のアクセサリーには有利でしょう。

しかし、一時が万事。河野氏は切れやすい人だな、という印象です。これがリーダーとしての命取りになりかねないことを危惧します。

岸田氏:気弱な風見鶏

テレビ番組でモリカケ問題で再調査を要求したとのことで、安倍元首相が怒って、慌てて火消しに走ったことが報道されています。可もなく不可もなし、単なる弱気の風見鶏でしょう。

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リーダーは明快な主張を持っている人です。この人にはそれがない。ただ、岸田さんは柔和さはあり、優柔不断な分を少し補っています。しかし、人を動かすのがうまいという評は聞こえません。父も衆議院議員、やはり地盤カンバンをもらっている二世の弱さなのでしょうか。

石破氏:世間人気、党内不人気の万年候補

党内の人気のなさにこりて、前回の敗北からしおらしくなった印象。推薦人20人は集まったから出馬準備が整いましたが、河野さんにはかなわないと見て引っ込むでしょう。

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防衛大臣の頃の知識のひけらかしが、勉強しない議員たちの癇に障ったかんじはあります。「智に働けば角が立つ」の典型でもあります。(草枕冒頭)

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政治家は見識を持つことこそ大事だと僕も思いますが、それ以上にいかに人を動かせるか、です。「好かれる」ということが決定的に大事ですが、石破氏はそこが欠けている。

飲みに行かないとかも本当で、これは嫌われてしまいますよね。仲良しこよしでないとグループ社会の日本では生きにくいのです。選挙の顔として総裁になれば、若手が喜ぶだろうけど、結局派閥の多数決でそんなことはありえないので、万年候補で終わるでしょう。

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高市氏:女という総裁選にぎやかし役

大穴と言われていますが、安倍元首相の秘蔵っ子です。「安倍さんが出ないんだったら、私でます」というやりとりがあったとか。なにか微笑ましいですね。白々しいというべきか(笑)。

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首相でいいんじゃないですか。彼女はクセがないし、悪いイメージがついてない。政治家の男は悪いことをするというイメージ、あくまでイメージですがそれが強い分だけ、彼女は得をしている。

今回女性も忘れるな、というアドバルーンを上げたのは、次回以降の布石になるでしょう。

でも、なによりも彼女の出馬は、自民党のイメージアップですよ。女性も出て、ダイバーシティ(diversity)考えているよ、男社会じゃないよ、というイメージ戦略にほかなりません。そうじゃなきゃ、勝算度外視して出ないでしょう。

サル山ボス決定戦

とにかく、我々日本人にとって悲劇なのは、総裁選は自民党というサル山でのボス決定儀式でしかないということです。

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組織ができれば派閥ができる。当選回数とか、何回重要ポストについたとか、つまり、今の実力じゃなくて、年功ですよね、派閥の長になるのは。

そして、派閥の力は、どれだけ政治的利得を配下のものに上げられるかで決まります。

結局、当選した直後から、政治家は最初っから個人の魅力を磨くことよりも、派閥に所属して、そこでいかに上に上がるかだけ考えるわけです。だから、有能で個性的な政治家が生まれないのです。

企業だったら、利益を上げる力がなければ会社もろとも存続できないから、実力のある人物がトップになりますよ。

しかし、政党は企業のような業績がありませんからね。GDP?失業率?コロナ感染率? 企業の四半期の利益だとか、株価だとか公平にジャッジできる指標がないですよね。だから、派閥の暗躍を許すのです。

グローバルが決定的に欠けている日本のリーダー

政治家のリーダーシップで、今一番大事なのはグローバルな関係構築力や、世界の中の日本がどうあるべきかという視点だと考えます。

河野さんは英語は確かにできるけれど、全然発信はしてないのが残念です。

これから候補たちの、おざなりな外向けのスピーチを我々は目にしますよ。でも、グローバルな世界情勢をどれだけ理解して、気の利いたことを言える候補がいるのか、ちょっとだけ注目してみましょう。


どうせそんなスピーチなんて、サル山の投票に影響を与えるはずないんだから。みんな自民党員、政治家は一人ひとりの正体を僕らよりずっとよく知っているんだから。直接選挙でもないのに、候補者の所信演説なんて、まったく意味がない。

そろそろ、選挙制度、いや政治そのものを変えて、僕らにとって本当によいリーダーを選びましょうよ。

そこへ行くと、政治家経験ゼロのトランプが候補になってしまうアメリカはすごいね。

また明日も、総裁選の話をします。

                             野呂 一郎

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