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よみかけ。

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読みかけの本について、本と過ごす生活、日々のよしなし事と読書。 ——的な感じで書くエッセイです。 ルールは、「読みかけの本しか扱わない」「文字数、投稿頻度に規定なし」と決めました。
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#エッセイ

巨大な友人

私はいつも読みかけで本を語る。 これもまた例に漏れない。が、他の本を語るのとは、これは少…

のり子
2週間前
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曽根崎心中EDM

2/11 近松門左衛門『曽根崎心中』を読んだ。 驚いた。あまりの衝撃にバイト先の食事会に遅れた…

のり子
6か月前
10

読書会曼荼羅なるもの(多読の真髄)

随分まえに「読書界曼荼羅」なる単語がわたしのなかでほつと生まれた。定義らしい定義をこれま…

のり子
10か月前
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適当読書指南

さてわたしのり子が、ここ二ヶ月続けていること。 『よみかけ』なるエッセイシリーズ。 本シ…

のり子
10か月前
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尾崎翠・梶井基次郎 対 消費社会 

思わぬ再発見があったりして、文学の細部がもつ奥の深さを思い知る。 最近、金を使うという快…

のり子
10か月前
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休肝日的なやつなのか、はたして

休肝日とかいう面白い言葉。 まず語感がいい。口なじみがある。加えて、この一語にその日以外…

のり子
10か月前
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生活にとっての幸せ、人生にとっての幸せ

今日もまた本の話をしてしまう。 毎度変化も、芸も、工夫もない手前味噌な話題作りである。 次くらいはもう少し飛躍した事件なり思索なりを語ってみたいと、いつも考えるのだが。 さて、わたしは人生が好きである。 なぜなら、理解できないからだ。 なぜ私が平安時代でも空飛ぶ車の未来でもなく、令和の時代を生きているのか。 なぜアメリカでも月でもなく、日本に生まれたのか。 なぜ目が見えてるのかとか、くしゃみをするのかとか、わさびが食べられないのかとか。 巨大な問題から些細な問題まで。

本屋慕情

貧すれば鈍する。 わたしはこの夏、この言葉を知った。ある二種の出来事から。 お菓子と本。…

のり子
11か月前
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休むと衰えるが珍しいことなのでそれもまた良し

本を読んでない。 たしか昨日に限っては一行も、一文字も読んでいない。 そんな日は、一体何…

のり子
11か月前
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のり子'sリュック 夏の選抜

明日、家を出る。 行き先は和歌山県。祖父母の家だ。 五日間滞在することに決めている。 居心…

のり子
1年前
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堕落者の末路

アニマル浜口が飛び出した。 私のスマホの中。 「気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだ!…

のり子
1年前
13

細胞だ、私は。

読書なる運動が、生活の中に組み込まれている人であれば多少、共感してくれるだろう。 生活環…

のり子
1年前
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離別の讃歌

本好きは、本を溜める。 しょうがなく溜まってゆく。 それはもう資本家の金の如く。ケンドリッ…

のり子
1年前
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下鴨納涼古本市

今年も参加した。 アート・ブレイキーのドラムの如く窓を打ちつける大雨をもたらした台風も去り開催された古本市の最終日。 初日と合わせて五日ぶり、今年二度目の下鴨神社を訪れた。 たった五日前の景色とそこは別の国だった。 台風の通過は景色を一変させる。台風なるものの秘めるエネルギーに驚く。 到着早々、その熱気にやられた。 手を振るだけで水滴が掴めそうなほど湿度が高い。 密集する糺の森の木々が、湿気を捕まえて離さないのである。 気温が湿気によって二倍も三倍もでかい顔をする。そ