馬鹿になりたい

※センシティブな表現が含まれています。

最近聞いた星野源のオールナイトニッポンで「幸せそうに見える人は鈍感な人だと思った。僕は敏感で気づいてしまう人だから思考がぐるぐるしないように馬鹿になる時間が必要だと感じた」といった事を話していた。めちゃくちゃ同感だ。僕はある契約をしたのだが(合法のやつです)、話をひと通り聞いた後、頭の方に血が上ってきた感覚があったので一旦家に帰って頭をクールにしてからまた手続きなどをしに来ようと思った。しかし、店員は「なんで帰るんですか」「今契約しないと値段大分変わりますよ?」と詰めてきた。怖かった。向こうも商売だからただで返すつもりはないだろう。向こうはそれが普通だと思っているし悪意などない。本当に「なぜ帰るの?」といった感じだった。分かってる。あなたの理屈は論理的で正しいし帰ろうとした僕は愚かとも思えるし、何の考えもなしにのこのこやってきた僕が阿保に見えても仕方がないのかもしれない。ただ風を少し浴びる時間が欲しかっただけなのだ。その店長は若くて美人で賢くていかにも「私幸せですけど」といった感じだった(偏見を含む)。そして言葉の節々から今まで多くの事に勝ってきた強者の威厳が感じられた。非論理的で非生産的な行動を取ろうとする人が理解できないといった具合にも感じられた。あの店長はきっと「理由のない不安」というものを感じたことはないのだろう。もしくは感じたことはあるのだろうか。もしこの感覚を知っているのなら僕はうっかりあの店長を刺してしまっていたところだ。ああ馬鹿になろう。言葉を言葉通りに受け取ろうと思った。

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